剣戟と再会
「糞が、外が開かねえ。このゾンビが何かしているのか!?」
諒は窓などを殴ったりけったりするがびくともしない。特殊な細工がされているようだ。
こいつらの一部にアビリティアンデットがいるようだ。能力者を食べるのか否か。
「ん?・・・殺意を察知、誰・・・っ!」
頬すれすれに刃物が飛んできた。美沙樹の先制技である。
「鞦韆一族・・・!この場面でか!」
「よくご存じだなぁ諒さんよ。正体がばれてここまでされた以上は貴様を殺さねばならんのでね!」
美沙樹は後ろに回り銃剣を構える。照夜淸は前からつっこできた。
諒も剣を構える。照夜淸の攻撃を抑え銃剣をよけるも、今は少し力が足りない。
「どおしたぁ?いつもだったらもっと本気でやってきただろ?こんだけよみがえらせたから使いこんじゃったかな?」
「うるさいっ」
美沙樹が投げた銃剣を止めて念動力で照夜淸にまげて返す。
しかし照夜淸も銃剣を銃で跳ね返す。
「今回は狩りやすいなぁ!」
「ぐっ!」
ライフルで足を撃たれてしまった。痛みをこらえつつもこちらも剣を振りかざす。
「ハアアアアアアッ!」
しかし、諒の使った剣は美沙樹の銃剣で真っ二つにされてしまった。
「くっ、これが能力を使いすぎた限界か・・・!」
照夜淸はライフルを頭に突き付けた。繭にも会えず、ここで終わるのか。
「はっは、大したことなかったな。奴も楽に過ごせるだろうね」
「じゃあ、さようなら」
照夜淸が撃とうとしたその瞬間。
「うげぇ!」
照夜淸と美沙樹の腕が吹っ飛んだ。ピアノ線攻撃、これは龍の技か。
「龍!お前」
「構ってる暇はありません、屋上にヘリを調達するよう指示したので屋上に行ってください」
「2:1じゃ勝てねえだろお前!」
「・・・わかったでしょう、私はここでやられるってね」
諒は足の痛さを我慢して屋上へ走り去った。
「糞が、お前みたいなアヴェンジアンデットの尹のちんちくりんがに何ができるんだ?w」
「私は"元"尹なのでね、では、あなたたちを屠り去るまで!」
諒は繭の復活もわからず龍も殺されるという結果に悔しさしかなかった。
「最悪、だよ。こんな、こんなところで・・・死んでたまるものか!」
天井に着いた。天井は柵がない。ここから落ちても骨折程度で済むといえば済むんだが。
「はぁ、とりあえずヘリを待つか・・・ん?」
一人うずくまっている少女がいる。髪の毛は白くなっているがなんだか見たことある髪型だ。
「お前、もしかして、まゆっち?」
少女は立ち上がって諒の顔を見た。確かに彼女は繭で間違いない。紫の目にオッドアイなんてそう相違ない。
「まゆっちぃー!」
諒は彼女を抱きしめた。繭らしき少女も手を背中に回してくれた。足の傷も癒えた気がする。
「へーぇ、感動的な再開じゃない?」
「ちぃ、今度は優希か」
屋上までやってきたのは一族の一人の優希である。彼女は他に6人連れてきた。
「ご、ごめんなさ」
「何で帰らなかったんだこの愚か者!」
「だって・・・」
いじめっ子を人質にしてきたのである。
「くっそこの卑怯者・・・」
「こっちも再開を歓迎してやるよ。おら、喧嘩売ってきた愚か者の首さ」
「龍・・・」
龍は無惨にも首を切られて仕留められたのである。龍の言っていた死に際とはこのことを指していたようだ。
「さて、そこのゾンビと諒を始末しようかねぇ!」
照夜淸がマシンガンをぶっ放した。
「くそ、今の私にマシンガンを止めることは・・・」
「ふん!このまま二人で死・・・」
グシャ
「あ、が・・・」
マシンガンをぶっ放した途端、なんと照夜淸の首が吹っ飛ばされた。
「え、え、え、え・・・」
「回復させるから美沙樹も攻撃して!」
「了解、攻撃、す・・・ぅ」
美沙樹は四肢を吹っ飛ばされ行動不能になった。
「・・・まずい状況」
「照夜淸!美沙樹!?ぐぅ!」
諒に向かって怒りのまなざしを向ける。
「あたし、何もやってないんだが・・・」
「・・・?」
諒にはマシンガン数発を止めるのがやっとであった。この念動力は、まさか繭?
「・・・!、理解したからにはさせない!」
四肢を取り戻した美沙樹は繭に切りかかってきた。
「まゆっちに傷一つ与えない!」
諒も応戦しようとした。しかし美沙樹の剣は切りかかる直前に真っ二つに折れた。
「・・・!」
「少し理解が追いついてないが、本気のパンチ!」
美沙樹は腹を殴られうずくまった。この調子なら勝てる。しかし・・・!




