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プロローグ

「好きだよ」

『私も好きだよ』



 僕はハッとする。 いなくなったはずの君の声が聞こえた。もう二度と聞くことのできない君の声が確かに聞こえた。目の前が水色に染まり、世界が歪んだ。だが、そんなことなど関係ない。僕は必死に歪んだ世界の中から声の主を探し出す。どれだけ願っただろうか。君がいなくなったあの日から一年以上経った冬、その願いが叶おうとしているのに、その願いにあと一歩届かない。どんなに探しても、君はいなかった。

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