カミの戦争3
一方、悠の存在を消された上も稍人間に説教せんと考えつつも、天界から降りていくことを決意した。
「よーし、全員準備は万全ね。では皆行きましょ~う」と李津華。
「貴方も妹の存在が消されたというのに暢気ね」と獷魋姉妹とそのグループ。
「そうね~、そのことは、説教しないといけないかなぁ~」と李津華はいう。
最期に存在が確認できた飯匙倩邸へと降りて行った。
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「くそう、なかなか邪魔をするやつだな、ここの大ボスとやらは」
カムラは次々と外される"仕返し呪文"によって阻まれていった。
<「なるほど。飯匙倩が相手の攻撃技をジャッジし、それをこの二人が仕返し呪文をすると」>
異空間ポケット内でも諒と繭とではテレパシーで会話できるようだ。
<「併し結構な呪文を仕返ししたわよ、こっちもなんかないのかしら?」>
<「この場所は地下空間でもねじれた位置にありますから、簡単には見つかりませんよ」>
すると凜が慌ててその空間に駆け込んできた。何かあったようだ。
「大変です!今度は上が、人間に敵意を見せて襲ってきていると悠さんからのお達しが」
「ええ!?」諒と繭は困惑する。
<「やはり上の存在は残しておいた方が正解だったかもしれませんね。ただ、全員の存在を見せなくしないと中庸を保てないのですから、のちにこの案件困りましてね・・・」>
<「・・・まあ、このために要請しておいて正解でしたよ。四災のプラナリア」>
すると地面の間からするすると三人の人物が現れた。すると繭は
「あ、なんかAustrloptksで簡単に逝った人じゃん」と言ってしまった。
プラナリアとは"怪人・トワイライト三兄妹"のことである。
「誰が簡単に逝った人なんですか!死んでませんよ!」と悠太。
「クマムシレベルの生命力を舐めてもらっては困るよ!」と美崎。
「でも、二度と戦いたくはないかな・・・」とみく。
「でも大丈夫なんですかね?この人たち、照夜淸らとバトルして負けたんじゃなかったんですかね?」と諒が心配そうに言う。
<「まあ彼らのやることは決まっていますから、とりあえず外に出て六天王や鞦韆一族とともに戦ってください」>
「わかりました・・・」と悠太がいうと、三人らは地上に出て行った。
「でもやることが決まってるって、鞦韆らや六天王よりなんか具体的じゃないですか?」と諒が聞く。
<「まあ万が一上が悠を取り返しに攻撃してきた際の見せしめですよ。上の部隊はたぶん六天王に対し誰一人として勝負になりませんから、彼らは態と上の敵になってもらうんですよ」>
「うわー、ずっる・・・」諒は若干ひいていた。
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上の泉紳井戸李津華率いる部隊が上空500mほど上についた瞬間に異変に気付いた。
「え?まさか、カミとやりあってるの!?」と李津華は驚いて言う。
「カミとやりあえるってことはそれなりに強いやつらがいるってことね・・・気を引き締めて悠を取り戻すわよ」と獷魋姉妹。
「ちぃっ、邪魔者が増えてきやがったか・・・」
カムラがそのように言うと、上空からは上が結構な人数で押し寄せてきた。
「あれまー、何をするか知らねーんだが、カムラさんは絶体絶命だなぁ」と幻の銀次が解説する。
「だが上の攻撃をそのまま受けるわけにもいかねーぞ。ここは引き上げてやる」
とカムラは地上の中堅のカミを残したまま引き下がった。
「併し、ここでカムラを引かす口実を作ったのはよろしくないのではないか?」とマンバ氏はいう。
「え?」
「奴らにはテティス部隊という連中がいる。どうもテティス連合隊のトップ、テティスがカミに侵食されたようでな。今度はその舞台含め争うことになりそうだ」
「なんで上はそんなへまをしたんですかね・・・?」と元上のセグロはいう。
「さあな。でも奴ら、予想より変な行動に出ている気がするが・・・?」
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「あっ、カムラを逃してしまった!」
「でもやることは悠の救出も含めるから、そっちからやるわよ」
そして上は呪文を唱えた。
ーーかの邪悪な者を滅ぼせ! スターダスト・レイ!ーー
何本もの光線が地上に降りかかってきた。
「ちょっと待って、なんてあたいら攻撃してきてんの!?」と照夜淸は困惑する。
それを受けても全くダメージも受けていない六天王。まさに腕を組んで攻撃を滝の修行のように扱っている。
残されたカミたちはこれによってかなりの数が蒸発されてしまった。地上にいる数少ないカミはあわてている。
「なんか、まったく効いてない人たちもいるんですけどー!」
「悠ちゃんが言ってたー、マンバさんやナミブさん、ベルチャーさんとか~?多分相手にすると、私たちが葬られるかも~」と、李津華は妹が仕入れた情報が事実と知って少し興奮気味である。
「馬鹿なこと言ってないで早く救出に行くわよ!」
「つべこべうるさい二人だな!おい」
「え?」
ドガシャーーーン!!
ベルチャーのメテオ・スマッシュにより激しくたたきつけられた獷魋姉妹。すでに圧倒的なさを見せつけられた感じである。
「ちょっと~、二人も上なんですから~、興奮しないでくださいー」
「やかましい!」とベルチャーはピアノ線で李津華は拘束されてしまった。
「あなたが~、一番強いっていうベルチャーさんなのー?」李津華はまだ暢気に喋っている。
「一番強い、か。それは前の話だわね。でも貴方、66Q[J]如きで大慌てしてたって界隈らしいじゃない。いきなり攻撃するならその洗礼を受けてもらうよ!」
ドカーン
またもやメテオ・スマッシュで叩きつけられた。
「もうやだ、何あの戦闘能力。あれが人類にいる時点でヤバいじゃない!」と希美子は半泣きしながら話す。
「せめて、誰か会話できそうな人を探さないと・・・」と美優も半分存在抹消を覚悟していた。
「なんだこいつ?」
二人に鞦韆一族が近づいてきた。
すると二人はボーガンを出して言った。
「悠、李津華の妹を早くここに呼び出しなさい!さもなくば人間であっても少し痛い目に遭ってもらうわよ!」
「・・・ちぃっ、飯匙倩は今存在消してヒマナッツにされてるって時にどうすりゃいいんだよ・・・」
少し時間がたつと李津華が叩き落されてきた。
ドカーン!!
「ああ、李津華さまも歯が立たないなんて!」
「あ?李津華?あの大鑚成由紀夫がどうのこうのに介入したあいつ?」
照夜淸は李津華に近寄っていく。
「無礼者!撃て!」
ただボーガンを撃つも、剣を盾にされて全く効いてないようである。
「今度は何しに来たん?」と照夜淸は聞く。
「あ、覚えててくださって命拾いしました・・・、あの~、私の妹であるー、悠ちゃんのこと知ってますぅ~?」と李津華も冷静さを取り戻していた
「悠?ん~と、機密の話だけど喋っていいんかな?」と照夜淸はあたりを見回した。
スタッ
ベルチャーが地面に降りてきた。
「まずこのどうしようもない二人とリーダーを説教しましょう?」とベルチャー。
「いやはや、その前にさ、悠のあの存在抹消案件って、機密事項だよね?言って良いん?」と照夜淸が聞く。
「ん~、さあどうなんだか。でも他の上が攻撃を仕掛けている以上は一回建物に入るわよ」とベルチャーはいう。
「その話は私が仲介するのです」とセグロが現れた。
「!? あ、あの、上が全盛期に居た際の最強の狩人であるセグロ様!?」獷魋姉妹も李津華も興奮気味である。
「うるさいのです!過去のことは水に流すのです!」
「まあ~、あのセグロ様がここにいるなんて!・・・おっと鼻血出ちゃったかも」
攻撃がいくつか降ってくる中、照夜淸、ベルチャー、セグロとの三人は取り押さえた三人と部屋の中へ入っていった。
「さーて、私たち三兄妹はこの人たちと戦えばいいのですか!?」
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「んで、悠は今どこにいるのよ?」と希美子がいう。
その後「許可が下りた」みたいなコソコソ話を後ろでしていた。
「ん~、現在「存在抹消化カプセル」をカミ・上・守に飲ませて中立化を図る目的だったようだ。まあこれがちょっとあだになってるみたいなんだが、・・・ちょっと、諒さん呼んでこれる?」
暫くしてから諒が現れた。
「とりあえずこれを飲みたまえ」
ぼん!!
「え、なんかのマジックやってるわけ?」と希美子が突っ込みを入れるも諒にたたかれた。
「お、お姉ちゃん!」
「あ、悠ちゃん、無事でいてた?」
「私、カミが攻めてきて、何すればいいかわからなくて・・・」
「ほーほー、お大事にお大事に・・・」
するとセグロは、ある宣言の話の内容を言った。
「どうやらカミは、上、守、人類を狙っているようですから、気を付けてくださいね」
「ああ」と獷魋姉妹も頷く。
すると上は李津華、悠を残して撤退していった。
「でもしかしどうするんだ? カムラに逃げられたのは厄介やぞ?」
次回は記す者シリーズ、鞦韆一族編をおおくりします。




