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LEVIATHAN~Sodalis~  作者: 黄帝
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8月2日-(5)-

 「・・・・・ぇ」

吐き気が止まらない。

 安齊さんと柚島さんが言うとおり食堂に来た。

 別に食べたくなんかなかったけど、一応朝定食なんていうのにしてみた。

 でも、目玉焼きにケチャップがかけてあるのなんて見てしまったから、スゴク気持ち悪い。

 あのときのことを思い出してしまう。

 昨日、優香と佐藤くんを探してるうち、奥の方の部屋のドアノブが縄跳びの縄で開かないように結ばれてるのを見付けた。

 「何だろ?これ」と言いながら縄をほどいたのは鈴木さん達で、わたしが部屋を開けると・・・

 誰か倒れてて、血がいっぱい飛び散ってるのを見てしまった。

(これって・・・・・)

見たくないし、なんかムッと変な臭いがする気もしたから、ドアはすぐ閉めた。

 「・・・ゴメン、誰かもっと来てもらってよ・・・」

やっとそれだけ声に出せて、鈴木さん達が誰かを呼びに行ってくれた。

 二人きりだったけど、曽根嶋さんが側にいてくれたのはスゴク安心できた。

 そのうち村井くん達が来て、部屋の中に入って行ったので、あとは村井くん達に任せて、わたし達は集会室に戻った。

 あれがやっぱり佐藤くんだったこと、優香も外で死んでたことは、あとでみんな集会室にそろってから村井くん達が話してくれた。


 あのときのことを思い出してしまうから、目玉焼きにケチャップなんて、見ただけで気持ち悪い。

 「・・・・・」

 「食べれる気しないよね?」

斜め前の安齊さんが言うと

「でもさ、食べれる物だけは食べた方がいいよ」

安齊さんの隣、わたしの向かいの柚島さんが続いた。

 「・・・」

わたしも何か言った方がいいんだろうけど、何て返せばいいんだろう。

 「私、サンドイッチもう一つ食べちゃおっと」

安齊さんがサンドイッチをつまみ上げた。

「なぁーに美結、もう5個目じゃないの、それぇ」

すぐに突っ込む柚島さん。

「あはは」

笑いながら安齊さんがサンドイッチを口に運ぶ。

(・・・・・)

 たぶん、柚島さんも安齊さんもムリしてるんだろう。

 わたしみたく血は見てないからって、いつもどおりふざけていれる人達だなんても思えない。

 「ケチャップはちょっと・・・」

わたしがつぶやくと、柚島さんが

「ああ、あたしもそんな好きじゃないよ」

と言って、すぐに安齊さんが

「最初っからケチャップかかって出てくるんだぁ、私も気を付けなきゃ」

と言う。

 「え?何で、美結」

「目玉焼きにかけるのって、ソースでしょ」

「うそ?塩じゃないの」

「ええー」

大げさに手を振る安齊さん。

 それを見てると

(なんか、良かった・・・)

と感じる。

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