マイナス能力素
前回の爆発危機は白い炎の爆発による廊下の硝子の損傷で済んだ。
万が一教室で爆発したとなったら・・・被害は想像できないだろう。
そして授業が終わりそれぞれの家に帰宅する。
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・椋路寺家
「爆発とはいえあんまり被害がなくてよかったね」
とねむは胸をなでおろして言った。
「併し今のまゆっちだと地球の平面は破壊するほどの攻撃力はあるってことになるな」
と諒が言う。
「う~ん、また狙われるかもしれないな・・・」
と繭は心配して言う。
「その可能性はかなり低いわね」
いきなり天界から小瑠璃が降りてきて言った。
「あんた天井から入ってくるなよ」
ボコっと小瑠璃を殴つ諒。
「痛いわね!まあでも天井から来るのはあれかもしれないけど・・・、何回も迎合に失敗した奴を狙うってことはリスクしかないのよ」
「リスクとは?」
「迎合作戦にはカウンターされることがあって、例えば・・・天界では幻と言われている"マイナス能力素"を意図して使われると逆に仕掛けた側が乗っ取られるのよ」
「マイナス能力素・・・」
部屋がシーンとなった。
「ん?なんか変なこと言った?」
と小瑠璃が尋ねる。
「え、いや、それがいろんな理由がありましてね」
繭は諒に提案した。
「一回あの炎を見せたらどうなの?」
「え、仕方ないな・・・--伝説焔・白の炎ーー!」
リビングに召喚した3つの白い炎が出された。
「え、これって・・・いや初めて見た。これっていわゆるマイナス能力素で動いているよね? ということは・・・」
「なんかあるの?」
「マイナス能力素が使えるってことは奴ら地球破壊作戦をやめるってことかしら? それでもこの炎ってどこの文献にもなかったし・・・」
「確かに消火するのに時間がかかるわね」
そういうと諒は火炎放射器を持ってきた。
「ちょっと!部屋が火事になるわよ!」
「いや、白い炎はこうやって消火するんよ」
ゴオーーーーーーーー
火炎放射器で白い炎は鎮火された。
「よくわからないわね!」
「だって小瑠璃あなた、見たことないんでしょ?」
「だってそれは・・・」
繭が提案する。
「私たちは私たちで"マイナス能力素"を開発したほうがいいんじゃないでしょうか?」
「確かに、白い炎だけではマイナス能力素としては少ないわね・・・」
「どうやってするかもわからないし・・・」
いつの間にか諒は禁書室か、わからないところに行っている。せめてマイナス能力素のやり方がわかればカウンターを仕掛けることも奇襲も可能だ。
三人が悩んでいる間、諒はとある本を持ってきた。
「まさかこんなことが本当に存在するなんてね・・・」
ドスンとページを開けた所には『動作詠唱』の欄があった。
「実は白い炎はこの『動作詠唱』で発見した物よ」
繭・ねむは二人同時に聞いた。
「動作、詠唱・・・?」
「呪文を唱えて使う能力を"祝詞詠唱"、一定の動作を用いて攻撃を使う能力を"動作詠唱"というのよ」
「へぇ~!」
<飯「確かに動作詠唱はマイナス能力素がメインですね」>
いきなりテレパシーで呼びかけてきて三人は吃驚した。
<諒「ちょ、なんでいきなりあらわれるのよ!」>
<飯「動作詠唱の攻撃であれば、私の邸宅の本棚の裏側にかなりありますから、調べたらどうですか?」>
<繭「へー・・・あるんだ」>
<諒「となったら一回飯匙倩邸に行ってみますか」>
<繭「なんか収穫があればいいんですけど・・・」>
「・・・というわけで飯匙倩邸に行ってくるわ。じゃあ小瑠璃は留守番頼むわね」
「ちょ、神をぞんざいに扱わないでよ!」
三人は無視して飯匙倩邸に向かった。
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一方の飯匙倩邸では鞦韆一族と悠が帰ってきた。
「おかえりなさい。学校は安全だった?」
「いや・・・一人カミに乗っ取られた」
・・・・・・・。
その報告を受けると皆無言になった。
ブラックマンバ伯爵が尋ねる。
「その後カミに乗っ取られた奴はどうした?」
「小瑠璃が連れて行った、どうやら再迎合して普通の人間に戻すのだとか」
李津華は別のことについても尋ねた。
「学校はー、爆発することがなかったんでしょうか~?」
「爆発しかけたな。本気で攻めようとしたところを阻止された、しかも謎の能力素だ。一体何なんだマイナス能力素って・・・」
「マイナス能力素?」
六天王達は互いに「知ってるか?」の表情を向けてはいるが、誰も知らないようである。
「マイナス能力素って、具体的には?」
「俺らがやっている能力素は基本的にエネルギーを放出する"プラスの能力素"であるのに対してそのエネルギーを吸収する能力素をマイナス能力素というらしい。諒がなんか言っていたがそれぐらいしかわからねえ」
「つまり~、地球爆発作戦が~、回避されるかもってことですよね~?」
そういえばカムラの一番の狙いは地球を爆破させ人間を滅ぼした後地球を再構築するということである。というのは悠や李津華から聞いてはいるが、マイナス能力素を使えば地球の爆破を免れるっていうことか。
併しやり方がわからない故、完全に諒頼みの攻撃技・・・というか攻撃かわからない技となる。実際に詠唱して放った本気の攻撃も、炎の大きさ自体はすり減らしたが消せてない上に繭が使うAustrloptksでさえ通用しない技である。
「あ"ー、結局わからないんだよ。マイナス能力素っていうのが」
「でもー、これをきちんと精査して使えるようになればー、カムラのやり方の一つを阻止できるってわけですね~」
まあそうだけれども。技を使う前の「詠唱」がわからなければこっちも何もできないというのが本音である。
「まあ、とりあえずマイナス能力素っていう物を調べ上げるしかないわね」
ベルチャーたちはそれに関する記述がある本がないか、探し始めた。




