幽霊側室は今日は欠勤
後宮の隠れ家に侵入者あり!
確認しとかないとヤバイよね。
「おかみさん、スミマセン。」
実家の兄が倒れたことにして休みをもらったよ。
ディー兄ちゃんごめん。
「良いんだよ、しっかり看病しといで。」
心配そうに言われて心が痛むよ。
おかみさん、ごめんね!
「う~ん、誰がきたのかな?罠も木の棒で発動?手練れ?」
ツリーハウスは少なくとも2名の侵入者が有ったみたいだ。
高級ジュエリーは無事か。
いらないけど。
後宮にいってみるか。
侵入者用センサー最新鋭の欲しいよー。
「ジェスレイア妃様、良いところで会いました。」
後宮管理者が駆けてきた。
嫌な予感がするよ。
「なんですか?」
逃げやすいようにズボン着用だけど、駄目?
「昨日、皇帝陛下が昼間にジェスレイア妃様をご訪問されました。」
ゲー!アンタやっぱりいらないわ。
「そうですか。」
平静を装って答えたよ。
「また、ご訪問されるとおっしゃってましたが、今日がご都合がよろしければ、陛下におうかがいをたてますが。」
えー、良いよ、仕事しなよ。
「いえ、縁があれば会えるでしょう。」
会いたくないよー。
それからこのしゃべり方疲れるよ。
とりあえずディー兄ちゃんのとこいこ。
「陛下はジェスレイア妃様に興味を持たれた様子です。」
ええ?偽名ガルディオンさんだけで満杯だよ。
統一皇帝はいらないわ。
「勿体ないことです。」
私は基本的に後宮から皇宮への移動はフリーです。
兄ちゃん達が頑張ってくれてるお陰様で目つけられて無いんだよね。
反逆の意志まるで無しだからうちの国。
それに私ジェスレイア妃って思われてないし。
「レイちゃん、ジェスレイア妃様のお使いかい?」
顔見知りの門番のおじちゃんだったよ。
「うん、そう。」
私は、ジェスレイア妃の侍女と思われてるらしいです。
バリバリフェデルーダ護衛国人だけど全然高貴っぽく見えないからね。
「ディー兄ちゃん~、どーしよー。」
私はディー兄ちゃんの休憩時間を待って抱きついた。
「おい、ジェス、同僚に誤解されるだろ!」
ディー兄ちゃんに引き離された。
「ひどいよ、ディー兄ちゃん、コッチは真剣に悩んでるって言うのにさ。」
私が言うと懐かしい顔見知りの
女護衛戦士が笑った。
「ジェス様、相変わらずですね。」
トイレ休憩の時ついた手練れの一人のエメロードさんだ。
「エメロードさんこんにちは♪」
顔見知りに会うのは嬉しいな♪
「ジェス様のお悩みは皇帝陛下が訪問された事ですね。」
エメロードさんが言った。
「え?何で知ってるの?」
....罠見抜いた手練れはもしかして。
「昨日、皇帝陛下について後宮を訪問しました、ジェス様はツリーハウスにお住まいなのですね。」
あそこまできたんか皇帝!
ああ、もう、隠れ家変えないとかな。
「そう言えば、ビー兄貴が今度はきちんと会えるように予定を組めと伝言が、今日辺りくると思ってたけどな。」
ディー兄ちゃんが普段は私の連絡係だからね。
ビー兄ちゃんのこの間の訪問はイレギュラーなんだよ。
覗いてた、侍女さんにビー兄ちゃんキャーって騒がれてけど。
多分、相手にしないな。
「.....ねぇ、会ったらバレるよね。」
私がジェイアって。
「いい加減諦めたらどうだ?」
....嫌だよ。
私はハナミズキみたいな小料理屋のおかみさんになるんだから。
統一皇帝はいらないよ。
ガルディオンさんならともかく。
「ジェス様、皇帝陛下はジェス様の腕前に感心されていました。」
エメロードさんが言った。
「私は、知らなかったと言うことで。」
私は逃げをかました。
「お前、逃げても何も変わらないぞ。」
そうだけど、ビー兄ちゃんに連行される。
その瞬間まで逃げて見せるよ。
「じゃあね、あー、あとディー兄ちゃんは風邪引いて寝込んでるから当分ハナミズキに来ないでね。」
いっておかないとね。
統一皇帝~。
めんどくさいことするなよ。
私は平穏無事な後宮ライフ。
平穏無事な下町バイトライフ。
の両方を希望するよ!




