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魔法学園の救世主  作者: 暇な蟻さん
日常編
6/15

第四話(決闘)

 ────夢を視た────


 それは思い出でもあり、もう二度と会うことができない人の記憶。

 ───そう…思っていた



 「…ん」


 まだ日も出ていない時間に、私は目を覚ました。


 「夢…か」


 そうつぶやき、夢に出てきた人のことを思い出す。

 血のつながった兄妹であり、大好きだった兄のことを。

 

 私がこの学園に入学したのは死んでしまった兄がいたからだ。私は魔力量も高くなくて、友達もいないからどの学園でもよかった。けれど、兄の見ていた風景を私も見てみたいと思ったのだ。

 初日にグループを作れと言われた時は、知らない人と同じグループになると思い不安になったが、余った人で作られたグループは、いい人達ばかりだった。

 兄もこんな人たちに出会えたのかな…そんなことを考えながら、私は再び目を閉じた。


 

 

 入学式や魔力測定の日から一週間ほど経ち、学園生活にも慣れ始めたとき、それは突然起こった。


 「勝負だ、皇 零華!」


 近藤が突然そんなことを言ってくる。


 「面倒だからヤダ」


 俺は一蹴して、昼食を食べ始める。

 学園には食堂があり、食事はそこで済ませるのが普通だ。(午前五時~午前零時の間、開放されている)

 俺達も今はここで昼食を食べている。そんな時にこんなことを言ってくるのだから、面倒じゃない訳がない。


 「僕は納得していないんだ。お前の魔力量がSだということに。」


 「実際にそうなんだから仕方ないだろ。」


 相手にせず適当にあしらう。

 蒼空や未来は軽くあきれており、雫は静かに食事を進めている。


 「あんたじゃ絶対に勝てないわよ」


 優奈が近藤に言う。この言葉には蒼空達もうなずいている。


 「お前は黙っていろっ、たいした力もないくせに!」


 腹を立てた近藤がそんなことを言うが、この言葉には俺も反応する。


 「あんたがそれを言えるのか?強い奴のいるところでは自分が弱くなってしまうからこの学校を選んだあんたに。」


 「それはお前も同じだろうがっ!」


 一緒にするなと言いたかったが、周りから見ればそう思われても仕方ないため、黙っておく。

 俺がこの学園を選んだのは社会からの注目が少ないからだ。一番になって注目を浴びたがるこいつとは違う。

 蒼空達みんなは俺が【空】の属性ということを知っても何も言わずにいてくれる、本当にいい奴らだと思う。けれどみんながそうというわけではないから、やはり少しは隠すべきだと考えこの学園をえらんだ。


 「勝負して俺が勝ったら、お前は納得するのか?」


 俺は近藤に聞いてみる。


 「もちろんだ、泉に言った言葉も訂正しよう。だが僕が勝ったら、BクラスのSランクは僕達のグループに譲ってもらう。」


 近藤はそう言い、場所と時間だけを言って自分のグループの所へ帰っていった。


 「よかったんですか?」


 未来が聞いてくる。


 「ああ、これであいつが納得するならいいよ」


 そう言って俺は残っていた昼食を食べ終えた。



 みんなには先に帰っておいてもらい、俺はひとりで指定された時間にグラウンドに行ってみると、近藤はもう来ていた。

 

 「やっと来たか。」


 「約束の時間には間に合ってるだろ?」


 「…それもそうだな。それよりも早く始めよう」


 短い会話を終え、近藤は早速攻撃を仕掛けてくる。



 -【地】魔法-

 Sandstormサンドストーム



 【地】の属性の強みは大地の利用だ。魔力量によっては自然災害を起こすことも出来る。近藤はまだそのレベルには程遠いがそれでもこの大きさの砂嵐なら十分すごいと言える。同じ魔力量の優奈が戦えば、おそらく優奈は負けるだろう。

 それでも、俺に勝つにはまだまだだな。



 -合成魔法【風】【水】-

 Rainstormレインストーム



 合成魔法、それは属性を二つ以上持つ者だけが使える魔法だ。

 世界にいる魔法使いの属性所有数は二つに分けられる。

 一つ目は属性を一つしか持たない者。もう一つは属性を二つ以上持つ多重属性所有者だ。

 多重属性所有者は持っている属性の種類が多ければ多いほど、一つの属性の力が分割されてしまう。そのため、一つの属性を極めた者と多重属性所有者では、一つの属性を持つ者の方が強いといえる。

 俺の場合、【空】属性の力の加減によって四大属性の力を使えるから、一つ一つの属性の力は大したことはない。だが【空】の属性のことは隠しているため、この力を使うことは少なくない。


 俺に向かってきていた砂の嵐は暴風雨によって全て打ち消された。


 「何だと!?」


 近藤が驚いている。すかさず俺は次の魔法を発動する。


 

 -【空】魔法-

 Crushクラッシュ Spaceスペース



 「ぐっ!?」


 近藤が地面に落ちる。

 -空間圧殺-

 力はかなり弱めて使っているが、それでも立つ事はできない。


 「どうする?」


 俺は低い声で近藤に尋ねる。


 「なに…を、し…た?」


 近藤が逆に聞いてくるが俺は答えない。そのまま諦める気配がないので、俺は圧迫の力を強める。

 そうすると簡単に近藤は気絶してしまう。勝負は俺の勝利で終わった。



  その後は近藤を医務室に運び、俺も寮に戻る。近藤が何か言うかも知れないが、あの攻撃が【空】の魔法の力とはわからないだろう。



 次の日、俺は人生で三番目以内には入りそうなぐらい驚いてしまった。


 「やあ皇君、昨日は失礼なことをしたね。それに泉さん、君にも謝るよ、申し訳なかった。」


 俺達がグループ全員で教室に入ると突然、近藤がそんなことを言ってきたのだ。

 後に医務室の人に聞くと、気絶のせいで頭が一周回って性格が変わったという。

 その後近藤は、俺達に文句を言うことがなくなった。 

 

 

 

最後はかなりのご都合主義です。

短文になってしまい申し訳ありません。

最初に出てきた人はグループの誰かです。

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