表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拾う男  作者: すずめ屋文庫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/21

第7話

 その頃、横山は不機嫌そうにアパートの一角の部屋の中にいた。



(こう雨ばっかりじゃ、仕事が進まねぇ…。)



 どうしても現場仕事は、内容によっては天気の影響をもろに受ける。



(今月の給料は低いかもな…。)



 テーブルのタバコに目をやり、火をつける。


 窓に流れる雨の跡をぼーっと見つめる。


 ふと人影が窓の下あたりをかすめた。


 あぐらをかいたまま窓辺に近づき、下を見た。


 透明なカッパを着た男が袋を持って歩いていた。


「なんじゃあ、あいつは。何してやがる。ホームレスか何かか。」


 そこは特段、治安のいい場所ではなかった。単身の中年男性が集まりやすい、家賃が休めのアパートが多い地域だった。そして、横山にとっては、ホームレスなど珍しくも何ともなかった。土木作業の日雇いで、彼等とたまに一緒に仕事をする事もあったからだ。一般人よりかは、彼等についてよく見知っている事を、横山は多少自慢にすら思っていた。


(誰だって、色んな過去を背負ってるもんだ…。)


 しかし、横山の見たその男は、いくばくかホームレスとは様子が違っていた。空き缶を専門に集めている様子でもない。大きなリアカーで荷物いっぱい運んでいる訳でもない。ましてや、今日は雨だ。


 一つ一つ、何かを丁寧にトングで拾っていた。


 目を凝らす。



(吸い殻か、ゴミか…。)



(しかし、何でこんな所でそんな事を…?)



 上から覗く形だったので、男の顔はよく見えなかった。しかし、だいたいの背格好はわかった。痩せ型で、髪は癖のあるやや長めの髪。おそらく背は低め。猫背。黒っぽい服に透明のカッパ…。


 

 男は淡々と、横山の目の前の道を、まっすぐに、拾い、歩いて行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ