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『日本改造計画』  作者: 桃太郎
改革への道(外交編)(2)
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改革への道(欧州編)(9)

 今や、巴里パリの人口は、移民の黒人は、白人の半分に至った。

 減った分は、民間軍人会社の海軍で雇用して洋上にいる。

 そこで、無職の黒人移民に『人道食糧支援』と同時に武器弾薬を配布した。

 途端に、移民の黒人による強盗事件が同時多発。勿論、警察の動向は、常時監視させている。手薄な所など情報提供は怠らない。

 これなら、邦人警護の名目で自衛隊を送る事も可能である。

 だが、ここで私の予想を飛び越えた事態に発展した。

 ここ数年、仏蘭西大統領による緊縮財政で、移民対策すら満足にできていない。

 それに対する国民の不満が爆発。反大統領デモが勃発した。

 今、巴里パリでは、デモ参加者が、100万人に達している。

 その勢いは、仏蘭西フランス全土で拡大中だ。

 それに便乗する形で、移民黒人が暴動してもらう。

 次の会議は、この方針を指示するつもりだ。


 * * * 


 今日のリモート会議参加者は、日本帝国総理、防衛省事務次官だ。

 事務次官の挨拶から始まったリモート会議だった。

「今日の指示は、二つあります。

 一つ、在仏邦人保護の為、自衛隊と民間軍事会社を派遣する事。

 一つ、在仏黒人移民を民間軍事会社で雇用する事。

 また、雇用と同時にデモ暴動に参加する事を禁止する事。

 以上となります。事務次官。」

「はっ。一つ、在仏邦人保護の為、自衛隊と民間軍事会社を派遣する事。

 一つ、在仏黒人移民を民間軍事会社で雇用する事。

 また、雇用と同時にデモ暴動に参加する事を禁止する事。

 以上、復唱致しました。総統閣下。」

「宜しい。私からの指示は、以上です。何か質問はありますか。」

 特になかったので、今回の会議は、これでお開きとなった。


 * * * 


 結果から言うと、『画竜点睛に欠けた』ものだった。

 要するに、仏蘭西フランス政府が、デモ隊虐殺用に、新兵器を投入したのである。

 説明すれば、単純明快。ドローンに自動小銃を装備させ、デモ隊に発砲。

 しかも、デモ隊の人数に合わせて数を調整し、包囲して叩く。

 時には、二~三百機を投入し、包囲して叩く徹底ぶりだった。

 そう言った、小回りの利く戦術が、巧妙でデモ隊の損害が増すばかり。

 勿論、ドローンを遠隔操作するには、電波が必要である事くらい分かっている。

 そこで、アルミ箔の紙吹雪を散布するなど対策も講じた。

 こうすれば、風に舞うアルミ箔が、電波を乱反射させる為、信号が錯綜する。

 結果、操縦不能に陥る。しかし、ドローンには自爆装置が仕込まれていた。

 こんな感じで、『いたちごっこ』が、続くだけでデモ隊の損害が増すばかり。

 勿論、ドローンを遠隔操作する基地を捜させたが、適度に分散されていた。

 それら情報をデモ隊に連絡し、攻撃させたが、上手くいかない。

 勿論、装備、兵数、練度の差がある事は、承知の上。

 当然、念入りに基地の構造や人員を調査させ、デモ隊にも伝えた。

 で、攻城戦の定石だが、「攻撃側は防衛側の三倍の兵力が必要」である。

 そこで、五~六倍の兵数で挑ませた。が、上手くいかない。

 報告によれば、満足な訓練も受けていない武装しただけの素人であり、故に、この結果もやむを得ない。と言うものだった。

 正直、仏蘭西フランス軍基地に、毒ガスや細菌兵器をぶち込みたい。

 が、そんな事をして、後でばれると、報復の連鎖が止まらない。

 最悪、東京に核の雨が降る。それは、避けねばならぬ。

 『ばれなければ犯罪ではない!』

 確かに、それは、私の持論の一つでもある。が、これに関しては、高確率でばれる事が、分かっている。使用した毒ガスの成分や、細菌兵器の遺伝子情報と、我が国で備蓄した『在庫』を比較すれば、『一致』する可能性が高いのだ。

 勿論、百倍の兵員を動員すれば、よかろう。守り手が、千人の基地に、一万、十万の兵を叩きつけるのだ。が、小田原攻めでもあるまいし、現実的ではない。

 よって、この辺が、潮時だと言える。

 民間軍事会社が、デモ隊に話しかけ、雇用する代わりに、戦闘をやめさせる。

 こうして、仏蘭西フランス政府に恩を売る形で、終結させる。

 この条件で、仏蘭西フランス政府と交渉する。


 * * * 


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