4災の争い
「この実力が・・・4災の1・・・ヴォルクス・・・!」
「こんな小娘が相手になるとはな、まあお前らは強いんだろ?かかって来い・・・!」
相手が挑発の姿勢をとっている。何等かの攻撃を待機しているのは見て取れる。
しかし挑発中に攻撃するとまずいことにはなる。そのときヴォルクスは不死者を取り込む習性がある。迂闊に攻撃すれば繭は吸収されてしまう。
「ふっ、わかっているなら話は早い・・・裕も地獄に堕ちよ。還魂返し!」
ドーン
しかし効かない。アヴェンジアンデッドには還魂返しは通じないのである。
「ふん。アヴェンジ型か・・ならば肉を切り裂くまで」
ヴォルクスは攻撃を始めた。繭は咄嗟によけたうえでピアノ線攻撃で対抗する。
「そのまま愚弟に投げ飛ばす!」
捕まえたヴォルクスは諒の弟に吹っ飛ばされた。しかし、ヴォルクスの体は幽霊が半分ぐらいで構成されているのか、下半身に当たった弟にダメージはなかった。
「お姉ちゃん、悪く思わないでね!」
弟はアンデッドとの契約玉を強く押した。
「馬鹿、あなた死ぬ気なの?ヴォルクスは4災、あなたの能力素で何とかできるやつじゃない、逆に飲み込まれるぞ!」
「くくく、純粋な弟だな。栄養にするにはもったいない」
再び爪を使った攻撃で繭に襲い掛かる。先ほどよりやはり威力はあがっている。
「さあどうした、繭よ。お前の攻撃はこの程度か?」
「・・・」
「こうなっては仕方ないわね、能力追加を許可する」
「なにっ?」ヴォルクスは繭の"真の"必殺技をまだ知らなかった。
繭はその命令を聞くと少し立ち止まり聞いた。
「ここを廃墟にする気なの?」
「止むおえぬ」
弟が誰かの洗脳か本気かはわからないが、もうあたしを排除することしか考えてないようだ。ならば、「核攻撃」もよかろう。
「わかりました、諒さん・・・ これが真髄です!Austrloptks!」
6つの玉を用意し、それをヴォルクスに当てた。効果は抜群だ。
「か、核攻撃だと!?」
「え、か、核!?」
弟はびっくりした表情とともに鼻血を出し始めた。
「ああ、残念ながらお前の体はもう持たない。取り込むしかない」
「最後に一つだけ言わせて」
弟は諒に面を向かって話した。
「とんでもない人をよみがえらせたんだね、まったく・・・」
「もう時間がない。取り込むぞ」
そういうとヴォルクスは弟を取り込んだ。
諒は最後に取り込まれていく弟の顔を見て言った。
「道をはき違えなければ、ね・・・」
その余韻に浸っているうちにヴォルクスは一回り大きくなり、戦闘モードに入った。
「くっくっく、これで俺様も人の心臓を久々に手に入れた。これで俺の力は数倍、数十倍にもなる!」
「さあ行くぞ!踊れ遊べ諒と繭ども。豚のような悲鳴をあげろ!」
<さあて、それはどうかね?>
「ん?」
ドカアアアアアアアアアン
天井から猛スピードで突撃してきた第三者が現れた。
「久しぶりだな、おっかなびっくり化け物の繭ちんよ」
繭はその声で誰かがわかったようだ。
「あなたは、ブラックマンバ!」
ブラックマンバは核攻撃とヴォルクスの気配で察知したようだ。しかしやってくる理由はわからない。
「ちぃっ!」
ヴォルクスは大きくのけぞりかえったような姿勢を取った。それは恐怖を表しているようにも見えた。
「ブラックマンバだと!?また4災の一人か・・・厄介な試合になるぞ」
しかしブラックマンバはそういう諒を無視するかのように言った。
「悲鳴を上げる?諒と繭が? まあ悲鳴は上げるかもしれないがお前の方が豚のような悲鳴を上げるのは確定なのでな!」
「あれ・・・(無視されてる???)」
諒は逆に相手にされてないことに驚きを隠せなかった。
「おまえ!なぜ生きているっ!」
「こっちのセリフだ。まだ無秩序な豚が生きているとはな」
「そしてな、お前が今相手している吾輩は繭を倒せなかった」
「なんだと!?」
ブラックマンバは諒の方に銃口を向けた。しかし頭や心臓ではなく狙っているのか、不死者契約の指輪?
「ち、ちょっと、いやっ!」
ヴォルクスは繭の背中に管をくっつけて盾をとるようにとった。
「マンバ!不死者がこの管をつかんだ意味は分かるだろ、俺が豚のような悲鳴を上げるならこいつは死ぬぞ!」
ブラックマンバは一言聞いた。
「少し痛いが我慢しろよ・・・!」
ブラックマンバはそういうと拳銃を不死者の契約の宝石に打ち込んだ。
「どうゆうこと、ぐわあっ!」
同時にブラックマンバは円形切断で繭を解放した。
「なななな何してるの!出血がひどい、どうしてくれるんだマンバ!」
「とりあえず血を吸うなりして傷口をおさえて病院へ行け」
「めんどくさいことを・・・!」
諒は体勢を崩して倒れてしまった。指から大量の血が流れている。
繭は大量に出血している宝石跡の血を吸って切れた指輪を慎重に外した。出血は意外とすぐに治まり、ぐったりしている諒を医務室に連れて行った。
「何をしている?」
「クックック、あいつらはあいつらなりの最後の手伝いをしたわけだ」
「貴様、まさか、お前がベルチャーに・・・」
「フハハハハハ!その通りだ」
ブラックマンバは強力な波動攻撃でヴォルクスを真っ二つにした。
「ぐおおおおあああああああああ!」
「まだまだ悲鳴は上げさせてもらうぞ」
更にブラックマンバは高速で連続の切り裂き攻撃を行った。ヴォルクスが手をなすすべはほとんどない。
ヴォルクスは身体を捨てて幻影で攻撃を行った・・・が、攻撃は当たるどころかすり抜けていった。
「な、いつの間にそんなこざかしいことを」
この時マンバは、別の天王の能力も使っていた。セグロの能力はアンデッドの攻撃が当たらない。
ただ、繭との応戦の際もセグロの能力を使ったが、効かなかったという。やはり繭は
繭はいろいろな意味で壊れている!
「ぐあああああああぁぁ、この腐った神経野郎がっ・・・!」
「チェックメイトだヴォルクス」
戦闘は圧倒的であっという間だった。
「お前の顔はここで見るのは終了だ、この剣で永遠に縛られるんだからな」
そう言って聖鳳銃剣を3本心臓に突き刺すと、ヴォルクスは灰となって消えていった。




