飯匙倩の正体
今回未来瑠や諒、繭は飯匙倩の家に少しの間滞在することになった。
昼間は高校を休んで防衛装備などを直し、改修するためである。
「棄て・・・駒・・・」
未来瑠は天に向かって言う。何の意味かは分からないが、命令を受け取っているのか、しかしその命令はあまりいいようなものではない様である。
飯匙倩家に到着した皆は飯匙倩に質問だらけとなった。
「カミが攻撃しようとしているんだが、未来瑠はどうするんですか?」
「カミが戦争してくるってことは上と守はどうなるんですか!?」
「俺たちはどうすればいいんですか!?」
飯匙倩は苦言を呈した。
「とりあえず、一人ずつ喋ってくれ。今の状況だと、全開放を使うしかないようですね・・・凛さんよろしく」
「え・・・わ、わかりました。併しこれをやるとなると誰か"守って"くれないといけないですね・・・」
「守る」?飯匙倩の本当の姿が見れるというのか?
凛は飯匙倩の後ろに回り、光った剣をするりと下す。
すると飯匙倩は謎の呪文を唱え始めた。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
すると飯匙倩からベルチャー・ブラックマンバ・セグロ・コブラ・インランドタイパン・エラブと次々と現れ始め、照夜淸が六天王と呼んでいる人たちが煙から這うように出てきた。
「久々の全開放・・・そして、飯匙倩・・・誰かが守ってあげることね」とベルチャーが言う。
「わかりました、身を挺してでも飯匙倩は守り抜きます」と凛。
凛が抱えている小さい肉体・・・
「まさか、これが、飯匙倩の正体・・・?」
「あまり言いたくはなかったのですが、この場になっては言うしかないですね。かつてベルチャーとブラックマンバはこの肉片を使い、『フーチャンゴングョウ』を以て一人の人間を作り上げた。そしてセグロ・コブラ・インランドタイパン・エラブと次々にフーチャンゴングョウをして統一されたのが飯匙倩の正体・・・。最も、ヴォルクスは唯一合体を断った。ブラックマンバに何度もやられているから」
「・・・(つまりヴォルクスの 『貴様、まさか、お前がベルチャーに・・・』とはそういうことだったのね・・・)」
すると突然、繭は「"見栄えよーアカシックレコードー"」と唱え始めた。
「まゆっち、なんか敵が来るのか?」
「よくわからないけど、誰か二人、もう搔い潜ってこっちに来てます!」
「さて、戦いの準備ね・・・」
すると未来瑠は何かに誘われるように玄関の方に向かって行った。カミに操作されているのか?
六天王と鞦韆一族、諒・繭・ねむ、玄関へ向かった先には誰かがいる。
未来瑠は、その人物の方向へ吸い寄せられる方に向かって行く。
「まて、貴様は誰だ!」
「我は仲居小澪、貴様らの情報を捕捉、そして処分する」
ベルチャーとブラックマンバは戦闘態勢に入った。
「カミに堕ちたか小澪よ。タイパンとはえらい違いだな。ではこちとら行かせてもらうぞ!」
ブラックマンバが攻撃しようとした瞬間。
ガシーン!
「ん?ロンギヌスの槍か?」
「おーっとここで会話ができないやつが登場ーってか?神の世界では先に動くと負けるんだぞ間抜け」
悠はこの人を知ってるようだった。
「幻の銀次さん!」
「おう、悠よ。人間界に降りたと聞いたときは少々不安だったが、適応しているようだねぇ?」
「小澪は一体何なの?」ベルチャーが聞く。
「彼は諜報者であり、第一戦線部隊でもあるー。諜報者の私なら、少しは相手も困るだろう?」
「ふん、吾輩が倒れても代わりはいくらでもいる」
「そう熱くなるなよ小澪よ・・・さて、どうする気だい?」
暫く見つめ合った状態になっている。守のいう、「先制したら負け」というのは事実かのように。
しばらくして、未来瑠は前に出始め、神化した。
「ああ、時慶の二の舞をされるの…?」
未来璃はあまり気乗りではないが、戦闘モードに入る。
「未来璃に殺されるか、データを取られるか選ぶんだな。モタモタしていると死ぬぜ」
小澪はケラケラしながら言った。




