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LEVIATHAN~Sodalis~  作者: 黄帝
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8月2日-(4)-

(お、誰かいるみたいだ)

 朝に目が覚めたとき、なぜか部屋にはもう誰もいなくて、こっちなら誰かいるかと思って集会室に来てみたら、集会室に人影を見つけたのだった。

 見ると、長谷田と中岡が二人で話してるようだ。

 「とにかく、単独行動は駄目だな」

中岡が言うと

「そうだな」

答えた長谷田は、俺の方に目を向けた。

「おう、野村も来たのか」

俺に気付いたみたいで、長谷田は右手を上げる。

 「ああ、誰かいるかと思って」

隠れてても仕方ないし、長谷田と中岡いる方へ出て行った。

 「そっか。でも、さっきからずっと俺と中岡だけだ」

「野村、ここに来るまでに誰か見掛けたか?」

中岡に聞かれたが

「いや」

俺は、それだけ言って首を振り、手近な所に座った。

 俺が座ると、二人は俺が来る前からしてたんだろう話の続きを始めた。

 「やっぱり、グループ行動か」

「佐藤も根津も独りだったところをやられたんだろうしな」

どうやら長谷田と中岡は昨日の佐藤と根津のこととかを話してるみたいだ。

「グループ行動も、メンバーを入れ替えたりしないのが大事だよな」

「どうしてだ?」

「誰か関わってるか判らないし、固定しておかないと危険だろ?」

「ああ、まあそうだな」

 「・・・」

立派な考えを持ってる奴らかもしれないけど、こんなのに巻き込まれてる時点で、どうするか話し合ってもしょうがないんじゃないか。

 「朝飯食ったのか?」

「え?あ、いや、まだ」

「俺達は食ったけど、食堂まで一緒に行ってやるから飯食ってこいよ」

「まだ食堂に誰かいるだろうし」

「あ、ああ」

 普段だって今だって、俺は朝飯なんて食いたくないけど、この部屋で独りになるのは、なんか怖いし、俺の前を歩き出した長谷田と中岡の後ろをついていく。

 建物の裏で根津の死体を見付けたのは仁藤だけど、俺も一緒だった。

 俺や工藤は死体の辺りさえまともに見れなかったのに、仁藤と鹿生は根津の死体を調べて、「胸と肩と脚が破裂したみたいに裂けてる」とか「両手両足がガムテでグルグル巻きだ」とか言ってた。

 身体が裂けてたのは、決まってたことを守れなかった罰で、人の力以外の何かでなったんだろうが、ガムテでグルグル巻きの方は、それをやった奴がいて、それは俺達の中の誰かってことだ。

(俺だって、いつやられるか・・・)

 寝てた部屋から慌てて集会室まで来たのも、怖かったからだ。

 あの部屋には俺と綿谷と戸田が男で、女子は三田と森と矢口の3人だったのに、朝になったら俺以外はいなくなってて、あとの奴等を探すなんてより、とにかく、独りでなんかいれない。

 さっき長谷田が言ってた「メンバーを固定した方がいい」ってのに俺も賛成だし、この二人もいいけど、昨日のメンバーに固定すれば鹿生と仁藤が一緒だから、あいつらと一緒なら何となく安心できる気がするから。

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