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拾う男  作者: すずめ屋文庫


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第4話

「ねぇ、今日、みんなでコンビニ寄って帰らない?」


 文系クラスで出会い、仲良くなったサキが嬉しそうに誘ってきた。


「いいね。やっとテスト終わったし。」


「私、アイス買おっかな〜。」


「私も〜!自分へのご褒美だね♪」


 今回のグループは3人で、普通、奇数というのは、何かと上手く行かないことも多いのだが、おしゃべり好きで場を明るくするのが得意なサキ、空気の読めるお姉さん気質のジュンと、平和主義の私は、とてもいいバランスで、毎日を過ごす事が出来ていた。


 コンビニまでの田んぼ道を、おしゃべりをしながら3人自転車で向かった。


 私は、まだ春だけど、氷系のみぞれアイスカップを手に取った。サキはチョコモナカ、ジュンはシンプルなコーンのソフトをそれぞれ買った。


 今日のテストの難しかった所から始まり、クラスでまだ名前を覚えてない子の情報収集や、担任の先生についてなど、話題には困らなかった。噂話はしても悪口は言わない。自分の腹が立った事は言っても、同調はしない。そんな、高校生にしては、私達はちょっと大人な関係性だった。だから、とても、息がしやすかった。


 3人はそれぞれ家のある方角がバラバラだった。出身中学も皆違う。だから、コンビニ前でアイスを食べ、ひとしきりおしゃべりをしたら、「また明日ね」と、皆それぞれの方向に自転車を漕いで行った。



 夕焼けの赤く輝くオレンジ色がきれいだった。



 田舎の田んぼ道を駆け抜け、少し発展した町中に入る。そして、自宅近くにある、木々が生い茂ったそこそこ大きな公園を通り抜けた時、ふと人影が目に止まった。



 無意識に、自転車の漕ぐ速度を緩める。



(『あの人』だ……)



 道路脇で、腰を曲げていた。



(ここでも拾ってるんだ……)



 瞬間。



「あ。」



 その人の前を通った軽トラから、赤く光るものが投げられた。



 思わず、自転車を止め「赤」の行方を目で追った。



 男から2メートル程先、道路脇の雑草が少し生えたコンクリートの上に「ソレ」は乗った。



 次に、男は、道路を真っ直ぐ沿って移動し、先程投げられた赤いものをトングで掴み、火が消えているか確認をし、袋に入れた。

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