六天王と椋路寺家の掟
六天王とは「ベルチャー」「ブラックマンバ」「コブラ」「インランドタイパン」「ナミブ」「セグロ」のことを言います。全員毒蛇が由来ですが、ウミヘビ由来は女性、陸ヘビ由来は男性となっています。(コブラは男性です)
「そういえばさ、飯匙倩の中の六天王は何て言ってるのさ?」
「六天王って・・・いつの間にそんな名前を付けたんですか?」
「気分!」
照夜淸は相変わらず健気で陽気だ。
「六天王って・・・、あの人たちは見世物ではないんですよ」
「えー、でもめっちゃ強そうじゃん」
確かに強い。それも照夜淸や美沙樹と比にならない。しかし彼・彼女らは自分自身が呼び出さないと出ない。おまけに嫌がられることもある。
「まったく・・・、ただ一つだけ言っておくと、襲撃はあきらめろってことだ」
「・・・え?チャンスなのに」
「ああそうだ」
「えー、その判断はあり得なーい!」
照夜淸はその部屋から去っていった。しかしなぜここまで襲撃をあきらめるべきなのかー
かつて諒らが「絶対凍結」をしていた際、彼女二人、いや鞦韆一族は動けなかったが、自殺したといわれている椎奈繭は効かなかったという。その時の一人の反応はこれだった。
<B「必ず打ち負かされる、これだけは言っておくわね」>
<M「おっかなびっくりな少女かもしれないな、面白い・・・。絶対値論でも、おっかなびっくりなんだろうな」>
真っ向勝負をしたところでは勝てない。確かに今は椎奈繭はこの世には存在しない。しかし、とあることをすると奴は・・・
<ナ「向こうの人たちも、準備万端デース」>
<H「ん?何の用だ?」>
<ナ「球磨洋派閥の尹の龍、もうすぐ死ぬみたいデース。でも彼もそれを知ってるようデース」>
<H「どういう形で死ぬのかは見当ついているのか?」>
<ナ「それは残念ながら、専門外の話なのデース。でも、龍が察しているということは、球磨洋派閥の新のヌシを決めるのを、龍は急ぐはずデース」>
<H「あのバカ2人が特攻して殺すという可能性の説は?」>
<ナ「当然ありますネー。これで退散するデース」>
照夜淸・美沙樹が特攻しに行って殺してしまった場合は大変なことになるかもしれない。なぜなら、その候補として考えられる人物は間違いなく。
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「まず、尹になるといっても、まゆっちを尹にするなんて一言も言ってないからね?」
「まあそれでもいいです。でも、私以外の尹候補は、作っておきたいものです・・・」
「つまり今から還魂の術式をやりに行くのか?」
「まあ誰でもいい・・・と思ったのですが、繭さんしかいないんですよ」
「どうするんだ・・・」
結局まゆっちを復活させる禁術をやると。勝手にそういう話に持っていかれてしまう。なぜだ、なぜ自分の力が働かない。絶対値の法則よりその絶対値量が0になることはないはずだ。
そしてしばらくの間歩いて行った。徒歩で約15分、ここが甲南病院・・・彼女の眠る場所。
「しかしこの禁術、私たちのやつとは少し違うんじゃないの?これミスったら責任取れないよ?」
「・・・大丈夫ですよ。」
龍は還魂の術式に使う素材の釘、魂釘を心臓に刺した。さあ、念ぜよ。
「アレージオ!」
・・・
・・・
・・・
何も変化がない。
「これ、失敗じゃないの・・・!」
「そうでもないとは思いますが・・・容量の1/10ぐらい入れる必要がありましたね」
「・・・、そういえば体調が悪かったわね、そういうことにしておこう」
「ん?」
何か近くに気配がする。外を見に行っていた。
「なんだ、一条蛍と二条光、こんな夜中に何をしている?」
「それはこっちが利きたいんだけどねー!アレージオ?だっけ?復活する呪文とやらは」
「あんまりマネしないほうがいいぞ」
すこしピリリとした空気が流れていたが、ここでは戦闘にはならずお互いに去っていった。まだ奴が鞦韆一族だと、「私が」知らないからなのか。
「そうか、奴らはもう下準備をしていると」
「そうだぜ?だから一気にやっちまえばよかったのに、もったいないことしたわ」
照夜淸はがっかりした感じである。美沙樹はそうでもないらしい。
「あの病院は呪われた病院ですから、あと龍もいたから襲った場合は長くなったかも」
「ほんとにそう思う?」
しばらく沈黙が流れた。
「う~む・・・」
諒は悩んでいた。
「どうしたのですか諒閣下」
「この前相手は襲ってこなかったから準備するのを早めようと思って」
「それが妥当でしょう」
・・・・・・・
・・・・・・・
「繭の還魂の術式の許可はまだ出してないぞ」
宣の許可は下りなかった。
「どういうことだ」
「原則、還魂の術式の許可を出すのは長男だけだ」
「ちっ」
諒には還魂の術式が降りない、だと?
「しかし今の長男はまだ小学一年生じゃないか・・・」
「それでも男子がいる限り許可は下りません」




