ついに撃破?
「この銃剣で刈られた不死者が生き残ったことはない」
悶えに悶える繭の後ろから銃剣をいろいろ動かしているベルチャー。
「うぐっ、ぐぅ・・・う、う、う・・・が・・・ガ・・・ァ」
声にならない悲痛なうめき声はいじめっ子らには衝撃だったようだ。
「繭・・・でも、なんで」
「そりゃ、彼女が暴れたらあなたたちが死ぬからでしょ?」
そういって取り出したのは不気味に動く何かである。心臓だ。
「いくらどんな不死者でも、心臓がなければ違うプロトタイプのやつでも終わり。これが最後」
ベルチャーは心臓を握りつぶした。繭は力なく倒れた。
「こ、これで終わったの?」と照夜淸がいう
・・・ええ。
ベルチャーは照夜淸の方に戻ってきた。
「疲れたでしょ?そろそろ帰ったらどう?」
しかし、しばらく沈黙が流れ、凛がとあることを言った。
「しかしこの絶対領域、なぜか崩壊しませんね」
確かに、術者の生命が尽きると能力もなくなり絶対領域も崩壊する。ということは
「まだ、まだ死んでないというのか?」
う、う、うああぁぁぁぁぁ!
後方に叫び声が聞こえる。
「今度は何だ」
ウォオオアアアアアア ウアアアアアアアアア!!!
見たものは唖然としたものだった。
繭は起き上がり、銃剣を抜き、再び攻撃態勢に入ったのだ。
「んなアホな!」
全員戸惑いを隠せない。
「みなみな、皆殺しにしてやる、あがあああああ!」
黒い球体を6発ぶっ飛ばしてきた。何とかよけたものの恐ろしい破壊力である。
アウストラロピテクスとは質が異なった。明らかに破壊力が上がっている。爆風も核攻撃性も、周りの人を守るので精いっぱいだ。
爆風によって諒が仰向け状態から横向きになった。
<ナ「せ、聖鳳銃剣がまったく意味をなしてないデス?やばすぎるデス!これはセグロ先生でも厳しいデスかー!?」>
<セ「聖鳳銃剣が効かないなんてありえない・・・え、何言ってんのナミブ。そんなの思いつかないのですよ・・・」>
<M「これはヴォルクスどころか普通の不死者と比較にならんな・・・、4災越え、か」>
<H「まずいですね、考えられる倒し方はあるのか・・・?」>
<M「・・・一つだけ考えがある。言っていいか?」>
<H「今言わないと死ぬと思いますよ」>
<M「たぶん彼女の状態を一番知っているのは殺した諒だ。彼女を仮蘇生して倒す方法を聞くしかない」>
<コ「確かに、椋路寺一族では特殊な還魂の術式があると聞いた」>
<B「みんな、ありがとう。とりあえずその策にのるわ」>
「おい、どうするんだ、打つ手はないのか!?」
「・・・。」
ベルチャーが考え込んでいる。
「そうだ、諒さんを復活させて戦わせればいいんじゃないですか?」
「へ?」
凛の提案に照夜淸らは驚愕した。先ほど殺そうとしたやつを復活させるというのはいかがなものか。
「それは考えづらいわね」と優希。
しかし「私はそれに乗るわ」とベルチャー。
二人に何か策があるのだろうか。




