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調査③ -都合-

 客のいない店内で一時間ほど三人は話をしていた。

「あ、そろそろ私帰ります」

「もうそんな時間か。じゃあ、またな」

「帰り道に気をつけてな」

 二人に見送られ優衣は店を後にした。帰り際に小さく『猫耳か……』と呟いていたのを二人は聞き逃さなかった。総矢はレイルに冷たい視線を送りながら切り出した。

「えっと、それじゃ話ってのを聞かせてもらえますか?」

 レイルはそんな視線に動じることなく答えた。

「おう。ちょっと待て……コレだ」

 レイルは画像データを総矢に見せた。総矢は見覚えのある人物の顔をみて思わず口が開く。

「ん、この人は確か……?」

 記憶を辿ると、答えはすぐに見つかった。

「あぁ、遺伝子研究所での」

「そう、ここ最近彼女と連絡が取れないんだ。あの事件の話を直接聞いてからは全く、な」

 総矢は首を傾げた。

「何か急ぎの要件でもあるんですか?」

「少しばかりよろしくない話を聞いたんでな。とにかく話がしたい」

「で、この人を探して欲しいって事ですね?」

「そういう事。見つけてココに連れてきてくれ。引き受けてくれるか?」

 思わず総矢は口元を引きつらせながら目を逸らした。

「何だ、都合が悪いのか?」

「すぐにって訳にはいかないです。俺にも一応都合があって、明後日から少し出かけなきゃならないんですよ」

「そうか……。なら明日だけでもちょっと探してくれ」

その発言からレイルが相当焦っていることが読み取れる。

「分かりました。でも期待はしないで下さいよ。それとこの人の名前教えてくれませんか? この前聞きそびれたんです」

「名前は『柏木玲子(かしわぎれいこ)』。そんでもってお前が持ってるその転送装置の開発者だ」

「これこの人が作ったんですか?」

 総矢は自分の腕の転送装置と写真の人物を交互に凝視した。

「一度説明してもらった事があったが、そいつのシステムは正直俺にはさっぱりだったな。というかコイツ以外誰も分かんねーんだと思うぞ」

 話を聞いて総矢は確信した。レイルもそれを察して黙って頷く。

「……もう分かったみたいだな。おそらくコイツの技術力が狙われた。……そんな顔をするな、コイツ自信の心配は必要ないぞ」

 総矢の表情の変化を見て、レイルが言い加えた。

「え? どういう……」

「コイツの技術が欲しいのに殺すワケ無いだろ。それに何よりコイツは強いぞ」

 総矢は遺伝子研究所での玲子の戦い振りを思い出す。肉体強化を施された人間を相手に余裕を持って戦っていた玲子は明らかに総矢よりも強かった。

「……確かに、そういう心配は必要無さそうですね」

(……アレ? でもそれならどうして連絡が……?)

 だが、その疑問は口にできなかった。

「そういう訳だから、頼んだぞ。あ、それと今から出掛けるから悪いが店を出てくれ」

 そう言い残してレイルは席を立ち、店中を片付け始めた。

「どこにですか?」

「……それを聞くなよ。聞くのはヤボってもんだ」

 総矢の問いかけをニヤけながら濁し、答えなかった。だが帰り際に一瞬だけ見た表情は先程とは比べものにならないほど真剣なものだった。だが総矢は『それじゃ』とだけ言い残し、店の外へ出た。

(出かける用件は、プライベートって訳じゃ無さそうだな……)

 気になった総矢は、すぐに自室へは戻らず暫く店の近くに隠れていた。

(『能力』使ったら楽だったんだろうけど、どうにも気が進まないな……)

 総矢が店を出てから五分程で店内の明かりが消え、レイルが店の外に出てきた。すぐに車に乗り、夕闇に消えて行った。

(しまった。車で出かけられたら俺追いかけられないな……今日は諦めるしかない、か)

 総矢は追いかけたい気持ちを抑え、清正達のアジトへと向かった。建物の中に入った直後、入り口近くで待ち構えていた煉に声を掛けられる。

「戻ったか。総矢、ちょっと話がある」

「はい? 何です?」

「まぁいいからちょっと来いよ」

 無理矢理肩に手を回され、エレベーターへと強引に連れられた。

ゴールがまだまだ見えません。当然スタートも。

めんどうなことが増えてきました。(ES等)

ん~こればっかりはどうしようもないですね。

なんとかそれでも乗り越えなければ……

さいごに笑えればそれでいいと思ってますが、

いい感じに……なるんでしょうかね。


というわけで色々とご了承下さい。

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