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『日本改造計画』  作者: 桃太郎
改革への道(外交編)(2)
24/44

改革への道(アフリカ編)(6)

 今日のリモート会議参加者は、日本帝国総理、外務省事務次官、同省アフリカ支局長だ。

「挨拶など不要、報告から始めなさい。」

「GBCO加盟同意書が、取れました。但し、一か国を除きます。総統閣下。」

「その前に、同意書を確認します。共有して下さい。」

「……はい。共有いたしました。総統閣下。」

「署名していないのは、タンザニアだと認識しましたが、私の気のせいでしょうか。」

「はい。仰る通りです。タンザニアのみが、未署名です。総統閣下。」

「だからと言って、水産物限定にすべきではないでしょう。タンザニアと交渉すべし。

 駄菓子菓子、交渉材料が甘くない。もっと甘味が必要です。鞭だけでは駄目です。」

「意外ですね。国内問題には、あれ程鞭を振るった総統も、外国にはお甘い。」

「失敬な。私は嗜虐趣味者サディストでは、ありません。ここは、なし崩しですね。

 事務次官、アフリカ支局長、タンザニア大統領とのリモート会談を設えなさい。」

「はっ。」

「本日は、以上です。お疲れさまでした。」

 そして、最後に農林水産省とのリモート会議予約を入れて終了した。


 * * * 


 今日のリモート会議参加者は、日本帝国総理、タンザニア大統領だ。

「お初にお目にかかります。日本帝国総統です。」

「ご丁寧に痛み入ります。タンザニア大統領です。」

「では、早速ですが本題に入りたいと存じます。大統領。」

「では、率直に、GBCO加盟は吝かではありません。総統閣下。が……」

「皆まで言うまでもない。当ててしんぜよう。GBCO規定の一文にこうある。

 『議長国の許可なく野生動物の調査保護を実施してはならない。』

 ここが、タンザニアの国策でもある『自然保護地区』と合致しないからであろう。」

「概ねその通りです。総統閣下。で?」

「勿論です。ここは、『協力』し合いしましょう。」

「ほぉ……『協力』ですか。具体的、詳細にご説明頂けるのですね。総統閣下。」

「勿論です。『人材交流』と言う名目で、そちらに日本から人を派遣します。

 で、そちらで実施している『自然保護地区』での活動を勉強させてください。

 そうすることで、タンザニアの『やり方』を理解できる事でしょう。

 すると、意思疎通コミュニケーションが、し易くなります。

 無論、こちらが『お邪魔』する立場ですので、こちら側の渡航費用はこちらで持ちます。

 まずは、こんな所で如何でしょう。大統領。」

「それなら、『勉強代』も支払うべきでしょう。違いますか。総統閣下。」

「ああ、そうそう『人材交流』と言う言葉の意味を説明していませんでした。

 タンザニア政府からも、人を派遣して、日本の自然保護を学ぶのです。

 こうして、相互に学習しあう事で『勉強代』も相殺するのです。大統領。」

「そこまでして、学ぶことがありましょうか。総統閣下。」

「いいですか、外交の基本は、『相互理解』。不明確なものに警戒する気持ちも察します。

 ここは、タンザニアの為、アフリカの為、世界の為、日本の為に行動すべきでしょう。

 違いますか。大統領。」

「最後に日本の名前を出すとは、随分正直ですな。なら十分な譲歩が必要でしょう。

 それが、交渉と言うものです。違いますか。総統閣下。」

「実は、大西洋からアフリカ大陸を横断し、インド洋へと抜ける運河を建設予定です。

 その際、入り口三か所、出口三か所を予定しております。タンザニアを最優先……。」

「今! 何と仰いました! 総統閣下。」

「ああ……そうですな。『運河を建設予定です。』でしたか。大統領。」

「違います! もう少し後です! 総統閣下。」

「えーーっ……確か、『コンゴ川やヴィクトリア湖を駆使しアフリカ大陸を横断』する。」

「違います! わざと仰っておりませんか。総統閣下。」

「では、何の件でしょう。大統領。」

「我が、『タンザニアを最優先にする』と仰いましたな! 総統閣下。」

「そもそも『運河計画』ですよ。『計画』ですから大西洋側は、コンゴ川など三か所。

 インド洋側は、ソマリア、ケニア、タンザニアの河口を予定しています。

 アフリカ大陸内部では、コンゴ川、クアンザ川、ヴィクトリア湖を上手く繋ぎます。

 こうして、インド洋側の三か所何処から入っても、大西洋側三か所全て利用可能。

 これは、スエズ運河の『バイパス』になります、素晴らしいでしょう。大統領。」

「未だ肝心な事を伺っておりません。総統閣下。」

「勿論です。予算は、『アフリカ連邦』から拠出。工期は三十年です。大統領。」

「それだけでは、ありません。『工事の優先順位』は、どうなります。総統閣下。」

「そんなに必要ですか。大統領。」

「あたりまえでしょう。『運河』さえ完成すれば、貨物船がスエズ運河を避けます。

 船の通行数量は、100倍だって夢ではない。港湾使用料に、港湾倉庫使用料!

 それらの利益は、まさしく『金の卵を産むガチョウ』ですぞ。総統閣下。」

「現状のスエズ運河一極集中を緩和した上、英国に握られている利益を誘導可能。

 今まで欧州に虐げられてきたアフリカによる意趣返しをするターン

 これらをまとめて『アフリカ連邦構想』。『アフリカ大陸』の統一国家化。

 素晴らしいでしょう。大統領。」

「ですから、タンザニアを最優先にして頂けますよね。総統閣下。」

「では、ようやく本題に入れますな。大統領。」

「分かりました。ですが、署名する前にタンザニアを最優先すると文書化して下さい。」

「こちらになります。大統領。」

 『アフリカ連邦大統領』直筆サイン入り文書をカメラに写し、共有してやった。

「これで問題ないですね。総統閣下。」

 直筆サイン入り『GBCO』加盟同意書をカメラに写し、共有したタンザニア大統領。

「では写しを双方保管の上、これらの文書を交換しましょう。実務者協議にボールを渡す。

 それで、問題は解決ですね。大統領。」

「勿論です。総統閣下。」

 以上で、リモート会議は終了した。


 * * * 

 それらの利益は、まさしく『金の卵を産むガチョウ』ですぞ。総統閣下。」

「現状のスエズ運河一極集中を緩和した上、英国に握られている利益を誘導可能。

 今まで欧州に虐げられてきたアフリカによる意趣返しをするターン

 これらをまとめて『アフリカ連邦構想』。『アフリカ大陸』の統一国家化。

 素晴らしいでしょう。大統領。」

「ですから、タンザニアを最優先にして頂けますよね。総統閣下。」

「では、ようやく本題に入れますな。大統領。」

「分かりました。ですが、署名する前にタンザニアを最優先すると文書化して下さい。」

「こちらになります。大統領。」

 『アフリカ連邦大統領』直筆サイン入り文書をカメラに写し、共有してやった。

「これで問題ないですね。総統閣下。」

 直筆サイン入り『GBCO』加盟同意書をカメラに写し、共有したタンザニア大統領。

「では写しを双方保管の上、これらの文書を交換しましょう。実務者協議にボールを渡す。

 それで、問題は解決ですね。大統領。」

「勿論です。総統閣下。」

 以上で、リモート会議は終了した。


 * * * 



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