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『日本改造計画』  作者: 桃太郎
改革への道(外交編)(2)
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改革への道(亜細亜編)(1)

 ニュースで、確認した。現在フィリピンで、暴動勃発中だそうだ。

 勿論、外務省と、防衛省に、邦人保護を即刻指示した。

 だが、こういう時最も重要なのは、『Whydunitホワイダニット』だ。

 つまり、『動機』である。彼らは、何故暴動しているのか?

 それこそが肝要だ。当然、調べはついている。

 元々、フィリピンは、高温多湿多雨だ。毎年洪水と言っても過言ではない。

 その度に、災害復興と称して多額の公共投資をするフィリピン政府だった。

 だが、そこに権力癒着構造が生じていたのだった。

 そもそも、毎年洪水が発生している。そこに、多額の公共投資はされている。

 つまり、毎年同じ失敗を繰り返していると言う事だ。

 日本では、同じ失敗を繰り返えさない様、入念な治水工事を施す所だ。

 しかし、フィリピンの洪水は、毎年発生している。

 要するに、『公共投資』に見合った『治水工事』が、されていない。そうと説明しないと、辻褄が合わない。では、『公共投資費用』は何処に行った。それが、それこそが、暴動の原因だ。要するに、『公共投資費用』着服詐欺である。政府は、説明責任を果たせ。

 これが、暴動参加者の意見だそうだ。

 これを根本原因とすると、簡単に解決しない。何しろ、原因は何十年もの蓄積だ。

 それが、ふとしたきっかけで『暴発』した。それが事実で現実で真実だ。

 かつて、映画を誇ったルテルテ大統領は、『麻薬』と言う明確な悪と戦った。

 故に、国民からの支持率も高かった。

 が、今の大統領は、『洪水』と言う明確な敵と戦っていない。

 あまつさえ、政府から工事を受注した業者が、倒産しても調査すらしない。

 当然、工事代金の行方も『不明』で片づけられている。

 これでは、国民が、怒りを爆発させても無理からぬ事だ。

 そこで、日本からも手を差し伸べるつもりだ。

 まずは、国営民間軍事会社の営業を派遣し、暴動参加者を雇用する。

 ちなみに、フィリピン国民の平均年収は、約十八万~二十四万ペソだ。

 日本円に換算すると、四十五万~六十万円となる。

 国営民間軍事会社の年収は、初任給で約二百万円だ。

 しかも、日本語さえ習得すれば、家族揃って日本帝国に移住可能。

 他にも、福利厚生を日本人並みにしっかりしたものを提供する。

 但し、会社命令には、即時絶対服従をする。

 これなら、ここまでやれば、フィリピン人は、入れ食いだろう。

 フィリピン人を国営民間軍事会社の艦隊勤務させる。

 当然だが、これで終わりではない。

 雇用したフィリピン人を組織化し、革命させる。

 当然、現政府の大統領は、追放処分(念の為、日本帝国で保護する)。

 暫定国家元首として、日本の皇室から皇太子を派遣し、皇帝を名乗らせる。

 新たな国家は、『比邦帝国』とでも名付けよう。

 で、日本と比邦帝国の間で、条約を締結し、独立を承認する。

 他の亜細亜諸国とも条約を締結し、相互に独立を承認する。

 こうなる様に持っていく。大東亜共栄圏とも八紘一宇とも言うだろう。

 が、国同士でばらけていても、大国につつかれるだけ。

 良い事は、何もない。


 * * * 


 今日のリモート会議参加者は、日本帝国総理だ。

「今後、台湾との外交を見直す。」

「ほぉ……では、具体的に如何なさいます。総統。」

「台湾とのビザ無し渡航を許可しようと思います。無条件ではありません。」

「…………それは、かなり凄い事です。日米台の同盟関係強化可能ですね。

 では、具体的にどんな『条件』をお考えです。総統。」

「条件、中国人追放並びに入国禁止、中国資金提供受け入れ禁止。中国の輸出入中止。また、台湾進出日本企業は、日本円を受け取り可能とする。」

「……成る程、在台湾日本企業に儲けが集中します。すると、日本円だけでなく、上手くいけばクレジットカード決済が、進みますね。総統。」

「ついでに、台湾旅行商品に補助金を付けなさい。

 それなら台湾旅行の加速間違いありません。但し……。」

「但し? 何です。総統。」

「総統選挙の際に、親中候補者が、出馬した場合、釘を刺す事。親中候補者が、当選した場合、ビザ無し渡航を無期凍結するのです。」

「成程、ならもう少し検討してから発表すべきでしょうね。総統。」

「否、『検討中』の発表をしなさい。それで、反応を観察するのです。」

 今回の会議は、これでお開きとなった。


 * * * 


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