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LEVIATHAN~Sodalis~  作者: 黄帝
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8月16日-(1)-

 お湯と混ぜた水に溶けてる塩は

 煮詰めるか乾かせば取り出せる

 1日目の夜からずっと同じ部屋でだけ過ごしてたけど、昨日から今日にかけて初めて違う部屋で目が覚めた。


 昨日の夜も、健ちゃんかヒデくんのどっちかがずっと起きててくれるんだろうことが分かってたし、美結は役に立たないとか思われてるのかもしれないし、私は起きてると逆に怒られちゃうので、申し訳ないけど私は眠ることにしたのだった。

(でも、昨日は・・・)

きっと長谷田くんは一晩中眠れなかったんじゃないかと思う。

 昨日は、30分たっても1時間たっても、なかなか帰ってこない中岡くんのことが気にならない人なんていなかったはずなのに、でも中岡くんの話をするのは何か気が引けてしまって、ずいぶん時間が過ぎた。

 ヒデくんが、中岡くんは長谷田くんと2人で使ってる部屋に戻っているか戻ってくるんじゃないか、って言うので、みんなで見に行くことにした。

 部屋に行ってみたけど中岡くんは帰ってなくて、誰もいない元の部屋に戻る意味なんてないから、そのまま中岡くんが帰ってくるのをこの部屋で待つことにしていたのだけど・・・

 中岡くんが帰ってこないまま、健ちゃんが私にもう寝るよう言ってくれたので、横になった。

 そして、日づけが変わる。

 とたんに届いたメール。

(・・・・・)

着信音でメールの中身は分かる。

(また、誰かが・・・)

もうとっくに癖になってるからお腹のところにはさんでおいた端末を、顔の前に持ってきて画面に触る。

 画面が明るくなると嫌でも目に入ってくる、@8月15日、の表示。

 何が書いてあるか知ってるのに、それを触ってしまう。


@8月15日

~裁きに因る死亡者 中岡大翔 綿谷爽輔~

~裁きに因らない死亡者 なし~

~国家の人口 14人~


と。

 言えなかった、一つも。

 動けなかった、少しも。

 悪すぎる予感が、また現実になったんだって思い知らされてしまったから。

 私は窓の方を向いてるので、長谷田くん、健ちゃん、ヒデくんは背中側にいて、寝返りしないとそっちを見れないのに、見ていいとも思えなかったから、ちょっと耳を澄ますだけしてみた。

 けど、長いことなんにも聞こえないし、あの3人でさえ私と同じく固まってしまってるんだろうか、とか考えてるうち、眠ってしまった・・・


 「美結、起きたのか?」

いつの間にかそっちを向いていたらしく、まぶたを開けると見えたのは健ちゃんだった。

「・・・ん」

上半身を起こして、ひざも立てる。

 寝起きのせいか頭がボーッとしてたのは少しの間だけで、壁にもたれるみたいにして天井を見てる長谷田くんが目に入ると、すぐに思い出した。

(中岡くんが・・・)

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