堅物護衛官は今日も勤務
ジェスと一度話さねばならないが
仕事が詰まっている。
ディーしっかりジェスに言っておけ。
「今日はグーレラーシャ傭兵国の国王夫妻が御訪問される日だ、くれぐれも間違いのないようにしてくれ。」
護衛官長が言った。
ヌーツ人にしては常々隙のない御仁だと思っていたが今日はますます隙がないな。
「はい!」
グーレラーシャ傭兵国の国王夫妻か...。
仲が半端なく良いらしいな。
律王妃は常にウェティウス陛下の腕の中にいて地面を歩いた事がないとか...。
...想像がつかない世界だな。
「ビーヌシス護衛官、皇帝陛下をしっかりお守りせよ。」
護衛官長は信頼してくれている。
「はい。」
だか、ポッと出のフェデルーダ人の護衛官と影口たたかれているのも知っている。
影口程度ですむならいい。
「ビーヌシス、今日はよろしく頼む。」
ギルデアス皇帝陛下が微笑まれた。
「はい。」
この方はまだお若いのに自制心に長けた素晴らしい方だ。
ジェスに興味を持たれたそうだ。
まあ、色っぽい話でなく。
あいつの戦闘能力についてらしいが。
「グーレラーシャの獅子とグーレラーシャの賢い黒ウサギは半端なく熱々らしいから当てられるなよ。」
皇帝陛下はニヤリとした。
「はい。」
そのくらいたいした事ではない。
「お招きいただき光栄だ、ギルデアス皇帝。」
絶世の美形のグーレラーシャの国王は律王妃を抱き抱えたまま言った。
「ウェティウス様、ご挨拶するので下ろしてください。」
小柄な黒髪の王妃が可愛らしく言うと渋々王は腕の中から王妃を下ろした。
「律です、お会いできて光栄です。」
小柄な黒髪の可愛らしい王妃がグーレラーシャの礼をした。
「ようこそ、ウェティウス国王、律王妃、ゆっくり滞在されよ。」
ギルデアス皇帝陛下は微笑んだ。
その時にはもう、律王妃は腕の中に回収済ってすごいな。
「ありがとうございます。」
グーレラーシャの獅子は言った。
ウェティウス陛下の後ろにいる茶色の髪の男は...。
「あれが猛剣のサルティーアス・ドーリュムか。」
ウェティウス陛下の影に常にありと言う男だな。
オレンジ色の瞳を鋭く光らせている。
噂通り相当な手練れのようだ。
手合わせしてみたいな。
「ウェティウス様、お外で口移しはやめてください。」
想像がつかなすぎる。
さっきウェティウス陛下、律王妃にお茶を口移ししていた。
「....何を今さら。」
なんか背筋が寒くなる微笑みだ。
「お二人はなかがよろしいようだ。」
皇帝陛下が言った。
甘過ぎの菓子を食べた時みたいな顔だ。
「すみません、ウェティウス様、自制してくれないと出ていきますよ。」
律王妃が言った。
「そなたの居場所は私の腕の中だけだ。」
ウェティウス陛下はそういって律王妃に口づけた。
「陛下、外交してくださいませ。」
赤茶色の長い髪に茶色の瞳の典型的なグーレラーシャ美女が言った。
「すまん、ヒフィゼ外務担当官。」
ヒフィゼさんと言うらしいな。
はっきりしているところが好ましい。
「ジャスミナ様ごめんなさい。」
律王妃も言った。
「....律様もなるべく回避してくださいませ。」
ヒフィゼ外務担当官は深いため息をついた。
どこもしっかりものが貧乏くじを引くらしい。
なごやかに外交は終わった。
「ウェティウス陛下、羨ましすぎる、オレだってジェイアとあんなことやこんなことがしたい。」
ウェティウス陛下の御訪問は
皇帝陛下にとって刺激的だったようだ。
「ジェイアだったら抱き上げたようとした時点で蹴りが入るだろうけどな。」
聞く限りジェイアはジェスのような女らしい。
「人前でキスしようもんなら回し蹴りが入るな。」
乾いた笑いを浮かべて陛下が言った。
「ま、そこがジェイアのいいところだ、純情可憐な乙女なんだからな。」
本当にそうなのですか?
ジェイアと言う女。
ウチのジェスと似たものを感じる。
調査したいが時間がない。
皇帝陛下どうか危ない花を摘もうとしないでください。
女王陛下(多分)と異世界人(確定)の登場人物出てます。
相変わらずですね。(遠い目)
それを考えると統一皇帝があわれですね。
頑張れギルデアス皇帝陛下。
ウェティウス陛下は自制してほしい。
作者にダメージが。




