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『日本改造計画』  作者: 桃太郎
改革への道(外交編)(2)
22/44

改革への道(アフリカ編)(5)

 今日のリモート会議参加者は、日本帝国総理、外務省事務次官、同省アフリカ支局長、

 同省南米支局長だ。

「挨拶など不要、報告から始めなさい。」

「はっ。新たに『アフリカ連邦』加盟を打診してきました。

 コスタリカ、ニカラグア、ケニア、タンザニアの四か国です。総統閣下。」

「成程、これで、一つ証明できました。」

「証明ですか。一体なんでしょう。総統。」

「米国大統領は、こちらの『意図』を理解できていません。」

「『意図』ですか。ですが、総統の『意図』は、数が多すぎます。どれです。」

「総理、それは、コスタリカ、ニカラグア、ケニア、タンザニアの四か国です。

 これら、四か国に共通する『意図』ですよ。つまり、『運河』の新設。」

「しかし、意外ですね。アフリカ大陸を横断する運河など、高額になるはずなのに。」

「だから言ったでしょう。アフリカ大陸の中央部は、水資源が豊富です。

 コンゴ河にヴィクトリア湖など、これらをうまく使えば、意外と安く済むのです。

 それに、パナマ共和国の隣国コスタリカ、更にその隣のニカラグアにも作ります。

 これで、『スエズ運河パナマ運河バイパス構造』が、完成します。」

「つまり、『コスタリカ運河』『ニカラグア運河』の使用料で、儲ける訳ですね。」

「失敬な。あくまで『投資資金の回収』。『金の卵を産むガチョウ』扱いするのです。

 それに、スエズ運河、パナマ運河共に、限界に達しようとしています。

 いずれ。バイパスは必須です。私が旗を振ったとして何ら問題はないでしょう。

 では、『アフリカ連邦』加盟国を報告しなさい。」

「はっ。以下十八か国になりました。

 コンゴ民主共和国

 南アフリカ

 ウガンダ

 アンゴラ

 モザンビーク

 マダガスカル

 マラウイ

 ザンビア

 ジンバブエ

 ルワンダ

 ブルンジ

 ナミビア

 ボツワナ

 モーリシャス

 コモロ

 西サハラ

 カメルーン

 ケニア

 タンザニア

 以上になります。総統閣下。」

「宜しい。で、その内『地球生物保護機構(GBCO)』の加盟希望国も報告しなさい。」

「はっ。全て同意であります。総統閣下。」

「宜しい。では、『同意書』を見せなさい。」

「はっ。それが『口頭』によるのみで、『同意書』への署名は後程とだけです。総統閣下。」

「それは、いけません。こちらは、できたばかりで『組織構成』が『脆弱』なのです。

 一週間待ってこれでは、『成果無し』です。こちらも『国費投資』で交渉しなさい。」

「しかし、反発を招きませんか。総統閣下。」

「あちらさんは、『アフリカ連邦』条約に調印しました。ならば大統領への服従は義務。

 期限を守らずとは、言語道断。インフラ整備などの予算も先送りにすべきでしょう。」

「はっ。早急に署名する様、交渉致します。総統閣下。」

「いいですか、交渉とは、『飴』と『鞭』です。早急ではなく三日で解決しなさい。」

「はっ。三日で解決する様、交渉致します。総統閣下。」

「はっ。総統閣下。」

 こうして、リモート会議からログアウトしたアフリカ支局長、南米支局長であった。

「ではここで、今回の本題です。『地球連邦憲章』の草案です。共有しました。」

「……これを、基に作る訳ですね。総統閣下。」

「その通りです。しっかり仕事をしなさい。指示は、以上です。」

「はっ。総統閣下。」

 こうして、リモート会議からログアウトした外務省事務次官であった。

「では、総理、一つ指示があります。追加で五千億アフリカを印刷してください。」

「分かりました。追加参加国、1億3千万人の分ですね。

 時に、官僚達を胡麻化すことはできても、この私は無理ですよ。総統。」

「勿体付けた言い方は、止めなさい。もっとはっきり言いなさい。総理。」

「では、宇宙ステーションの件です。総統。」

「必要だからに決まっているでしょう。軌道エレベーターの始発終点ですよ。

 工事の際には、宇宙ステーションから下へ向けて建設。これが、最適解なのですよ。」

「それは、分かっています。しかし、予算の問題が解決していません。総統。」

「予算とは、『必要』に応じて設定するもの。そうしましたよ。総理。」

「ですが、宇宙ステーション『二基』分の予算は、必要ないでしょう。総統。」

「君は、何もわかっていません。必ず『二基』分の予算が必要なのです!

 いいですか。これは、日本とアフリカの分です。アフリカでも『二基』必要です。総理。」

「だからって、一基25兆円ですよ。国家予算の10%です。再考してください!」

「そうせ建設には、十年かかります。なら年間約一%、十年間ですむでしょう。

 『二基』つくっても二倍ですから年間約一%、二十年間ですむでしょう。計算しなさい。」

「しかし、25兆円とは……議会が動き出したら、必ず叩かれますよ。総統。」

「いいですか、現在の国際宇宙ステーションは、特別な訓練を受けた者のみがいます。

 故に、大した予算もかけてません。私の記憶が確かなら約一兆円ですよ。

 ですが、何の訓練も受けていない。更には、障害者や高齢者乳幼児も使う事が前提。

 これくらい、安全管理を徹底するのは、こちらの義務です。いいですね、総理。」

「わかりました。なら二つ同意して下さい。一つ25兆円『以内』に必ず抑える事。

 二つ余剰分は、予備費に回します。それさえ守っていただけでば、同意します。総統。」

「わかりました。同意しますよ。総理。」

 この日のリモート会議終了である。


 * * * 



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