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幽霊側室は今日もバイト中3

さてと今日も稼ぐぞー。

統一皇帝なんぞいらん。


市場に買い物に行った。

「ジェイアちゃん、買い物?」

乾物屋のオバサンが言った。

「旦那さんがいつもの干し貝柱をくださいとのことです。」

旦那さんも年だからねー。

私ですむときはいくんだ。

「わかったわ、ねぇ、ジェイアちゃん、おばちゃんの娘がね、若い頃きた服が出てきたのよ、ちょっと型が古いけどいいものなの着てくれない?」

おお、いつもすみませんね。

「ありがとうございます、大事にきますね。」

衣装代かからなくてたすかるよ。


「ガルディオンさんとデートの時にでもきてよ。」

だから、なんで偽名ガルディオンさんがここで出てくる。

「私、あの人と付き合ってませんよ。」

なんか誤解があるなぁ。

「え?モリエクさんが今度のジェイアちゃんの誕生会に呼んだって聞いたよ。」

モリエクはハナミズキのおかみさんの名前です。

「おかみさん~、余分なことを~…誕生会?」

なにそれ?そんなこと考えてくれてたんだ。

こっち優先したいけど。

本業のジェスレイア妃の誕生会がな。

あれ公務だし...皇帝は去年来なかったけど。

来たら、不味いよね。

あー、やっぱり統一皇帝いらない。

「はい、ジェイアちゃん。」

オバチャンは乾物の包みと服の包みをくれた。

「ありがとう♪オバチャン。」

服は嬉しいな♪


忙がしい昼営業が終わって。

楽しい賄いの時間です。

今日は残り野菜を使ったケレス森人国風シチューです。

「美味しい。」

美味しいと顔が自然にほころんじゃうよ。

「今日はガルディオンさん来なかったね。」

おかみさんが言った。

忙がしいんじゃない?

「あの人がジェイアちゃんと一緒になってここを継いでくれたらいいのに。」

おかみさん、それ無理。

「そうだね。」

旦那さんまで~。

「ねー、私しがないバイトだよ~。」

ガルディオンさん...皇帝とはすでに結婚してるし。

「私達の息子達はお国に命を捧げたし、孫はいないし、ジェイアちゃんの事、孫みたいに思ってるんだよ。」

旦那さんが穏やかに言った。

そうだ、3人いた息子は統一戦争の関係で戦死したっていってたよ。

「考えといてね。」

おかみさんが雰囲気を戻すように言った。

「はい。」

私みたいな正体不明な小娘に

ありがたいよ。

「ジェイアちゃん、誕生会は腕を振るうからね。」

嬉しいな♪でも、後宮の誕生会が...。

無駄だからって断っちゃおうかな後宮の方。

「ガルディオンさん来てくれるといいね。」

来なくていいです。


夜は静かにゆったりとがコンセプトのハナミズキです。


「ジェイア、元気だったか?」

偽名ガルディオンさんが夜なのにいます。

アンタ、グーレラーシャの国王夫妻の接待で忙がしいんじゃないかい?

「こんばんは、お忙しいんじゃないんですか?」

愛想笑いを浮かべて言った。

「取り引き先の相手が、早々に部屋に帰って時間が空いたんだ。」

偽名ガルディオンさんが言った。

おお、噂通り、グーレラーシャの国王夫妻はアマアマらしい早々に部屋ごもりかい。

「そうですか、ゆっくりしてってくださいね。」

愛想笑いを浮かべて言った。

「ジェイア、お前の本名なんだ?」

ストレートに来たよ。

「...それは秘密です。」

教えるかい。

「ジェスレイアじゃないよな。」

げ、どうやったらそう推理出来るのさ。

「そりゃ、フェデルーダの元王女の名前ですよ。」

ああ、愛想笑いで表情固まりそうだよ。

「...そうだな、おつまみセットと麦酒を頼む。」

ガルディオンさんは私をどこか観察しながら言った。

「はーい。」

平静を保つんだ、私。


頼むよ皇帝!

私は後宮の庭と下町で

平穏無事な生活を送りたいんだよ。

余分なことをするなよ。

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