タイトル未定2025/06/28 12:13
8話 バッタ君
シェル「おっ!バッタ君じゃん!!」
シェルは何やら葉っぱの上にいたバッタを見つけて騒ぎ始めた。
シェルが指を出すと意外にもバッタの方から乗ってきた。
そのままレンの方へ指を向ける。
レン「うわ!俺虫苦手なんですから近付けんで下さいよ!」
シェル「えー、バッタ君だよ??」
レン「いや、虫は虫でしょうが」
フローナ「私も虫系はちょっと・・・」
メリサ「もう!早く自然に返してあげなよね!」
コキア「バッタ・・・」
バッタ君(全く騒がしい奴らだな)
シェルの指からバッタ君が再び葉っぱの上にぴょんっと戻った。
シェル「あ」
バッタ君(俺は騒がしいのは苦手なんだ)
シェル「ごめんねバッタ君」
シェルは虫の言葉が分かる。
シェル「またねーバッタ君!!」
シェルが挨拶するとバッタ君の目がキランっと光り、
草の中へと帰っていった。
メリサ「めちゃくちゃ通じ合ってるよ」
フローナ「さすがと言うかなんというか」
レン「やはり隊長は野生なんですね」
シェル「俺は珍獣かよ・・・」
レン「似たようなものでしょう」
〜独裁者vsシェルたち〜
この街は今殺伐とした空気に包まれていた。
支配者第一号「さぁ貴様ら、性奴隷か肉体労働か選ばせてやる、
選ばなかったら拷問が待ってるからな!
さっさと歩けクズども!!」
鞭の音が地面に響き、人々はそれに怯えながら道を選んでいく。
メリサ「わー絵に描いたようなクズだね」
レン「フローナさん、気分悪いでしょう、車に戻りましょうか」
フローナ「正直言って・・・」
シェル「うん?」
フローナ「この街のことなんかどうでもいいし全然興味ないんだけど、なんかあいつムカつくから殴ってきていい?」
フローナが親指で支配者第一号を指差した。
シェル「よし、フローナ!俺が許す!好きなだけ殴ってこい!」
シェルが支配者たちの方を指差す。
レン「またあなたは火に油を注ぐようなことを・・・」
フローナが全速力で支配者第一号の所へと走った。
腹に蹴りを入れた後、ボコボコにしていく。
レン「もう誰も止められませんね」
メリサ「無理だね」
ひと通りボコボコにした後、紐で縛り上げた。
そして先程虐げられていた女性たちの前にポイっとゴミ箱に投げ入れる時の紙クズのように放り投げた。
支配者第一号「うぅ・・・ひえっ!?たすっ・・・」
女性たちが蹴るわ殴るわ大暴れしている。
もう一人の支配者第二号はシェルがヒョイっと掴み、スタスタと歩き出す。
支配者第二号「おい、貴様、何をする無礼者!
俺を誰だと思ってるんだ!
こんなことをしてタダで済むと思ってるのか!
今すぐ手を離せ馬鹿者!はな・・・」
シェルが崖の上まで行くと言われた通りパッと手を離した。
支配者第二号「離さないでえぇ!!」
叫びと共に崖から落下していった。
コキアがワニのエサになっている支配者第二号を見ながら牛乳を飲んでいる。
メリサ「コキア君、よくあんなの見ながら牛乳飲めるね・・・」
コキア「ワニってああやって人間食べるんですね」
フローナ「うーん、デジャヴ」
この瞬間より、シェルたちはこの街の英雄になった。
街の人たちは貧しい状態の中からなんとか食料を使ってお祝いをしてくれた。
シェルはそんな街の人たちにお金を置いてまた旅に出るのだった。
〜性犯罪のない街〜
性犯罪がない街。
その裏には秘密があった。
性犯罪、浮気をした者はこの国のトップである王女の手下たちによって男女問わず性器を麻酔なしで切り取られる。
しかも、公開処刑なので壇場で行われる。
断末魔の元、動物のエサにされるのだ。
動物にとって栄養価が高く、古くから言い伝えがあるが当時は生け贄としても使われていたんだとか。
レン「ぞっとしますね」
シェル「聞いただけで怖い」
コキア「処刑方法の中でも痛みが上位らしいですね、
ほとんどの人がショック死するみたいです」
シェル「でしょうね‼︎」
メリサ「コキア君は相変わらず冷静だねぇ・・・」
レン「俺でさえ血の気が引きましたよ」
フローナ「そう?やらなきゃいいだけじゃない」
コキア「自業自得ですね」
コキアがうんうんと頷く。
シェル「まぁ、それ見ちまったら一生トラウマもんだろうしやろうとは思わんだろうな」
フローナ「シェルはそんなの見なくたって浮気なんてしないよね?」(にっこー)
シェル「え?」
フローナ「し、な、い、よ、ね?」(にっこー)
シェル「しないです、命懸けても、はい」
メリサ「この笑顔が怖い」
レン「隊長が浮気しないことを祈るばかりです」
〜神さま乗り換え??〜
それはシェルが教会に吹き飛ばされて落ちた時のこと。
ガラガラっと瓦礫を避けると祈りを捧げる人たちと目が合った。
男性1「か、神への冒涜だ!!」
男性2「何てことを・・・」
女性1「あなた!今すぐ神に懺悔なさい!」
シェル「ごめん!急いでるんだ!これで許して!」
シェルが大金を男性の手にぽんっと渡す。
修理費を差し引いてもかなり余るほどのお金がそこに・・・。
男性1「おぉ、神よ・・・」
一人の男性の声とともにそこにいた人々が何故かシェルに向かって祈り始めた。
シェルは走りながらすかさず突っ込みを入れる。
シェル「いやいやいや!あんたらの神は俺じゃなくてそこにいる銅像でしょ!」
銅像が心なしか悲しそうにしていたとかいないとか。
〜この世の終わりみたいな顔な奴〜
「どけよブス!」
通りすがりの男にいきなりブスと言われたフローナ。
フローナ「あの人がブスって言ったー!」
メリサ「よしよし」
シェル「ああ!?」
「ひっ!!」
シェル「いや、そんなこの世の終わりみたいな顔の奴に言われてもな・・・」
レン「ブッ!!」
シェルのあまりの表現の上手さにレンが吹き出す。
「な!?」
コキア「というかその顔でよくフローナさんにブスって言えますね」
メリサ「ちょっ、二人とも辞めたげて・・・ぶくくっ」
メリサは腹を抱えて笑っている。
「お前こそ前髪で顔隠しやがって、相当なブッサイクに決まって・・・」
メリサ「ほいっ」
その時、メリサがコキアの前髪を上げた。
コキアは頭にハテナを浮かべながら上を向いた。
「な、ななな、美少年じゃねーかよお!!」
男は逃げるようにその場を去っていった。
シェル「コキア、珍しく怒ってるな」
コキア「?僕怒ってます?」
シェル「あ、やっぱ自覚なかった?」
コキア「はい」
フローナ「私ってブスなのかな」
シェル「いや、フローナはめちゃくちゃ可愛いからな?」
メリサ「フローナちゃん、心配いらないよ、君は可愛いからさ」
レン「ええ、間違いなくです」
コキア「そうですよ」
フローナ「皆んなありがとう・・・」