繭の受難
繭が入院してからその後、繭はいつもの「ひどいことをされている」家に帰された。
「あ?もうお前あれができないんだって?」
「・・・・・」
繭は反抗的な目でにらんだ。
「ふん、だったら仕方ないな、だったらお金にするしかないな・・・」
繭が定期的に世話をされているか、病院から織璃彌艶 由佳里が派遣された。
ドアをノックするものの、誰も出てくる気配がない。
「心配ですね。もしものことがあったら、どうしよう」
「う~ん、まだ繭は家にはいるみたい」
しかしあそこまで虐待凌辱し、行政も動かないとなると飯匙倩家や椋路寺家が動くしかない。しかし誰も出ないところを突っ込むと自分が捕まってしまうのである。
学校では繭が入院中はいじめっ子らはボーっとした顔をしている。一番最初の行政文書、「彼女にはいじめを行えと。その快楽に溺れる者はいない」というのは事実なのだろうか。いじめのどこが楽しいのかよくわかっていない。
土曜日、今日はデジィアティーがたまたま休みだったため、彼と行くことにした。ドアをノックするが出てこない。
しかし今は繭がいない。どこかに出かけているのか?しかし変な糞じじいはいるのだが・・・。
「繭がいなくてあなたがいるのは知ってるわよ。出てきなさい」
ギイィィィィ
ドアが開き、「アァ?」みたいな声を出してこちらをにらんできた。
「てめえがさっきのちびを世話してたってやつか。めんどくさいことをしやがって」
デジィアティーはさっきから何かを嗅いでいるようだ。そしてデジィアティーはこういった。
「誰かほかに客を入れたみたいですね、どのような客ですか?」
「客?ああ、ただの通販だよ」
「通販ではないですね。繭、あなたとは異なる血の匂いがしますよ」
・・・すごい。自分もイグシステンスを使ってみて初めて気づいた。何か電気系統や血が付いたいろんなものを運んだ団体が来ていることがわかる。
「まさか・・・、そう、あなた拷問殺人鬼に売ったのね」
「え?」
デジィアティーは拷問殺人鬼の話は知らないようだった。拷問殺人鬼のことについて説明する。
「別名子供収集車、美少女取集車というのがあってね、今ここにきていると飯匙倩様から聞いているのよ。しかも多額の金銭でやっているみたいね」
・・・・・・・・・
深い嫌な空気が流れた。
「おまえ、俺を俗物とみているのかメスガキが!」
「うるさい」
諒はおっさんを家の中に吹っ飛ばし、中でぐるぐる巻きの状態にした。確かにリビングで500万円かが置かれている。
「これ、証拠として取っておくね。デジィアティーさん、警察を」
「ここ、どこ・・・」
バチチチチ
「ふふふ、今回もかなりかわいい女を買うことができたぜ。おっさんは汚かったけどな」
「・・・・・」
不安になる・・・・。
「ま~、俺達のこと教えてやるから、取りあえず座れ」
知りたくもない!と思ったが男3人・・・繭には従うより無かった・・・
椅子に座った繭を、3人の男が立って取り囲む。
「・・・・」
不安そうに3人の男の顔を見る。3人はニタニタ笑っている。言いようのない恐怖心が繭を苛む。めがね男が繭の腕を椅子に後ろ手に縛る。繭は恐怖のため抵抗どころか声さえ出ない。ひげ面が繭を椅子ごと大型のテレビの前につれてくる。男は大切そうに保管された、10数本のビデオをもってやって来た。
「さて、準備完了だ」
「それはこれからこのビデオに語って貰う」
「まー待て待て。いきなり見せたらショックが大きいだろう・・・少しだけ教えておこうぜ。こいつがこれからどうなるか・・・」
「うん・・・それもそうだな・・クックク」
長ったらしいビデオには長い虐待映像、中には18禁映像、最後には内蔵を自分で抜き取り絶命する映像が流れていた
「おまえの目も衰えてきたか?ヒャヒャ・・・ま~結構かわいいからいいけどね」
「・・・・え・・・」
「おまえ結構鈍いね~、そうだよ今からおまえは死ぬんだよ」
繭は初めて祈った。きっと諒が助けてくれる。そう信じて。
「お前の知り合い、椋路寺諒って言うんだってな。安心しなよ。この家は『あいつと同じ能力を使える』んだぜヒャヒャヒャ・・・まー絶望しかないだろうけどね」
「そ、そんな・・・」
繭の目が絶望に堕ちていく。
「人生最後の食事だ。何が食べたい?」
絶望に堕ちた繭は何も答えなかった。
「早くしないと何も食べさせてあげないよ~だヒャヒャヒャ・・・」
結局何も食べないまま、時間だけが過ぎていく。男達は、鉄の棘の付いた鞭、強力な鉄製のクリップ、ペンチ、ハンマー、ノコギリ・・・様々な、責め道具を運び込みだした。そして、最後に鋸の歯の様にギザギザな形をした三角木馬と、1つ20kgは有りそうな、鎖の付いた鉄球が4つ、そしてその横には、鋭い三角形をした木材が5本と1枚30~40kgの鉄板が6枚置かれた。
先ほどのビデオでこれらがどうやって使われるか茜にも分かった。今からあの鋭い三角木馬の上に座らされたり、木材の上に正座させられ、あの鉄板を置かれたりしながら、いろいろな拷問を受けるのだ。
「さて家に電源を取り入れて、準備万端だ。楽しませてくれよヒャヒャヒャ・・・」