オリンポス山の剣戟
ジャキーン!
と聖鳳銃剣を取り出したブラックマンバは早速オリンポス山の方に向かって行った。
「あ、ちょっと!作戦ぐらい聞きなさい!」
とベルチャーが呼んだ時にはすでに聞こえないようなところに向かっている。
「セグロとねむは彼の方面へ向かってくれ」
「了解なのです」
「わかりました」
飯匙倩の指示を受けた二人はブラックマンバを追う形でオリンポス山へ向かって行った。
「そういえば飯匙倩様はいったいどうやって体裁をとっているのです?普通六天王の合体が必要だと思うのですが」
確かに今ここにいるベルチャーや直行したブラックマンバに追って行ったセグロは三人ともーマジック・オブ・ステラーの形で肉体を築き上げている。
「能力や体力などが劣るものの、数を減らしても肉体はとどめられるのですよ。今はナミブとコブラ、タイパン氏などがそれになっています。私はあくまでも演算子なのですよ」
「演算子・・・と言ってもさすがに肉体を損傷したらそれはどうなってしまうんだ?」
再びベルチャーが尋ねる。
「演算子である私の本体が傷つくことは稀です。恐らく別の合体者の身体が削れるのかと」
ベルチャーは黙るほかなかった。
ナミブは陽気で強い体力であるが、コブラとタイパンはそうはいかない。タイパンに至ってはいわゆる「ガリレオ=ガリレイ」みたいな年寄りの状況だ。
「もしかすれば、タイパン氏はやられる恐れがあると・・・」
「それは否定できないですね」
タイパン氏は前のカミの襲撃の怪我が治っていない。もし飯匙倩が攻撃されることとなれば、タイパン氏は死ぬことになるかもしれない。
「この基地の防衛は誰がやるんだ?」
すると小瑠璃がおおらかに言った。
「当然私たちよ!守の力、侮るんじゃないんだから!」
***************
「フッフッフ、テティス・・・俺を敵に回したことを後悔させてやるぞ・・・」
ブラックマンバは早速オリンポス山の頂上までにたどり着く。ここでテティス部隊が来るところを先制攻撃するつもりである。
何も知らず、テティス部隊はオリンポス山に登っていく。オリンポス山は高いので結構体力を消費する。
「うひゃひゃ?みんな疲れているようだな?山頂に着いたら少し休憩してやってもいいぞ?」
併し突然の大量の聖鳳銃剣が飛んできて不死者はかなりのダメージを負った。
「うひゃひゃ?誰だ?守の刺客か!?」
テティスはドロドロに溶けたアヴェンジアンデッドに刺さった銃剣を見る。
「これは、聖鳳銃剣・・・!まさか!?」
すると山頂からブラックマンバが降りてきた。
「フッフッフ、俺は守の代理人。ここで神罰を与える者。わが使命は、裏切者の肉片を、一片までもを絶滅させること。ウラアアアア!!!」
「ぶ、ブラックマンバ殿・・・お前、生きていたのか!」
驚くテティスにブラックマンバは銃剣を向ける。
「私はブラックマンバ殿を探していたのに、まさか守の代理人として出るとは・・・」
「お前は裏切者だ。簡単にカミの手先になるとは・・・。俺は貴様に、そんな教育をした覚えはない」
併しテティス側もひるまなかった。
「ふん、今は吾輩の他にも多くの仲間が、そう・・・死体たちが!お前を敵としてみなしているぞ!」
テティスは鞭のようなものをはたき始めた。
「お前の能力は非不死者蘇生法だったな。だが残念ながらお前の蘇らせたやつらは非不死者ではなくアヴェンジアンデッドのようだがな」
「だからどうした。聖鳳銃剣なんぞ怖くないぞ!」
テティスも攻撃の構えを見せた。
一方その光景を後ろで見ていたセグロとねむ。
「僕も不死者だから、あまりこの戦いには参戦できないかも?」
ねむは一応は非不死者蘇生法を使われているとはいえ、蘇った人間として自分を見ている。
「そ、そうですね・・・、とりあえず、迂回して様子を見に行きますか?」
「僕一人だと全然戦えないと思うけど」
「そうですか・・・なら、しばらく様子見ですね」
セグロとねむは二人の戦いを覗くことにした。




