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第5話
ノブは、チラリと横山の投げたものを見ていた。おそらくまだ火が付いている状態だったから、心の何処かで、何かに引火しないか気になっていたのだ。
とっくにその場所は過ぎ去っていたが、バックミラーで、念の為、確認した。
人影が見えた。
が、続々と続く車の列に紛れて、すぐにわからなくなった。
横山は、こういったマナーに関しては、大雑把な所がある。ノブは平成生まれで横山は昭和生まれだ。二人は父と子くらいの年齢差がある。時代による多少の価値観の違いか、ノブは横山の行動に対して、気になる事は多々あったが、何も言わなかった。
「おい、腹減ったな。何処かで飯食ってくか。」
横山がノブに言った。こういう時はいつも横山の奢りだ。
「いいっすね。横山さん、何か食べたいものありますか?」
「そうだなぁ、鍋とか、なんかあったまるモンが食いてーな。春だけど、夜はさみーわ。」
「わかりました。じゃあ、◯◯とかどうスか?日本酒もありますし。」
「わかってんな〜。じゃあ、向かおうぜ。」
「はい。」




