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LEVIATHAN~Sodalis~  作者: 黄帝
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8月12日-(7)-

 いつも周りの空気を気にして生きてきた。

 どうにかして、人数の多い方に入るのが得だと信じてる。

 声が大きいとか、力があるとか、頭がいいとか、そんな強さを持つ人にあこがれて、必死にすがり付こうとしてきた。

 スゴくカッコ悪いと分かってる。

 分かってるけど、そんな気持ち無視しても得なことした方がいいに決まってる。

 もちろん、自分の考えだってある。

 でも、意見が通ったことなんてないし、その場その場で、強い人に合わせたり数の多い側に立ってる方が、何だってうまくいく。

「まあまあか・・・」

わざわざ口に出してまで自分に言い聞かせる。

 今の生活だと、いろんな人のことを気にしないでもいれる。

 顔色を見て機嫌をとらなくちゃいけない相手は一人だけ。

 毎日女王様気分で勝手してる、そいつの顔色を気にして機嫌をとるのは、当然だけど面倒だしイヤだ。

(・・・・・)

 部屋の中を見回すと、広魅もあかりも無表情で仕事をしてるし、梨加子は部屋のすみっこでギューッと目をつぶってヒザを抱えてるのが分かった。

 この部屋では愛麗沙だけが少し離れたところでイスに座ってて、広魅とあかりを見ながら笑みを浮かべてるのも見えた。

 愛麗沙に浮かんでる笑顔の冷たさにゾッとする。

(だけど)

こいつは、学校でも今の生活でも勝手してたし、えらそうにしてたけど、あまり笑ったりすることはなくて、こんな笑みを浮かべるようになったのは、ホントここ2、3日のこと。

 愛麗沙が笑うようになってから、あたしは広魅とかあかりみたいに仕事をさせられることがなくなったし、人手が足りなければ梨加子に仕事が行くだけで、あたしは見てるだけで何も言われなくなった。

 もう18人になってて、女子だけでも6人いるし、愛麗沙の言うことなら聞くような男子もいるから、あたしは間違いなく一番数の多い側に立ってる。

 今の生活は、たぶんいつか多数決をするときが来るし,そのとき数が多いってだけで、きっと無敵だ。

 しかも、仕事の割り当てからして、あたしの順位が愛麗沙の次だってのも間違いない。

 だから、あたしは強い側にも入ってる。

 それに、一つだけ残念だと思ってた、あたしらのグループには、あまり頭のさえてる人がいないってのも、愛麗沙の話だと愛麗沙本人がどうにかできそうなところまでなってるらしい。

 それと、部屋には来てても仕事しないで済んでた前田が、昨日からは部屋に泊まるようになったので、今日とかからは仕事をさせれるはずだってのは大きいと思う。

 やっとここまでになった。

 まだ半月以上もあるんだ、あたしらグループだけになった後のことは、なってから考えたって遅くない。

 あたしらだけになったら、まず立場の弱いのを切ればいいんだし・・・

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