いじめの光景
<「・・・」>で会話している部分は能力を使ったテレパシー会話です。今後もしばしば出てくる表現です。
「ちっ・・・」
とある少女が繭の机の横に立った。
彼女はいじめのボス、五味早紀。一応昨日の足を撃たれた千早の双子の姉である。
「なんでこんなことになったのよ・・・」
「なんで、なんで、なんでなんでなんで!」
妹の五味千早は撃たれたショックでいじめをやめるとし、しかもしばらく心療内科通いになるという。
彼女は繭の机を蹴り飛ばし、机を抱えてたまたま外で登校中の繭にぶん投げた。
机は繭に当たることはなかったものの、繭は衝撃で腰が抜けてしまった。
「あははははは、あははははははは!!」
狂うように笑う早紀。
「おめえの席、ねえか・・・ぶへっ」
「うるせーんだよ朝から。少しは黙って待てないんか?」
「誰だ貴様は・・・って、お前、おまえー!」
立ってたのは椋路寺諒だった。早紀は諒を見るや否や前の方でひいひい言いながら嘲笑していた男性組の陰に隠れた。
<「だ、だれか彼女を何とかしなさいよ・・・!」>
<「解析完了・・・。・・・能力素は約980Z[J]、真っ向勝負ではクラスどころか全校生徒突っ込んでも勝てるか怪しいやつですぜ組長」>
<「はぁ!?」>
それもそのはず、平均的な人の能力素の最後の数字の接頭語は大体MかよくてGである。しかし諒の能力素の接頭語はZ・・・学内最強を入れてもせいぜいワンパン入れるのがやっとなむしっけらなレベル。
「た、確かに学内最強の妹が撤退するのもわかるわ、勝てるわけがないじゃない・・・」
少し時間がたって彼女は外の繭に言った。
「こ、今回はこのぐらいにしといてあげるわ、勘弁することね!」
「まず机を上に持って来いよ・・・」
諒は呆れた顔でこっちを見ている。
「ふん!あなたがやればいいんじゃない?そこまで繭をかくまうというのなら」
諒はふととあることを思い出して「しゃあねえなぁ」という感じで戻していった。
机は元通りに前の席に配置された。すると早紀やほかの人たちがにやにやこっちを見だしていた。
「ふふ、計画通り・・・これであなたも合法的に攻撃できる・・・」
「ふん、そうかい」
諒はそれを聞くとすこしの間黙り、その後早紀のセリフを流した。
「な、なんのつもりよ!?」
「これで証拠はそろった」
「え・・・?」
「まあせいぜいこういうことか
・いじめは組織ぐるみであり、市も加担している。
・行政は無能力者に知らんぷりをしている。
・無能力者を片付ける「優生思想」により、無能力者を片付けられるという裏法律がある。
・ただし殺すとお縄につくから「いじめ」「拷問」「ホワイトトーチャー」「ファラリスの雄牛」といった方法で拷問あるいは人の手を掛けない殺害をする。
といったところだろうか?」
周りの反応が徐々に恐怖に変わっていった。
そこに繭が入ってきた。
「・・・・・・・」
「繭・・・」
繭は諒の顔をほとんど見ずに座っていった。