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幽霊側室は今日は本業

後宮恒例のお茶会...。

めんどくさー。


「ジェスレイア妃様、ビーヌシス護衛官が何日も前から面会申請が出ております。」

後宮管理者の一人から言われた。

げ、普段放置のくせになにさ。

「すぐ、会えるか連絡とってください。」

多分、絶対、駆けてくる。

怖いよー。

「はい。」


「ジェス、元気そうだな。」

やっぱりスゴい勢いできたよ。

ビーヌシス兄ちゃん。

おだやかそうな茶髪に薄紫の目の文系美青年のくせに。

よく見りゃ細マッチョってなんだよ。

「何日も前からごめんね、ビー兄ちゃん。」

とりあえず謝っとこ。

「どこに潜んでいた、庭か?」

そう思うよね。

まさか下町行ってるなんて言えないよ。

「うん、そう、で、なんのよう?」

本当に困るよ急に。

「皇帝陛下よりお前に賜った。」

ビー兄ちゃんが見覚えある高級そうな箱を出した。

「ええ?いらないよ。」

あの豪華絢爛のジュエリーでしょう?

「慎んでいただくのが側室の務めでだろう。」

兄ちゃんが言った。

「何を今さら...放置のくせに。」

まさかばれてないよね。

「大人しく賜れ。」

いらないよ。

こんなんつけていく所がないよ。

「慎んで頂きます。」

ハア、なに考えてる、統一皇帝。

「ジェス、かりに万が一お渡りがあったとしたら、くれぐれも皇帝陛下を傷つけるなよ。」

お渡り?あるのかな?

「あの人、そこそこ強いから大丈夫だと思うけど。」

...倒せるけど。

たおしちゃったら故郷が不味いし。

「一筋たりとも傷つけるな、ダメなら手枷つけさせる。」

ええ?嫌だよ。

「今んところ、そう言う話し無いんでしょう?そんときに考えるよ。」

この間、ふったところだからな。

セラシナ様でいいじゃん。

「...そうか。」

ビー兄ちゃんが言った。


「ねぇ、ビー兄ちゃん、皇帝陛下と出来てるって本当?」

確認しておこう。

「出来てない!陛下のご寵愛は今、下町の小料理屋のバイト、ジェイアと言う娘に向けられている。」

わー、やっぱりそうなんだ。

「いいや、別に、用は終わりだよね、行くよ。」

ああ、お茶会憂鬱だよ。

「ああ、くれぐれも女ハーレムは作らないように。」

わかってるよ。


「ジェスレイア妃、こちらのお菓子美味しいですわ。」

何で私にとりつくのさ。

セラシナ妃。

「はあ、ありがとうございます。」

さっき、かぶりもの取られたよ。


「ジェスレイア妃は遠慮深いですわね。」

セラシナ妃に隣座られたお陰で。

注目されてます。

「いえ。」

面倒くさいので故郷にいる時みたいに

素っ気なく対応した。


「カッコいいですわ、ジェスレイア妃様。」

「素敵、綺麗なお顔がきりっとされていて。」

何か聞こえた。

あー、女官か

不味い女ハーレムできたら。

ビー兄ちゃんにお仕置きされる~。

「お顔をいつも、見たいと思ってましたの。」

セラシナ妃が微笑んだ。

早く逃げよう。


「シノンさん、どうしようビー兄ちゃんにお仕置きされる~。」

私は帰りがけにシノンさんの部屋に、

寄ってぼやいた。

「...そんなにすぐは出来ませんわよ。」

シノンさんは素っ気なく言った。

「あーあー、アヴェルさんとこ、嫁行ってればこんな苦労無かったのに。」

アヴェルさんはシノンさんのお兄さんで私の元許嫁です。

ヴィアダ会計国の元王子様です。

シノンさんとこも戦わずに早々に降伏していて王族完璧そろってる口です。

アヴェルさん皇宮勤めしててたまに遠くからみるよ。

「そうしたら、超年下のおねえさま誕生でしたわね。」

そうだよね。

アヴェルさんと私50才くらい違うし。

政略結婚だけどアヴェルさんは

成人の30才まってお嫁さん

においでって言ってくれてたのに。

戦況の状態見てからって親父がー。

こうなるの見越して

延期してたんかい。

「売上上がってるわね♪はい、書類。」

シノンさんはハナミズキの会計してくれてるんだ。

「ありがとう、じゃ、また来月ね。」

変な事に巻き込まれないうちに帰ろう。


「女ハーレムね、出来ても可笑しくないわよ、爽やかな美少年風美女ですものね。」

ええ、嫌だよ。


セラシナ妃。

頼むから私の平穏無事な生活を脅かさないでください。

あと、皇帝つかまえといてくれよ。

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