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『日本改造計画』  作者: 桃太郎
改革への道
3/32

改革への道(日本編)(1)

 今度は、総理から電話だ。忙しいな……。

「はからずも、君の言う通りになりましたよ。……半額の件。」

「…………ああ……便乗値上げか。こちらでも把握していますよ。

 が、2倍の金額にして半額、いつもの価格などと言うセコイ商売は、今の所見当たらない。

 目くじらを立てず、便乗値上げした分だって半額は半額。

 補助金を支払ってあげなさい。」

「取り締まるべきだろう。そう言う意見も党内にはある。」

「いいかい。『値上げ』は、小売店の権利。合法。取り締まるべきではありません。

 それに、あまりあこぎな商売をする企業は、消費者から拒否され淘汰される。

 だから、目くじらを立てるなと言っています。きちんと、補助金を払う事いいね。」

「分かった。」

 こうして、電話を切った日本国総理だった。


 * * * 


「……、以上もちまして『日本国』が。敗戦した経緯となります。

 既に、『日本帝国』と国名、憲法を刷新しました。以降は、質疑応答となります。」

 場所は、国会議事堂、説明したのは、日本帝国総理大臣。聴衆は、国会議員だ。

「ふざけるなぁっ!」

「無茶苦茶すぎるぅっ!」

「私は、『質疑応答』と申し述べました。誹謗でも批正でも批判でもありません、」

「だったら、何故降伏したのか答えろ!」

「ご存じない。憲法九条ですよ。あなたが、日頃ありがたがっている規定に則りました。」

「だからって、なんの交渉もしないのは、おかしいだろう!」

「そうだ。国内世論もまとまっていないぞ!」

「では、あなた方が、国内世論をまとめるのですね。で、その間『敵』が、何もしないと。

 そんな筈ないでしょう。その間に日本人が、殺害されたら、誰が責任を取るのです。

 私は、あの時『降伏』したから、一人の犠牲も出さず、平和裏に終戦できたのです。」

「だからって、なんの交渉もしないのは、おかしいだろう。」

「では、交渉中に私が射殺されたら、誰が交渉するのです。また選挙ですか。

 そんなに、政治の空白を生み出すのが、好きですか。緊急事態だったのです。

 そんなに交渉したいのなら、交渉中に私が殺されないようにしてください。

 そして、憲法九条規定に則り、武力行使は、許されません。では、どうします。

 『盾』になりなさい。総理大臣が、交渉中に殺害されない様、肉の壁になりなさい。

 そして、総理大臣の代わりに、殺されなさい。

 それ以外に憲法九条と総理の命を同時に守ることはできません。

 この中にそんな人間がいるなら伺いましょう。

 いないじゃなあいですか! 故に、私は降伏を選んだのです!

 勘違いしないでください!」

 この様子は、全国中継され、録画がネット配信された。

 また、敗戦したことを知ることになった日本人全員だった。


 * * * 


 そろそろ頃間だ。語るとしよう。我が『日本改造計画』を!

 陛下にもご説明申し上げ、発布を輔弼した『日本帝国憲法』についてだ。

 全文は。別途公開するとして、今回必要な部分だけ解説しよう。


第七条 天皇は、日本帝国に在住する者全てを、何時でも処罰する権限を有する。

    国籍、人種、性別、信仰、罪状、罰則内容は問わない。


 これが、これこそが、私が目指す『明治を超える中央集権型立憲君主制国家』だ。

 この憲法条文に従い、今まで日本国民を苦しめてきた官僚を一網打尽にする。

 それだけでは無い。今後、『法の目をかい潜って私腹を肥やす輩』もすべて処罰だ。

 先程、日本帝国総理より連絡が、入った。

「『晴天なれど波高し』。」

 つまり、警視総監は、今回の逮捕劇実施を承諾、準備に入ったという意味だ。

 これで、数日後には、財務省の尻馬に乗っかった『緊縮財政派』は、全員無期懲役刑。

 無論、裁判などしない。その為の憲法規定だ。

 また、都内限定だが、地方公務員にもメスを入れる。

 特に、生活保護担当者だ。あいつらは、日本人の不正受給を疑うくせに、害国人……。

 もとい、外国人に支給してきた。こいつらも同罪。よって処罰。

 これで、改革の抵抗勢力を、綺麗に清掃できる。


 * * * 


 まず、分類しよう。即刻即効、1~2年かかるもの、それ以上かかるものだな。

 まず、即刻即効。これは、『物価半減令』だ。これで、国民生活は、一気によくなる。

 陛下や総理には、二兆円と言ったが、あれは過小評価だ。恐らく五兆円だろう。

 と言っても、消費税1%減税で二兆円なので、全廃より安く済む。


 次に、1~2年かかるものである。

 これは、四つある。

 一つ、『基本生活保障制度ベーシックインカム』だ。

 支給方法は、経費クレジットカードを国民全員に支給する。

 暗証番号は、静脈認証を導入する。故に、入力作業は、不要である。

 とは言え、静脈認証読み取り機を日本国内全ての店舗に。配布する必要がある。

 が、この二つを達成すれば、日本人全員に金を配れる。

 しかも、一人の人間が複数枚のカードを入手しても、既に登録された静脈と照合する。

 つまり、今後は全国民の静脈情報を国家が、一元管理する。

 これなら、不正受給も、防げる。紛失なら、新カードを発行するだけだ。

 この際、静脈情報から残額を割り出して、新カードに継承させる。

 問題はない。

 あるとすれば、国民に支給する方法だ。

 そこで、金額から提示する。金額は、一日二千円、年間で73万円だ。

 欲しい者は、最寄りの役所へ向かうのだ。

 これでよかろう。

 財源? 日本の人口は、約一億三千万人だ。その内、成人者は、約一億人。

 なら、金額は73兆円となる。

 問題なかろう。例の財務省が貯めこんだ米国債一兆ドルを売ればよい。

 これで、150兆円だ。余裕だな。

 子供にも支給すれば、約90兆円だ。が、これで児童手当を全廃できる。問題なし。

 更に、高齢者には年金も支給する。

 これは、今まで積み立ててきたお金から支払うのだから、問題なし。


 二つ、所得税改正だ。年収二百万円まで無税。

 更に、税額は、全員一律一割だ。

 これで、富裕層を日本に移住させる起爆剤にできよう。

 但し、相続は一切禁止。死亡した場合、財産は全て陛下に即時無償譲渡とする。


 三つ、法人税は、大幅増額の八割だ。

 但し、経営権と人事権を陛下に即時無償譲渡するなら、六割を補助金として還付する。

 これで、何時でも陛下の名で、経営介入し、社員の待遇改善など改革も可能だ。


 四つ、議員、公務員報酬は、年俸十万円とする。

 根拠は、コロナ騒動の際、国民支給したのが、十万円一回だったことだ。

 いずれ、教育を整備し、年俸十万円で政務を取り仕切る人員を育成する。


 最後に、それ以上かかるものを紹介しよう。これは、八つある。

 まず、消費税全廃だ。

 既に、取引に税を課す事を憲法で、禁止した。

 すると、日本におけるかなりの税が、『憲法違反』となる。

 例を挙げると、消費税、ガソリン税、石油税、酒税、たばこ税、ゴルフ税、温泉税等だ。

 これで、物価は、大幅に下落。経済活性化間違いないな。


 二つ、エネルギー問題だ。

 これは、三本の矢で推進する。

 まず、『太陽光』。

 次に、『火力』。

 最後に、『原子力』。

 これらの内訳を、1:1:1とし、九割の発電量を賄う。

 材料費高騰などのリスク分散にもなるので、一安心であろう。

 が、どうしても足を引っ張るのが、『太陽光』である事は、否めない。

 では、『太陽光発電パネル』の欠点とは何か?

 多いく分けて二つある。

 『何処に』設置するのか。土地を確保することが困難である。

 『日照時間』を如何に確保するのかだ。

 だが、私には計略プランが、ある。

 それは、日本が『島国』である事に起因する。

 つまり、洋上で行う。

 即ち、船の甲板に『太陽光発電パネル』を設置。仮に、『発電船』と名付けよう。

 これなら、日本が誇る最新寧の気象衛星から、情報を受け取り、翌日晴れる海域まで移動。

 これで発電する。更に、満タンの充電器を陸揚げし、空の充電器を船に収める。

 で、出航する。この繰り返しだ。

 勿論、地球を東西に一周すれば、24時間365日の発電も可能だ。

 が、海賊に襲われてもつまらないので、日本の排他的経済水域内に限定すべきであろう。

 また、『発電船』の燃料でも一工夫を施す。

 時に諸君、『モーター』と『発電機』の『違い』を知っているかな。

 答えは、『ほぼ同じ』だ。

 つまり、モーターに、電気を供給すると、軸が回転する。

 モーターの軸を回転させると、電気を生み出す。

 結果的に、発電機と呼ばれるのだ。いいかな。

 では、『発電船』の真価を教えましょう。

 要は、『発電船』のスクリューの軸には、モーターと充電器を2つずつ付けている。

 これらを、仮にモーターA、B。充電器A、Bと呼ぶ。

 で、充電器Aの電気でモーターAを回して推進力にする。

 すると、その間モーターBは、発電し、充電器Bへ電気を溜める事ができる。

 充電器Aが、空になったら、AとBを切り替えるだけだ。

 が、これは、完全な永久機関ではない。

 充電時のロスを加味して、甲板の太陽光発電を使う。これで、凖永久機関になる。


 三つ、食料自給率だ。

 これは、『発電船』の応用となる。

 即ち、『発電船』内部で、『水耕栽培設備』を稼働させて作物を栽培する。

 上部のLED照明と、ポンプで汲み上げた流水を与えている。

 最新技術のLED照明は、24時間365日。常に、昼の様に成長可能だ。

 流水故腐敗しないし、フィルターで、ろ過してから再利用する。

 更に、ケースの中は、空調完備、コンピューターの自動管理で、人員は些細である。

 勿論、欠点がないわけではない。

 『水耕栽培設備』には、作物の種類により、向き不向きがある。

 例えば、葉物野菜や、胡瓜、豆類、トマト、イチゴやメロンなどは、得意だ。

 が、樹木や、芋類や根菜は、苦手であり、稲では、まだ成功例がない。

 更に、畜産は糞尿の処理が追い付かない。まさか海に捨てるのも気が引ける。

 これらは、今後の研究に期待するしかない。

 勿論、補助金をつけることになる。


 四つ、三つ目と重複する部分がある。

 これは、農政改革だ。

 具体的には、農業協同組合(JA)を消去する。念の為、有名無実化を経由する。

 そもそも農業協同組合とは、日本農家の下支えの為に、設置された。

 農薬、肥料、農機具、飼料、農産物の販売の為、明治から始まったのだ。

 法律や組織は、何度か改訂され、二次大戦後に今の農協の形になった。

 ちなみに今では、銀行経営、保険販売など様々な事業を展開している。

 かつては、農家から集めた預金を運用するなどして、約四千億円の収益があった。

 が、2001年には、それも約二百億円まで下がった。

 以降、経営の立て直しにことごとく失敗。赤字企業に成り下がった。

 理由? バブル崩壊。

 しかも、農協の経営陣は、元官僚、元農民など金融のド素人ばかりだ。

 自身を含めた報酬返上など、痛みを伴う改革もできないままずるずるするだけ。

 しかも、後継者不足に喘ぐ農民を助けていない。

 最早、百害あって一利なし。消去だ。

 具体案は、先程少し触れたが、有名無実化を経由する。

 こういう時は、新たな組織を立ち上げる。そして、旧組織の人員を吸収する。

 勿論、旧組織の人員は、大幅減俸。何なら年収10万円でもよい。

 所得税もかからないし良いことであろう。

 で、新たな組織だが、国営農業企業とする。

 事業は、前述の『水耕栽培船』の運用、研究開発、農協の事業継承。

 更に、農民を全員社員として雇用。どの農地に誰を担当させるか決定。

 農地、農機具など、各種資産を法人名義で管理する。

 銀行、保険業務は、別会社に売却。こんな所でよかろう。


 五つ、官僚、議員を育成する。義務教育から大学まで手広くやる。

 勿論、年俸十万円で、官僚、議員と言う職業を選択する『意識の高さ』を叩き込む。

 教育と言う観点でここに含めるが、大学も改革する。

 昔は、馬鹿田大学と呼ばれ、今ではFランクと呼ばれている連中だ。こいつらを全廃する。

 よって、大学の補助金を全廃する。その代わりに成果主義を導入する。

 例えば、ノーベル賞受賞者を輩出した学校には、一回一億円支給する。

 教師を輩出した学校には、その人物が教師として仕事をした期間、一年毎に十万円。

 医師(獣医師含む)検事判事地方代議士を輩出した学校には、同じく一年毎に百万円。

 帝国議会議員(国会議員)ならば、同じく一年毎に五百万円。

 これで、大学だけでなく、教育の競争力強化に繋がるであろう。

 また、犯罪者を輩出した学校には、罰金。罪に応じて十万円から一千万円。

 いじめも同様に罰金。被害者一人につき、百万円。

 ついでに、民間保険会社に新商品を作らせる。上記罰金に対する掛け捨て保険だ。


 六つ、移民対策だ。

 物価を十倍にするよう、小売店、飲食店に圧力をかける。

 但し、ベーッシクインカム経費クレジットカードを使用したお客様は、九割引きにする。

 更に、半額にする。これで、移民は、出ていかざるを得ない。

 犯罪に走るなら、その場で射殺。


 七つ、地方創生と原発対策だ。

 例えて言うなら二千十一年三月十一日、東北で大震災が発生した。

 この際に、福島の原発周辺三十キロメートルの住民が避難した。

 何も学んでいない。この事実経験から日本人は、何も学んでいない。

 もし、次に同じことが発生すれば、同じ失敗と失態と失策の積み重ねだ。

 そこで、私は考えた。事故を起こす前に、住民を移住させるべし。

 すると、疑問があるだろう。

 何処に?

 答えは、簡単だ。過疎地に送る。

 こうすれば、地方の人口平均化を図れる。

 しかも、『移住』なのだから、持ち出す財産も選び放題だ。

 更に、何十万人もの移住計画だ。資本家にとっては、ビジネスチャンスとなる。

 何故? 彼らを労働者として雇用する事を計画可能だからだ。

 ついでに、沖縄県県民を移住させれば、基地問題も解決する。

 これが、私の考える地方創生と原発対策だ。


 八つ目、憲法でメスを入れたが、小選挙区、比例代表を廃止する。

 つまり、日本帝国全土を一区の選挙区とする。これで、一票の格差も消滅する。

 更に、得票数に応じて順位を付ける。そして、一位当選者を総理大臣とする。

 また、国会で投票する際、最下位の当選者は、一票とする。

 最下位の一つ上であれば、二票とする。順次一票ずつ増加する。

 これで、何が起こるか。私がやりたいことは、政党、派閥の形骸化だ。

 仮に、選挙前に三十人の国会議員が存在する政党があるとしよう。

 現行通り、衆議院が465人としよう。つまり、装置大臣は465票を有する。

 上記の政党構成員が、全員当選、最下位から30位までを占めたとしよう。

 すると、この政党の票数は、合計で、465票になる。

 つまり、三十人がかりでも、総理一人に勝てないのだ。

 即ち、法案ごとに上位者が結託する。そんな政治運営にならざるを得ない。

 政党派閥と言う『枠組み政治』から『選挙結果政治』に舵を切らざるをえない。

 そして、四年後には、また選挙。で、徒党の組み直しが、始まる。

 この方が、民意を反映させやすい。


 九つ目、結婚制度だ。多夫多妻制とする。

 更に、新生児への遺伝子鑑定を義務化無償化する。

 相続自体は、禁止したが、誰の子供かは、はっきりさせる。

 更に、養育義務は、母親にある。養育権利は、父親にある。

 自分が、どの子供をどれだけ養育するのか決定する権利を父親本人に認める。

 当然、子供に支給したベーッシクインカムを管理するのは、母親である。

 こんな所だ。


 * * * 



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