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第十四話〜竹中半兵衛重治 後編〜

PCにウィルスが入ってたせいかデータが全部パーになり投稿が遅れました。

いえ、決して言い訳ではありません・・・。





嘘です・・・言い訳です


− 翌朝 庵 書斎 −


結局須藤と半兵衛は朝まで兵法や戦国時代を終わらせるには?などの討議を続けていた。


須藤はこの漢にいつの間にか惚れ込んでいた、この漢ならばきっと籐吉郎様や信長様を天下人にしてくれるはずだという絶対な自信を持ち始めていた。


また逆に半兵衛も須藤の柔軟性や理解力を評価しその無限大の可能性に興味を引かれていた、そしてそんな彼が心底尊敬している木下藤吉郎なる人物にも興味を抱き始めた。


半兵衛は須藤が帰った後も一人書斎に篭り考え続けていた、織田家につくかそれともこのまま素浪人のまま人生を終えるか・・・。


半兵衛は肺を病んでいて自分でもそう長くは生きられないであろうと感じていた、ならばこの命燃やし尽きる日が来るまで木下藤吉郎を主として戴き決して悔いの無い人生を送ろうと決心した。


「千里はおるか!!」

半兵衛が勢いよく襖を開け放ち庵中に響くような大声を上げた、まだ寝ぼけ眼であった千里もこの声に肝を冷やして直ぐに書斎に駆けつけた。


「ここに・・・」

千里が父の前に跪き返答した、千里は思わず声を上げて驚きそうになった須藤が訪れるまで暗く今にも死相が出そうな顔をした半兵衛の顔が何と生気に満ち溢れ目が輝いていたのだ。


「ここを払うぞ!!」

半兵衛が袖口に手を突っ込みガハハと大声を上げて笑い始めた、千里にとってこんなに嬉しそうな父の顔を見るのは初めてであった、実は既にこの時半兵衛の頭の中では長年の隠遁生活で錆付いた脳がフルスピードで回転し始めていたのだ。


「え?・・・」

千里が思わず戸惑った、彼女にとってこの地は故郷同然でほかの土地に移り住むとは思いもしなかったのである。


「藤吉郎様の元へ参るぞ!!我が知略を欲する者のためにワシは行き続けねばならんわ!!これから忙しゅうなるわい!!」

半兵衛が薄ら笑いを浮かべて嬉しそうに答えた、半兵衛は織田家へ仕官を決めこの庵を出て広い世界で自分の頭脳をフル活用しようと悟ったのである。


− 墨俣城 大広間 −


半兵衛は須藤に連れられて信長に謁見するため織田軍の美濃攻略の要所・墨俣城を訪れた。


須藤は無事に仕事をやり遂げたと言わんばかりに藤吉郎に半兵衛の凄さを何度も繰り返して報告した。


藤吉郎に至っては『我が(漢の名軍師・張良)子房が来た』と三国志に置ける魏の曹操が名軍師・荀?が仕官しに来た故事に準えて最大限の歓迎の言葉を述べた。


墨俣に到着して一時間もしない内に信長から大広間に来るように指示が与えられた。


「うぬが竹中半兵衛重治か?」

信長が上機嫌に聞いた、須藤不在の間に散々西美濃三人衆(安藤守就・氏家卜全・稲葉一鉄)に煮え湯を飲まされ続けていたのである。

半兵衛が織田陣営に下ったとなれば美濃勢の将兵は動揺し疑心暗鬼が生まれて如何に堅牢な稲葉山城と言えども打ち砕くのは赤子の手を捻るようなものであったのだ。

さらには安藤守就を筆頭として西美濃三人衆の調略も容易いものになると踏んでいたのだ。


「はっ・・・竹中半兵衛重治にございます」

半兵衛が都の貴人から薫陶を受けた古今の教養を学んだ文化人の名に恥じぬような涼やかな態度で返事をした。


「うむ!!よい顔じゃ!!ワシに仕えよ!!」

信長が扇子を半兵衛に向けて自分に仕えるよう命令した、だがその言葉を聴いた瞬間半兵衛は即座に顔を曇らせた。


「恐れながら申し上げます・・・私は既に仕えるべき主を見つけております故、その儀はお断りさせていただきます」

半兵衛が信長からの誘いを丁重に辞退した、半兵衛は藤吉郎に仕えるのであって信長に仕える訳では無いとはっきり豪語したのである。


「むぅ・・・どうしても猿めに仕えると申すのか?」

信長が少し機嫌を悪くして呟いた、その場に居合わせた家臣達もどこか青ざめた表情をしている藤吉郎に視線を向けていた。


「はい、例え百万石の高禄でと言われても私の決意は変わりませぬ・・・」

半兵衛が正面から信長と戦う姿勢をアリアリと見せ付けた、このやり取りをまじかで聞いている藤吉郎と須藤は冷や汗ものであった。


「ふっ・・・よかろう、猿の家臣は我が家臣も同様じゃ!!猿の元で励めぃ!!」

信長が諦めたのかそう叫ぶとゴロっと寝転がって天井を見上げた。


「ありがとうございます・・・ではこれで、即座に西美濃三人衆の調略の準備に取り掛かります」

半兵衛がスッと頭を下げると藤吉郎等と共に大広間を後にして行った。


この謁見の後に半兵衛を批判する者も少なくなく(滝川一益・佐々成政・柴田勝家等)即座に信長に対してあれこれと換言した。


「猿には勿体無い者がある・・・須藤清則の武に竹中半兵衛の知の二つじゃ」

信長がクスクスと笑って信玄が家康に対して『家康に過ぎたるは唐の頭に平八』と言ったように藤吉郎を高く評価した。


半兵衛参陣によって織田軍はもはや美濃での合戦で非常に優位に立つことが出来た。


ちなみに今回の美濃遠征に参戦している諸将は次の通りである。

織田軍文官衆(丹羽長秀・木下藤吉郎・佐久間信盛・林秀貞・森可成)

織田軍武官衆(柴田勝家・池田恒興・須藤清則・滝川一益・佐々成政・前田利家)


そして木下軍団では軍師・竹中半兵衛を新たに迎え。

文官(木下小一郎・浅野長吉・竹中半兵衛)

武官(須藤清則・蜂須賀正勝・前田利家・太田牛一)

と織田家でも一、二を争うような面子が揃っていた・・・。


おまけにこの美濃攻めで新たに数名の知将・猛将が木下軍に馳せ参じる事となるのである・・・。


評価ありがとうございます!!まだまだ未熟者に毛が生えた程度ですがこれからも日々精進していきます!!

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