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LEVIATHAN~Sodalis~  作者: 黄帝
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8月1日-(9)-

 食べ終わって、そのまま最初の部屋に行く。

 「お、美結も来たのか」

部屋に入るとヒデくんが手を上げてくれてるし、隣に健ちゃんもいて同じようにしてる。

 「もうご飯は食べたの?」

「俺は早食いだからな」

「そうだね」

笑いながら頷く。

 「あれ?さっきの席じゃなくていいの?」

美愛がヒデくんに言った。

 健ちゃん達が座ってるのは右から4列目の一番後ろ。

 健ちゃんが後ろ、ヒデくんが前の席に座ってて、もちろん最初の席とは違う。

 「別にいいんじゃないか」

「ああ」

「そっか」

美愛はヒデくんの右隣の席で椅子を引いて

「あたし、こっちにするから、美結はそこにしなよ。早い者勝ちだよ」

私に健ちゃんの右隣の席を勧める。

 「うん」

美愛に言われたまま座った。

 ふと見たら、最初は私の斜め前、右から2列目の一番前に座ってた榮川さんが、いつのまにか1列目の一番後ろに座ってた。

 そうしてるうちに、藍川くんが言ってた7時10分前は過ぎてて、ほとんど全部の席に誰かが座ってるけど、でも2つ空いてる。

 「誰だろ?」

「んー…」

ヒデくんは部屋をグルッと見回した。

 「佐藤と根津のようだな」

「そうなんだ、大丈夫かな」

美愛が言う。

 「大丈夫って?」

何のことか分からなかったので、美愛に訊いてみる。

 「7時にはここにいなきゃいけないんでしょ?だから」

「ああ」

(そうだよね)

 この部屋の時計には秒針がない。

 でも、長い針と短い針はあるから、もう7時になろうとしてるのは当然に分かるから、みんながシーンと静まり返って時計を見てる部屋で12を指してた時計の長い針がカチッと動く音がした。

 2人は来ないままだった。

 「みんな!」

長谷田くんが前に走り出た。

 「根津と佐藤を探しに行くぞ。1人1人バラバラだと見逃すこともあるから、男子も女子もさっき調べに行ったときと同じグループになって、手分けして行こう」

 「・・・」

瞬間的に顔を見合わせた人が何人かいた。

 「・・・」

 でも、健ちゃんとヒデくんは長谷田くんの言葉にすぐ立ち上がって、野村くんと工藤くんの肩を叩いた。

「・・・ああ」

そうすると、野村くんと工藤くんもすぐ立った。

 「じゃ、行くぞ」

と言ったヒデくんと健ちゃんの後ろに続いて部屋の外に走って行った。

(あ・・・)

 そのとき、私の隣にも人影が。

「安齊さん、行こう」

榮川さんと、一ノ木さんが立ってる。

「う、うん」

「あたしも行くよ」

美愛だ。

「うん」

さっき調べに行ったときのグループに美愛は入ってないけど

(今一緒なんだし、一緒に行ってもいいよね)

 榮川さんは早足でドアに向かって歩き始めたので

「美愛、一ノ木さん、行こう」

慌てて3人で榮川さんに付いていく。

 不安なんかを感じてる暇はなかった。

 とにかく、根津さんと佐藤くんを見つけなきゃ・・・

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