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調査⑱ -機能停止-

総矢!」

 叫び声に反応した総矢が、すかさずロボットから距離を取る。と、同時に煉が炎を投げつける。炎は球のままボディに直撃し、広がった炎がロボットの全身を包み込む。

「ダメ! 避けて!」

 玲子が叫ぶ。煉の炎は確かに直撃したが、ロボットを燃やし尽くすには至らない。炎の中から煉に向けて数発の銃弾が放たれる。距離があるため、避けるには問題ない。

「あっぶね……っつーか炎が効かねーのか?」

「その子は耐熱仕様! 外からの熱はその子に殆ど効果が無いから炎じゃダメ!」

 玲子の言葉を聞いて煉はニヤリと笑った。正義の味方の笑顔ではない。

「いいねぇ……じゃあ全力でやれるってことじゃねぇか!」

 煉がロボットに向かって突っ込んだ。ロボットは再び煉に向かって銃撃を行う。時より物陰から玲子がロボットに対し銃を撃って煉をサポートしていたが、煉は銃弾を避けるので精一杯だった。だが、煉に狙いが絞られていたため、総矢には考える余裕が生まれた。

(柏木さんは製作者だから耐性も動きもある程度予測出来るのか……そうか、それなら!)

 総矢は能力を発動させ、ロボットに突っ込んだ。総矢の能力は『人の思考を読み取る』事である。当然機械相手に効果があるわけではない。それは地下での事から、総矢自身も把握している。

「クソッ、近付きさえ出来れば……総矢?」

「柏木さん! 俺のサポートをお願いします。火口さんは隙を見て突っ込んで下さい!」

「何? 策でもあるの?」

 総矢が笑いながら頷く。

(能力の使用を制限、対象をその空間ではなく1人に絞る事で体力消費を抑えるっ!)

 棒を構え、総矢はロボットの正面から突っ込んだ。

「何やってんだバカ! 正面から突っ込むな!」

 右側に回りこんでいた煉の静止を無視して更に地面を蹴る力を強める。

(あの火口って人の方が上手く避けていたのに、どうするつもり? ……マズいっ!)

銃口が総矢の額に向けられる直前に玲子が気付いた。玲子が慌てて銃を構える。だがそのタイミングで銃を撃っても間に合うはずが無い。煉もそれに気付くと慌てて炎を放つ。

「今かっ!」

 総矢は銃弾が放たれると同時に体を捻り、完璧なタイミングで回避する。玲子は呆気に取られたが、狙いを定め直したロボットを見て再び緊張が走る。

(次が来る! あの体勢だと狙いは外側に少し流れる。切り返さないと!)

だが、次の瞬間に総矢は玲子が思い描いたとおりの動きで再び銃弾を避ける。

(あれ? 今のタイミングといい、まさか……それなら!)

 その後も総矢は完璧なタイミングで避け続けた。

(なるほど。そういう考え。それなら……よし、今!)

 玲子は総矢の動きの意味を理解し、銃を構えて狙いを定める。それを察してか総矢が懐へと飛び込む。だがその先には完全にその動きを待っていたロボットが待ち受けていた。それでも総矢は迷わず突っ込む。

(それでいい! コレでこっちの、勝ちだ!)

 真後ろから玲子が放った銃弾はギリギリのタイミングで避けた総矢の頬を掠め、銃撃直前の銃口へと吸い込まれた。一際大きい爆発音が響く。よろめいたその瞬間を総矢は見逃さなかった。

「これでっ!」

 気合を入れた総矢の一撃がロボットの右腕を破壊した。だが、右腕の破損を完全に無視し、ロボットは爆発で高熱を帯びた左腕で総矢に掴みかかった。

「俺の炎とどっちが熱いと思ってんだ?」

 得意げな顔で間に割り込み、炎を灯した左手で煉が左腕を受け止めた。

「ついでに中から燃えちまえよ」

 破損した左腕内部へ炎を一気に送り込む。外部がいくら耐熱仕様であっても内部まではそうはいかない。ロボット内は入り込んだ炎は内部機能を全て燃やしつくす。ロボットは二度と動くことなくその場に崩れ落ちた。

自宅PCにトラブルが生じたため、投稿が普段より遅れました。すみません。

因みにまだ問題は解決していません...

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