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捜索② -早朝の出来事-

 総矢が目を覚ました。昨日はそのまま公園のベンチで横になったために少し体が痛む。

(今の時期はまだ大丈夫だが、早く住むとこ確保しないと今年の冬で凍死だな。さてと……)

 伸びをしながら大きく深呼吸をする。

「ん?」

 足元にまとわり付く感触に、思わず視線を下に向けた。前足を高く上げて総矢に身を寄せる犬がいた。毛並みはお世辞にも立派とは言えないが、首輪を付けられていることから野良犬ではないと分かる。

「ハッハッ」

「何だお前? お前のご主人は俺じゃねぇぞ」

「ハッハッ」

 当然ながら言葉は通じない。総矢にくっ付いて離れようとしない。

「どうするか……」

 離れない犬に少々困惑しながら、周囲を見回して飼い主を探す。一人の少年が叫びながら走ってきていた。

「おい! ゴン! やめろ!」

 少年は総矢の足にまとわり付く犬の首輪にすばやくリードを取り付けた。少年はホッと胸を撫で下ろす。立ち上がり、総矢に謝罪した。

「すみません、コイツが迷惑かけました。いつもこの公園で1度離してやってるんですが、人を見つけて飛びつくなんてこと今まで無かったので油断してました」

「気にしないでくれ。別に動物嫌いって訳じゃないから」

「それじゃ、そろそろ散歩の続きを……うおっ」

 突然走り出した彼の犬に引っ張られ、少年は体勢を崩しながら走り去っていった。

「……ん? 今の人どこかで……?」

 走りながら首を傾げ、少年は呟いた。振り返るとそこにはもう総矢はいなかった。

「まぁいいか」

 深く考えることなく少年は散歩を続けた。



 総矢は公園の外へと歩きながら携帯を取り出した。総矢は今日やるべき事を頭にハッキリ思い浮かべていた。登録されている数少ない電話番号の一つに電話をかける。

『……はい』

「あ、もしもし。おはようございます。朝早くからすみません」

『いえ、丁度いいタイミングでのモーニングコールですよ』

 遠まわしに起こされたことを伝えた矢口に総矢は再び謝罪した。

「ホント、起こしてすみません」

『それはそうと、用件はなんですか?』

「あ、はい。俺の両親の墓の場所を教えてもらいたくて……」

『……そうですか。分かりました、口で説明するより地図の方がいいでしょう。一旦電話切りますよ』

「ありがとうございます」

 通話を終えてから一分とかからずに総矢の元には地図が添付されたメールが送られた。文章は無く、件名のところに『無理はなさらずに』と一言添えてあった。地図に表示されていた場所は総矢がいる公園からは少し遠いところにある。

(歩くのは……かなり時間かかりそうだな。……ん?)

 総矢は矢口からのメールにもう一つ添付された画像があることに気付いた。表示させると、その内容はバス停の案内だった。幸いなことに、総矢が今要る公園の近くからもバスが出ている。

(この短時間でよくここまで調べられたな……。助かるな)

 総矢は感謝を告げるメールを送ると、バス停へ向かって歩きだした。

各話ごとのサブタイトルって結構難しいですね。


マジで次どうしよう……

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