表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LEVIATHAN~Sodalis~  作者: 黄帝
18/267

8月2日-(6)-

 昨日、「明日は朝9時に集会室に集まることにしよう」ってなってたから、私は8時半過ぎに来て、昨日と同じ席に座っていた。

 夜の7時と違って、この9時っていうのは法じゃないから、排除とかっていうことにはならないだろうけど、みんな結構早めに来ていた。

 昨日のことは、やっぱりあまりに気になるんだろう。

 8時50分になったところで、森さんと三田さんが二人で集会室に入ってきて空いてる席に座ったのが最後。

 28人全員が9時よりずっと前にそろった。

(・・・・・)

 昨日から今日にかけては誰も欠けていないことが、取りあえずホッとする。

 みんなそろったので、今日の国王の中岡くんが前に出る。

 昨日の夜みんなで話し合っていた時、メールが来て


8月1日 @国王選挙

~今日中に明日の国王を選挙し国王名を送信せよ~


ってことが書いてあって、昨日は、国王の藍川くんが司会で選挙を始めたら、すぐに中岡くんが手を挙げたので、藍川くんの次の国王は、中岡くんに決まったのだった。

 まずは、今日の法を決めることになった。

 「みんな知ってるだろうけど、今日の法を決めろというメールが来てる」

 中岡くんの言うとおりだろう。

 夜、全然眠れそうもない時間を過ごしているうちに、日付が2日に変わったところで、すぐ端末にメールが来た。


8月2日 @法の制定

~国王中岡大翔は法を制定し、本日中に内容を送信せよ~


 でも、今日中というだけで、昨日のように制限時間とかはないらしく、急いで決めなくてもいいのかもしれないけど、中岡くんとしては、みんながいるところで決めてしまった方がいいと思ったんだろう。

 「実はもう考えてきたんだ」

中岡くんは自分の端末の画面をみんなに見せながら

「スゴク当たり前だし、みんなを疑ってるようで申し訳ないけど、他人を殺してはいけないことにする」

少し興奮気味に言う。

(・・・・・)

 それでいいと思う。

 昨日からずっと、異常なことだけが続いてきた。

 「当たり前のことだって守らなくちゃいけない」という気持ちを取り戻すのが大事なのかもしれない。

 だから、これからもずっと、そういう当たり前のことを確かめるみたいな法がいいんだと思う。

 そんなふうに感じたから、私はすぐ賛成するのがいいんだと思って、拍手しようと両手を胸の前に持ってきたところ

「分かった、それでいいぞ」

私より早く大きな音で拍手を始めたのは、最前列の長谷田くんだった。

 こんなに早いのは、長谷田くんの決断がすごく速いか、中岡くんと打ち合わせていたんだろうか。

 「いいぞ、賛成だ」

私が次に動くよりも早く、またすぐ後ろの方から声が聞こえてきたけど、今度は仁藤くんのようだ。

「俺もだ」

すかさず続いたのは、鹿生くんだろう。

 3人も賛成してくれた後で、私も自分が思ったとおり、4番目の拍手を始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ