捜索⑧ -能力の告白-
清正の携帯が鳴る。
「失礼、少し待っててくれ。どうした、煉?」
『目撃情報だ。今、慰霊碑のところから下った先だがどうやらその先の……あ?』
携帯で通話しながら煉が総矢達の元へ走ってきた。
「遅かったな、煉」
「見つけたんなら連絡くれよ」
「悪い。忘れてた」
「まぁいいや、それでコイツが? へぇ、確かに画像データと同じだな」
「ちょうど今彼から話を聞き始めたところだ」
「丁度いいタイミングだったのか。んで大塚、何でお前がココに……」
「話を戻そうか。鍵矢、君の能力についてだが……」
言葉だけでなく、煉の不満そうな顔までも無視して清正は総矢への質問を無理やり続けた。
「えと、の、能力? そんなもの……」
「誤魔化すな。君は能力を持っている。それは間違いない」
清正は総矢の発言をすぐさま否定した。
「さっきも言ったが今の君の状態を見れば分かる。立つ事すら十分に出来ないその状況は明らかに体力消費が異常だ。能力を使っていた大塚さんでもここまで疲弊しているのだから、少なくとも君は大塚さん以上に能力を使っていたんじゃないのか?」
その洞察力からは逃れられない。総矢はそう感じた。清正に話すべきと思いはしたが能力についてまでは流石に話すか迷っていたが、踏ん切りがついた。
「……はい。確かに俺は能力が使えます、ですが……」
困った表情を浮かべて言葉を詰まらせる。遅れてきた煉がやや不満気味に告げる。
「何だよ? 早く言えよ」
「証明のしようが無いんです。大塚さんみたいに炎が出せたり、先程の貴方のように水を操ったり出来るわけじゃないんです」
「だから前置きはいいから早く言えっての」
煉が更に不満げに言う。
「……人の考えが読めます」
その言葉の後、沈黙が続いた。
「……は?」
「人の考え?」
(なるほど、だからあの時も今日も……)
みこと一人が納得していた。納得しきれない清正と煉は互いに顔を見合わせる。
「それはおそらく本当よ」
みことの言葉に二人は振り返った。だが、二人は再び顔を見合わせると困った表情を作る。
「悪いな。君には確信があるみたいだが、どうにも信じきれないというか……」
「ああ、俺もだ」
信じきれない二人に総矢は提案をした。
「それなら明日、またここに来てもらえますか?明日になれば体力も回復してますからその時なら証明できると思います」
「「どうやって?」」
二人が声を合わせて尋ねる。その問いに、総矢は自信満々な顔を向けた。
「来たら分かりますよ」
会話部分がだんだん増えていってます。
これ言ってるの誰?のような部分は極力作らないよう努力します。分かりにくい、もしくはそれくらい分かるから一々書くな等ありましたら遠慮なくコメントなりなんなりしてやって下さい。
自分の勉強にもなりますんでぜひお願いします。