実行処置
一方諒の家庭ではすべての設定が間違いとなった今大慌てとなっていた。
「二条光と一条蛍が真犯人なの!?早く設定を変えろ!」
「今更遅いですよ、調書では拷問の末に白状してますから今更間違いでしたなんて」
「あそこで諒閣下が本気で攻撃したのも想定外なんですけど!どうなっている!」
諒はあきれた様子で見ていた。しかし繭のセリフに従っただけとはいえ、彼女にこんな力があったというのか。
「おい龍、あのうるさい奴らをなんとかならんのか?」
「少し難しいですね・・・いろいろなことが「間違い」扱いされたのですから、書類を書き換えるのも一苦労です」
「そういえば、前の襲撃では死ななかったな。予知は外れたんじゃないの?」
「いいえ、もっと後ですよ」
龍はそういうと禁書室にあるはずの本を持ってきてこういった。
「宣様が特別に許可を出したみたいですね。繭を諒閣下がよみがえらせる話」
「へぇ、まあ緊急事態だからな」
普通はアヴェンジアンデット(この家ではアヴェンジアンデットが不死者の統括を行う)が死に至った場合、家の男性トップがアヴェンジ化の還魂の術式を行う。
「・・・まゆっちに全部の重みを乗せる気なのか?情緒不安定だぞ」
「繭さんはあなたといたときは精神的に落ち着いていたとみております。あなたがやらなければ失敗に終わるでしょう」
「・・・暴走した彼女を見たくないな」
「それはどういう?」
「まゆっちは相手の感情を大きく拾う精神気質がある。甲南病院は元はバルマー脳波で死んだ人らの病院。そいつらの怨念を拾う可能性がある」
「なら、魂釘を一度破壊すればいいのです。大丈夫、アヴェンジアンデットなら一度よみがえれば簡単には死にませんから」
「もう次はないですよ」
飯匙倩は3人に対して言った。
「もうバレてる以上は殺るしかないんだろ?」
「2度目は逃がしません」
「本当に彼女は復活させに行くのかしら?」
「ああ、諜報員によると今日の夜には甲南病院で復活の儀を行うと。まあどうしても殺りたいんだったらこれが最後ですよ」
「ちぃっ、今回は言いつけに従わないとえらいことになりそうだからな・・・」
今まで自分で動いてきた照夜淸たちの行動はすべて破られた。手のひらに動かされていたのである。
「飯匙倩は加勢してくれるのか?」
「う~ん加勢はあまりしたくないですがね。でも危険と判断したときは動きますよ」
「いよいよ今日の夜か、楽しみだなぁー!」
照夜淸たちも今度は真剣に戦う準備をしていた。




