第一話
アドバイスなどありましたらよろしくお願いします
魔法使いを育成する機関の魔法学園、ここは第十三学園である。
日本に十三校存在する魔法学園の名は番号の後に学園をつけただけのシンプルな名前になっているそして番号が小さいほど強く、大きいほど弱いと言われている。
つまり、今俺が入学しようとしている魔法学第十三学園はもっとも弱いという訳だ。
けど俺はこの学校を選んで後悔するつもりは全くない。
この学校を選んだのは気にいらないからである。
番号が小さければ強いという差別意識のある奴らを倒せば少しでもその考えが変わるかもしれない。俺がそれを実行してやる。
…と考えてはいるものの自分の能力を隠すのにそれが出来るのかと言われれば難しい
【空】の属性の使い手として学園を過ごすと決めたがこの学園は最弱と言われているため世間の注目もほとんど当たらない。
だから俺がこの世界に存在するどの属性にも属さない【空】の力を使えても大した騒ぎにはならないと考えている。
そんなことを考えている内に入学式は何事もなく終わり、今は指定された教室に移動中である。
教室は一学年四クラスで構成されており、一クラス二十五人とかなり少数だ。
男女比率は基本的に1:1である(ちなみに俺はBクラスだ)。
教室に着き、確認した自分の席に座る。
今から先生が来るまでは各々自由な時間を過ごしていいらしい。
友達は欲しいが昔コミュニケーション力が赤点とまで言われた俺では自分から話しかけても無理だ。
そんなことを考えていると、
「あの…」
前の席のおとなしそうな男子生徒が話しかけてきた
「僕、清水 蒼空(しみず そら)っていいます。」
清水という男子がそう言ってきたので自分の名前も言わなくてはと思い
「俺は皇 零華だ。蒼空か、綺麗な名前だな」
自分の名前と素直に相手の名前の感想を言うと清水という生徒は少し照れた感じで
「ありがとう、初めてそんなこと言われたよ。呼ぶ時は蒼空でいいよ、皇君」
と言ってくれたので俺は
「こっちも名前でいい。けど零ってよんでくれ、零華だと女みたいだから」
そう言うと蒼空は小さく笑って了承してくれた。
入学して友達ができるか少し不安だっが、最初の友人が出来るとこの先の生活もうまくいくと思い気分が明るくなった。
その後属性の話になったが自分の属性はとりあえずは特殊属性と言った。(蒼空の属性は【水】らしい)
そうして話していると先生が来て、クラスのみんなに
「とりあえずは入学おめでとう、みんな。私は朝比奈 澪(あさひな みお)って言います。
今日から皆さんはこの学園で生活していくわけですが、まず最初に五人組のグループを五組作ってください。そのグループはこの先の学園生活を暮らしていく家族ともいえますのでしっかり考えてくださいね。」
と、笑顔で言ってきた。
そんなことを急に言われても友達が蒼空しかいない俺はどうすればいいのかわからなかったため、とりあえず蒼空に聞いておく
「蒼空、俺以外の友達このクラスにいるか?」
すると蒼空は
「いないよ。僕がこの学園を選んだ理由は昔の知り合いがいないからだから」
少し暗い表情になって言った。
昔何かあったのかもしれないが、それを聞くつもりはなかった。
それよりも今は蒼空も俺と同じ状況だとわかったのでとりあえずは二人で同じグループになれると思い安心していた。
周りのみんなはグループを作っていくが俺達二人は動けずにいる。
そうしているとすぐに余った人達のグループが出来てしまう。
それが俺達のグループだ。
俺、蒼空、残りの三人は女子だった(それもかなりかわいい部類の)。
周りの男子は羨ましそうに俺達を見ているが、俺はこのグループでやっていけるのかという不安しかなかった。
「とりあえず出来たみたいね。今日はもう終了だから部屋の場所を確認して寮に向かってね。もちろん部屋のメンバーは今決めた五人組よ。」
頃合を見計らって朝比奈先生がそんなことを言うので、俺は先生に言った
「待ってくれ先生…俺達はどうするんだ?」
「もちろん同じ部屋よ」
「男女同じでいいのか?」
「最初に言ったでしょ?家族ともいえるからしっかり考えてって」
「でも俺達は知り合ったばかりなんですが」
「それを上手くやるのも勉強になるでしょう?」
…何を言っても意味がなさそうだ。柄にもなく敬語を使ってしまった。
「…もういい」
「そ、じゃあみんな移動してね。あと明日は魔力の測定をするからね」
なんか大切なことを言った気がするがほとんど聞いていなかった。
それよりも同じ部屋の人とどうやって今日を過ごすかを考えるかで頭がいっぱいだった。
そうして寮に着き部屋に入るととても広く五人でも十分にくつろげる空間になっていた。
そしてとりあえずは自己紹介をすることにする。
「俺は皇 零華だ。呼ぶ時は零って呼んでくれ、みんなで仲良くしていきたいとおもってるから気軽に話しかけたりしてくれ」
「僕は清水 蒼空っていいます。僕もみなさんとは仲良くしたいです」
男子組は問題なく終わった
次は女子の番だ。
最初に紹介をしたのはショートカットの女の子だった。
「私は泉 優奈(いずみ ゆうな)っていうわ。魔法の属性は【地】。私も呼ぶ時は名前で呼んで欲しいな、この先一緒に暮らしていくんだから堅苦しいのは嫌なの。」
それはともかく優奈はかなり親しみやすい感じの女の子だ。男と一緒に暮らすことに不安はあるが拒絶はしていない。それは俺にとっても有難かった。
次に紹介したのはかなり幼く見える女の子だった。(さっきからチラチラと俺を見ていた子だ)
「えと、柊 未来(ひいらぎ みく)です。私も名前で呼んでください。不安がないって言ったら嘘になっちゃうけど協力して楽しく暮らしていきたいと思ってます。魔法属性は【火】です」
幼い外見に似合わないしっかりした子だと思う。この子とも上手くやっていけると思った。最後に紹介したのは女の子というよりは女性といった方がいいような外見の人…
「わ、私の名前はいず、じゃなくて伊集院 雫(いじゅういん しずく)っていいましゅ。雫ってよんでくだしゃいっ」
…と思ってた時期が俺にもありました。
前言撤回、もしかしたら三人の女子の中で一番女の子らしいかもしれない、というか間違いなくそうだ。
そんなことを考えていると蒼空が何かに気づいたように言った
「伊集院って、あの伊集院?特殊属性【闇】で有名な。」
すると雫は悲しそうに
「はい、でも私は【闇】属性ではなく【光】属性を持って生まれてきたから一族の中ではひどい扱いを受けていました。でもお母様は私のことを大切にしてくれました。この学園に入学できたのもお母様がお父様を説得してくれたからで、本当は一生家に縛られて生きていかなくてはならないのに…だから私はお母様のためにもこの学園で強くなりたいです。」
素直にすごい人だと思った。
一族でひどい扱いを受けて魔法を嫌いになるどころかその力を人のために使おうと考えるなんて、自分では一生無理だと思う。
だからこそ雫のことを助けたいと思った。
そして気づくと俺は雫の頭をなでていた、なんとなくそうしたいと思ったからだ。
蒼空達が驚いた顔で俺を見ている。
雫も驚いてはいたが嫌がることはなかった。
そんなこともあり全員の自己紹介が無事に終わった。
明日は魔力測定ということもあり今日はもう休むということになり俺の学園生活の初日は終了した。
駄文かつ短文で申し訳ありません