カムラの作戦
一方カミの世界では、テティスの軍団の神化が進んでいた。
ただ、一抹の不安もあるようである。
カムラは海鷂魚にとある依頼をした。
「おい照清、少し相手をしてくれないか?」
「ん?相手とは?」
「少しやりたい技があってだな・・・」
かつてカムラが人間であった時代、捨己従人というマイナス能力素を使ってたことがあった。併し、カムラ自身はこれがマイナス能力であるどころか動作詠唱であることも知らない。
「ふむ、じゃあ行くが・・・ーー人間の殪仆・核分裂アローーー」
「来たか、ーー借勁・捨己従人ーー」
「うおおっと!?」
海鷂魚の繰り出した技は奪われた挙句自分に返ってきたのである。
「ふむ、間違いない」
カムラは核心を突いたように言った。
「これがあればやつの攻撃技を逆利用できる・・・地球にいる愚かな奴ら共を滅ぼしてくれよう」
「なるほど」
海鷂魚は返事をする。
「神化はどのくらい進んだのだテティス」
テティスは周りを見ながら答えた。
「まだ18億人の半分ですじゃ・・・」
「ふむ・・・」
アヴェンジアンデットを神化するには割と時間がかかるようである。人間であればその精神に入った瞬間に神化は可能であるが、アヴェンジアンデッドではうまくいかないようである。
カムラはとあることを思いついた。彼が人間だった時に騙されたねずみ講である。高い金で物を買い、他の人に売りさばくという手法だ。よく考えればアヴェンジアンデッドに迎合作戦を覚えさせるのは都合がいい。
「今から神化したアヴェンジアンデッドに"迎合作戦"を取得させよ」
カムラはテティスに命令した。
「え、それはいいですが吾輩も体力を相当削られてしまいます。すぐの戦闘どころか、1か月は動けなくなりますじゃ・・・」
「ふむぅ・・・ならば、私に迎合作戦を使え」
テティスはかなり戸惑った。
「すでにカミ側の人間では・・・。でも、カムラ様の命令だ、迎合!」
「ーー借勁・捨己従人ーー」
するとカムラは力の消費無しにテティスの懐に入った。これを使えば、カムラの力で神化したアヴェンジアンデッドに迎合作戦の付加をかけることができる。
・・・
・・・・・・
「ん、何があったのじゃ?」
テティスは迎合されている間のことは思い出せないようだ。ただ、カムラも予想以上の能力消費に膝をついたのである。
「大丈夫ですかカムラ様!」
「いや心配ない。想定以上に能力を使ってしまってな。だが、これでよい。さて・・・、そこのアヴェンジアンデッド共!他のアヴェンジアンデッドに迎合せよ!」
ビシッとポーズをした後に、まだ神化していないアヴェンジアンデッドに迎合をしかけ、ネズミ算式に神は増えていった。
「ふふ、いい調子だな」
カムラは意気揚々と神化を見届けた。
「少し休むぞ照清。しばらく監視を頼む」
「あ、わかりましたカムラ殿」
そういうとカムラは奥の部屋に戻っていった。




