2.召喚
主人公は次に出てきます。
2.召喚
とある廃村の地下墓地
「レクター卿、儀式の準備が整いました」
黒いフードを深く被った人物がそう言い放った。
「ええ、わかりました
今、行きます
とうとうこの時が来たのですね
我々が、待ちに待った時が…」
コツ、コツと靴の音が彼の心の高揚を表すかのように
地下墓地に鳴り響く。
少し広がった場所に出ると、
彼以外にも数名先客が着いていた。
「やれやれ、皆さんお早い御到着のようで
普段はバラバラなくせに
やはり志を共にした者ということですかね」
周囲に居るメンバーを見渡しながら、同氏達を見渡す。
「遅れてきてその言い草ですかね、レクター卿」
大きなバックを持つ壮年のややヤツレタ男性が、難癖をつける。
「いやはや、誠に申し訳ない
けど、私は予定通りの時間ですよ?
皆さんが、まるで逢引き前の男子の様に
早めに揃ってしまっただけですよ
ハッハッハ ですよね?クロフォード卿」
と、嫌み交じりに返すとクロフォード卿とは
反対側から代わりに返事が来る
「ハァ、ガタガタと相変わらず煩い男共ね、
何時までも、実りの無い会話を続けるなら
あんた達を先に、儀式の生贄用にばらすわよ?」
声の主は、女性と思われるが
生憎、顔には仮面、体は厚手のローブを着込んでいるため
年齢や体格はいまいち分からない。
「いやぁ、相変わらず怖いですね ブルーム卿は
けど、我々をばらしたら今日の儀式は中止になってしまいますよ ハッハハ」
「相変わらずの減らず口ねぇ
儀式が終わったら、一番にばらしてやるわ
ねぇ、ブライアン?」
「ファーストネームで呼ぶんじゃねぇよ
グレアム卿と呼べ 淫売が」
ふぅ、とため息をつきレクター卿が話を進める
「さてさて、皆さん久しぶりの御挨拶を終えたところで
本題に入りましょうか」
レクターの開幕の言葉に一同が、今日の目的のために口を閉じる。
「では、皆さん本日ついに原始呪術書に示された
漆黒の月が来る日が訪れました。
後は、儀式の生贄と品を捧げて執り行えば我々の悲願が叶いますよ」
「それでは、アダム君
生贄の品と処女の娘を祭壇に」
「御意に」
レクターを呼びに来たフードの人物が、指示通りに用意を始める。
「それでは、皆さん
召喚の儀式を始めましょう。
我々を救って下さる神を!!」
そして、怪しげな呪文の詠唱が始まる
「■▲◆▼▲◆▼■▲◆▼▲◆▼▲◆▼■▲◆
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そうして、祭壇が輝き始めた…。