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『日本改造計画』  作者: 桃太郎
改革への道(外交編)(2)
39/44

改革への道(EU非加盟国編)(6)

 今日のリモート会議参加者は、日本帝国総理、外務省事務次官だ。

「今日は緊急招集と言う事でした。挨拶は、不要です。まず、報告しなさい。事務次官。」

「はっ。日本時間本日未明、現地時間正午頃、ロンドンでデモ発生です。総統閣下。」

「では、デモの内容は、何です。彼らは誰に何を言っていますか。」

「はっ。『ロンドンで発生した爆発事件を解決しろ』です。総統閣下。」

「……私の『予想シナリオ』通りではありません。が、誤差の範疇内。

 デモ隊への食糧支援を実施しなさい。事務次官。」

「はっ。『デモ隊への食糧支援を実施。』以上、復唱致しました。総統閣下。」

「宜しい。では、私からの指示は、以上です。何か質問はありますか。」

 特になかったので、今回の会議は、これでお開きとなった。


 * * * 


 やはり、火炎放射器は、素晴らしい。

 何なら、隠語として『イノケンテ●ウス』と名付けよう。

 発音しづらい故『イノケンテウス』と名付けよう。

 これなら、一文字違うから大丈夫だ。

 いっそ、漢字で『意能剣手薄』もよい。

 特に、機動隊の様に防弾装備で固めた連中には、良く効く。

 連中は、透明なフルフェイスヘルメットを着用している。

 が、銃弾は防げても、呼吸は制限される。

 そこに、『イノケンテウス』を浴びせる。

 すると、ヘルメット周辺の酸素が、燃焼によって失われる。

 結果、一酸化炭素中毒で倒れる。

 しかも、頭部と言えば急所として名高い。誰でも狙うだろう。

「薙ぎ払え! それでも世界で最も邪悪な種族の末裔か!」

 総統の「これなら、素人でも武装警察官や軍人を薙ぎ払えるだろう。」は、「薙ぎ払え! それでも世界で最も邪悪な種族の末裔か!」と聞こえた様な気がしたが、きっと気のせいだろう。

 某殿下とも無関係に相違ない。

 もっと、『イノケンテウス』を差し入れしよう。


 * * * 


「本日のニュースです。政府が、デモ隊に発砲しました。

 デモ隊は、……只今、新しいニュースが、入りました。

 政府は、デモ隊に対し戦闘ヘリ36機を投入しました。

 結果、デモ隊全員死亡との事です。」

 素晴らしい。同じ手を二度以上使う事が、愚策である事教えてやろう。


 * * * 


 場所は、英国首相官邸執務室。時は、デモ隊全滅の少し後である。

「総理! てぇーーへぇんだぁっっっっ!」

「どうしました。デモ隊は、片付いたのでしょう。」

「それが、戦闘ヘリが、爆破されました。」

「は? 誰が、いえ、何機爆破されたのです。」

「35機です。35機爆破されました。」

「ふぁぁぁっ! 一体何が、あたたたたたたたたたたぁっ!」

「順を追って報告致します。現場で不審なドローンが、発見されたのです。

 発見したのは、23番機の操縦士です。で、件のドローンを撃墜しました。

 その為、デモ隊を一分取り逃がしました。

 そこで、任務完了後、一旦トラファルガー広場に全機着陸しました。

 すると、23番機以外の全ての機体に不審物が付いていたのです。

 取り外す試みは、全て失敗。更に音が鳴ったので全員その場を離れました。

 すると、23番機以外の全ての機体が、爆発したと報告が上がりました。

 以上になります。総理。」

「……………………………………おのれぇ! 謀ったなぁ!」


 * * * 


 今日のリモート会議参加者は、日本帝国総理、防衛省事務次官だ。

「今日は緊急招集と言う事でした。挨拶は、不要です。まず、報告しなさい。事務次官。」

「はっ。日本時間本日未明、ロンドンで発生したデモの件です。一つを除いて閣下の予想通り事が、進みましたので、指示通り進めました。総統閣下。」

「それだけですか。事務次官。」

「はっ。一機のみ気取られました。結果ドローンの電波射程より高度に逃げられ、撃墜されました。残機は、広場に一旦着陸して対処を試みました。総統閣下。」

「しかし、人力では取り外せない様に設計したのでしょう。」

「はい。更に、30秒前に警告音を鳴らしました。結果全員生存しております。

 また、ヘリの操縦士が、広場にいた通行人も退避させた事も起因しています。

 以上になります。総統閣下。

 誠に残念ながら36機中35機しか破壊できませんでした。

 ご命令を遂行できず、画竜点睛を欠いた事、誠に申し訳ございません。」

「素晴らしい。これで、連中は同じ手を使えなくなりました。

 よく働いてくれました。実行者も労ってください。事務次官。」

「はっ。ありがたき言葉にございます。総統閣下。」

「そう言えば、先程『広場』と言っていましたが、何処です。」

「はっ。トラファルガー広場でございます。総統閣下。」

「燃やせ。ネルソン像は、倒すのだぞ。」

 総統の「では、ネルソン像は、どうなったのです。」は、「燃やせ。ネルソン像は、倒すのだぞ。」と聞こえた様な気がしたが、きっと気のせいだろう。

 某総統代行とも某少佐とも無関係に相違ない。

「周囲のライオン像と共に、木っ端微塵になったとの事です。総統閣下。」

「実に良い事です。計算以上の成果ですよ。実行者を十分労ってください。事務次官。」

「はっ。『実行者を十分労う事』以上、復唱致しました。総統閣下。」

「宜しい。では、私からの指示は、以上です。何か質問はありますか。」

 特になかったので、今回の会議は、これでお開きとなった。


 * * * 


 全て私の『計画シナリオ』通り。種を明かせばごく単純だ。

 前回、戦闘ヘリを配備した場所の近隣にウィークリーマンションを借りる。

 そこに、人員を配備した。戦闘ヘリが、出撃した所でドローンを繰り出す。

 これには、磁石付きの爆弾を紐で吊るしてある。

 この磁石でヘリに、爆弾を取り付ける寸法だ。

 また、紐の根元に二つある磁石は、S極とN極で、支えている。

 これらは、爆弾下部の磁石より弱いので、引っ張ればとれる寸法だ。

 後は、時間さえ経過すれば、爆弾が作動する。

 勿論、燃料にまで引火する事も計算済みだ。

 念の為、ドローンにも機密保持用の自爆装置を付けておいた。

 当然だが、ウィークリーマンションの借り主は、ボランティア団体だ。

 英国内の団体は、難民申請中の一時避難先として借りただけだ。

 そこに間借りさせてもらった。

 既に、難民申請中の外国人も、配備した人員も国外に脱出済みだ。

 アフリカ連邦の故郷の土を踏んでいる。その報告も受けた。

 言うまでも無い事だが、配備した人員は、全て自衛官だ。


 * * * 



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