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突入② -探索-

「ちょっと待って。誰もいないって言ったわよね?」

 慌てるみことに対し、見覚えのある敵を目視した煉が冷静に答える。

「当たり前だ。人じゃない、自立稼働型のロボットだ。総矢、またあいつらだぞ」

 先日煉と共に別工場で戦ったロボットが近くの建物の屋上に二体、総矢達が来た裏口方面からも二体、さらに逆方向からも二体が姿を現した。

「やっぱり、他でも流用されてたみたいですね。ただ、この前とは武装が違います」

 見た限り銃は備えていない。代わりに鋼鉄製の警棒を各機が所持していた。

「攻撃目標は私達に間違いないわね。何か対処法は?」

 体勢を立て直して炎を構える。

「やめとけ、残念ながら耐熱装甲だ。俺やお前が戦うのは割に合わねぇぞ。反応と動きも早くなってやがる。能力が通じねぇとなると厄介だな」

 みことが尋ねた直後に煉が高温の炎を放ったが、何事も無く間合いを詰められていた。警棒による攻撃自体は難なく避けられるが、素手では対処の仕様も無く壁に追い込まれる形になった。そんな中、清正が一歩前へ出た。

「また俺の出番か。今日は俺が大活躍だな」

 自画自賛の言葉を仄めかしつつ、清正は体を低く保ちながら駆け出した。ロボットは当然反応し、狙いを定めて振りかぶる。振り上げの大きさを見極め、距離を一気に縮める。難なく攻撃を避け、清正は二体の間を滑るように通過した。通過と同時に二体の動きが完全に停止し、ロボットの上半身が左右二つに割れながらずれ落ちる。男の腕の時以上に圧を高めた水流が瞬時にボディを切り裂いていた。

「片手で十分だな」

 余裕の笑みで今度は警棒の射程外から地面側の残りの二機を解体し、行動不能にした。その間、総矢と煉が残りの二体を個々に引き付けて戦闘をこなしていた。

「右膝!」

 総矢は攻撃を回避しつつ狙いを定め、脚部の間接部位に打撃を打ち込む。体勢を崩して倒れたと同時に、残りの四肢間接を破壊、行動不能へと追い込んだ。

「簡単にひん曲がりやがって! なら……」

 煉は拾った鉄パイプで戦っていた。相手の警棒の硬度には敵わず、形状は保てない。ゆがんだパイプを自身の炎で先端を鋭く尖らせた槍へと形を変えた。相手の大降りの攻撃を誘い、カウンターの要領でロボットの頭部を串刺しにした。頭部から首付近まで突き刺さった鉄パイプを通じて炎で内部を一気に加熱させる。内部を破壊されたロボットは小さい爆発音と甲高い音を立て、その場に崩れ落ちた。

「……相性って重要なんだな」

 呼吸を整え、思わず煉が呟いた。煉と総矢が苦戦した相手をあっという間に処分した清正は息を切らせることも無く余裕の笑みを浮かべている。

「総矢、さっき言いかけてたけどココにはいない、というのは確かだな?」

「少なくとも能力では感知できません」

「けどよ清正、それじゃこの警備の厳しさは一体なんだ? あいつら間違いなく殺しにきてたぞ」

「そうまでして隠しておきたい何かがあるって事かしら?」

 二人の理解の早さに満足そうに頷きながら、清正が疑問を口にする。

「そうとしか考えられない。だが総矢がなにも感知できないっていうのがよく分からん」

「ですが、地道に探すしか無さそうですね」

「そうだな。だが個別で探すのは危険だ、ペアで探索する。発見があれば即連絡、無い場合でも30分毎に連絡は取り合う。いいな?」

 煉と総矢、清正とみことの二組に分かれた。煉と総矢は建物内を、清正とみことが建物外を中心に探索を始めた。

「火口さんはいつから能力を使えるようになったんですか?」

「いきなりどうした? ……あぁ、口で説明するのは手間だ。気になるなら能力で俺の頭ん中覗け」

 手っ取り早い方法ではあるが、煉の思考を読み取る気は起きない。

「また、今度にします」

「そうか、そうだろうな」

 その返答を見透かしたように煉が呟く。短い付き合いではあるが、煉は総矢の性格を十分に把握していた。建物内の各部屋を地道に調べる。数度の定時連絡の間にも、何も見つけられずにいた。痺れを切らした煉が定時連絡で思わず口にした。

「こんな事なら昼間に乗り込んで知ってそうな奴の思考読み取らせた方が早いんじゃねぇのか?」

「無理に決まっている。政府が絡んでいる上に能力者だってことを知られている俺達が堂々と侵入出来るわけがないだろう。隠れて潜入しようにも先にバレるのは必須、すぐに俺達は拘束、おまけに総矢はあの店の関係者を人質に取られて向こう側に付くだろうしな」

 清正の言葉に総矢は目を逸らす。みことと煉も納得し、総矢に冷たい視線を送る。

「でもどうするの? これ以上調べるにしても調査範囲を広げたら人が来るまでには時間的にも厳しいわよ」

「そうだな……総矢、聞こえるか?」

「はい」

「もう一度だけ頼めるか?」

「諦めが悪ぃぞ! それでも見つからなかっただろうが。別の案を考え」

 煉が清正に文句を言っている間に総矢は能力を使用した。

「……え? あれ?」

「どうした? いるのか?」

「います! 数が……10人以上、丁度この真下です!」

一週間さぼってました。すみません。

話の大筋は決めてますが、この先の展開どうするかまだ決まってないです。

適宜修正入れてるのでこの先投稿が滞る事がありますが、ご了承下さい。

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