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幽霊側室は今日は休み

今日はハナミズキも休みだし。

皇宮にディー兄ちゃんにパンを食べてもらいにいくか。


「ディー兄ちゃん!お早うー。」

ディー兄ちゃんの皇宮の寮に行くとまだ、寝ていた。

「ジェスか...オレは明け方まで護衛任務ついてたんだぞ。」

ディー兄ちゃんは私と同じ黒い髪をしてる。

目は紫がかった灰色でこれも一緒だけど...顔立ちが違うんだよね。

おかあさまが違うんだ。

親父がタラシの女好きで家の兄弟10人もいるんだ。

私は正妃の娘で一番上の兄ちゃんとすぐ上の私と双子の兄ちゃんがおかあさま同じなだけなんだ。

私、10人兄弟の末っ子です。

みんな仲良しなんだよ♪

おかあさま達も含めて。

でも私以外娘がいないから、後宮なんぞに放り込まれました。

本当に眠そうだな。

「ディー兄ちゃん、パン作ったから食べてもらいにきたよ。」

旦那さんに教えてもらった干し葡萄いりの一口パンだよ。

「...お前、男の部屋によく入れてもらえたな。」

ディー兄ちゃんが伸びをしながら言った。

「妹だっていったらいれてくれたよ。」

寮父さんにお願いしたらニヤニヤされながら入れてくれたけど。

何、想像したのかな?

「絶対、誤解された。」

ディー兄ちゃんは頭を抱えた。

ウ~ン、ディーンアス兄ちゃんの恋人?

それともその道の女の人?

ってほどケバくないか。

「私はうそ言ってないもん。」

誤解する方が悪いんだよねー。

「ばか、お前、おれの妹君は囚われの姫君だぞ...お前とつながるかよ。」

ああ、私の嫁入り拒否想定の逃亡防止対策か。

別にそこまでしなくても、ビーヌシス兄ちゃんにあんだけ説得されれば嫁くらいいくよ。

それで国民が、国が、肉親が助かるならね。

「恐ろしい一週間だったよ。」

枷で両手足拘束、胴にも鎖で檻に縛り付けられてさ。

あー、どっかの週刊誌は首輪着けてたって書いて合ったらしいけど。

首は危ないし着けてません。

故郷からトラックで檻ごと運ばれました。

トイレ休憩には護衛戦士の手練れの女性が3人もついたんですよ。

私は野獣かー。

「後宮いきゃ、トイレとか入浴とか動ける範囲ギリギリの長さの天鉱合金の鎖でベッドにつながれて右足拘束されるしさ。」

どんだけ野獣だと思われてんだよ。

「一週間で足枷の鎖は解いてやっただろう。」

うん、女性の護衛戦士来て鍵開けてくれた。

「私も皇宮勤めしたいな。」

側室より皇宮で護衛戦士したい。

「後宮よりあってるよな、もっと姉妹が居れば絶対にお前は皇宮出仕組だ。」

ディー兄ちゃんが言った。

そうだよね、フェデルーダ護衛国の武術姫ならそっちの方がお仕えできるよね。

「その方が手っ取り早く陛下のものになってたんじゃないか?」

ニヤリとしてディー兄ちゃんが言った。

「...なってないよ。」

自信ないけど...。

「どうだか、今も通われてるんだろう?」

皇帝...うざいよ。

「来てるよ、偽名ガルディオンさん。」

全く綺麗な黒髪染めやがって何考えてるんだか。

下町の小娘なんぞに何で興味があんだよ。

後宮には美女がわんさかいるんだよね?

恒例の茶会の時もなるべく。

顔は見られないようにかぶり物…ベールだっけ?

他の側室に目を付けられないように顔を見ない。

おかげでシノンさんしか友達いないや。

ま、ビー兄ちゃんに故郷でる時。

絶対に女ハーレムつくるなって厳命されてるしね。

でも、それ私の所為じゃないよ。

「あの人来させないでよ。」

うっとうしいんだよね。

「フェデルーダの護衛戦士がついてる時は抜け出せてないと思うが。」

あー、もともとの護衛官の時抜け出してるのか。

「今日はビー兄貴がついてるからな、絶対、大丈夫だぞ。」

来ても、店休みだけどね。

「そういえば、ビーヌアス兄ちゃんとあの人が出来てるって本当?」

シノンさんから最近セラシナ妃にお渡りがなくて。

ビーヌアス兄ちゃんと仲良くしてるって聞いたんだよね。

「そんな事あるわけねーだろ、陛下が今御執心なんは、下町の小娘ジェイアだ。」

わー、はっきり言わないでよ。

どうにかわそうかな?

「あきらめて正体おしえたらどうだ?そうしたら案外興味を失うかも。」

ああ、狩りの衝動がおさまってね。

もともと、自分のものには興味もたないとか。

「逆に即ものにされるかもしれんが。」

えー、今更いやだよ。

故郷に居る以上に充実してるんだもん。

「言わないよ、それより、パン食べて感想教えてよ。」

今後の参考にするんだから。

「…現実逃避しても何もいいことないぞ。」

わかってるよ。


でも、ディー兄ちゃん。

私の夢はハナミズキみたいな小料理屋開くことだから。

統一皇帝はいらないんだよ。

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