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閉明塞聡  作者: 大和八木
UCJDO ~謎の少女との出会い~
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「負」能力者の反撃

学校の外を見ているといろいろな人がやってきて、吹き飛ばして石を投げつけているようである。

「一体どういうことなの!?しかもあの人ら能力持ってないやつらばかりじゃない!」

「外に出て相手をしようぜw」

いじめっ子らと仲間たちは、人数を数えつつほかの教室の人も交えて玄関まで向かった」



「どうした、龍・・・・・何!?」

諒のスマホに入った情報は『絶対値の法則』が認められた。ということであった。これは喜劇ではあるが悲劇でもある。

「どうするのよ龍、学校から転送魔法で帰ったほうがいいか?・・・ああ、そうね」

日本各地、いや世界各地で暴動が起こり始めたという。特に繭を自殺させ、真っ先にトップに躍り出た神威市は格好の標的となっているのだ。




「能力の無いやつが、しゃしゃり出てるんじゃなーい!」

爆発魔法、吹き飛ばし魔法、射撃魔法をやっても奴らは石を当ててきて応戦してくるのだ。

「いたっ、このクソ野郎ども・・・!」

「君たち、いったん校舎に戻りなさい!しばらく状況説明するため、教室に戻るわよ」

「何があったんだ」

いじめっ子たちと他たくさんの生徒は校舎に入り教室に戻った。ドアは強力な魔法で施錠した。


バタン

教室はいまだに窓に小石が当てられているが、そういうのを気にしている状況ではなかった。

「真剣なお話があります・・・諒は、逃げ帰ったのね、まあ無事ならいいんだけども」

生徒たちは固唾をのんだ。

「今、世界で暴動が起こっています。理由は、能力素がいい人ほど優れている、それが完全に否定されてしまったのです」

教室はざわついた。

「先生!それは一体どういうこと?もしかして、国が方針を変えたとか?」

「国ではないです・・・世界能力素機関が敗北を認める声明を発表しました。それが『絶対値の法則』です」

世界機関が敗北するほどの論文・・・いったい何だ!?

「皆さん、今からバスを用意するので一人ひとり家に帰ってください。しばらくこの騒ぎが治まるまで休校にします」

そのように先生が言うと先生は急いで教室を後にした。


職員室では「負」の能力者からの罵声や暴言、「優秀な6人」発言での抗議の電話が鳴り響いた。

特に「優秀な6人」発言は猛バッシングを受けていた。元からネットにさらされていたのが今になって大炎上どころか大爆発を起こしていた。

「優秀(笑)な6人がいれば本校はいいんですよねw 死んだ一人の人権はどうするんですかー?」

「死んだ一人の能力差し引いた方が数値大きいんだけどどういうことなんですかねー?」

大量の電話に被われ「教頭を出せ」という声も出ていた。

「校長先生、教頭先生、もう限界です!」

「早く市長から公表しないとこの街終わるぞ」

激しい怒りの声は生徒を帰し切った後も続いた・・・。


飯匙倩の豪邸に臨時で諒と龍が呼び出された。考えることは、今後の対策のことである。

「さすがに証明されたらこうなるとはわかっていたとはいえ、少し嫌な状況ですね・・・」

飯匙倩は慎重に語る。飯匙倩はもともといじめを消すために『絶対値の法則』を研究したという。まあ、裏にいる結合した人たちが言うのもあるが。

「つまり、いじめを消すために『絶対値の法則』を唱えたら、それが判明したとたんいじめの立場が逆転しただけってわけね」

「ああ」

「この期に及んで、いじめが消えるとでも思っているの?」

「それはどういう・・・」

「あなたがやったことは、世界を逆転させただけで、いじめを解決させたことにはなっていない。やれ「~には手当を優先しろ」だとかやれ「異文化を云々」だとか、やっても意味がないのよ。やって意味があるのは、強制的に全部に格差を破壊しなくすことしかない」

「UNIVERSE 25を知らないわけではなかろう?諒閣下の知識なら」

「ええ、わかってるわ。だから いじめなんかなくす方法はない と最初から言ってるではない?」

凛が少し仲裁に入ってきた。

「少し言い過ぎではないでしょうか、飯匙倩さんもあわててますよ」

「ああ、確かに言い過ぎたかもね。今の私はもう闇堕ちしているのだから」

飯匙倩は落ち着きを取り戻して言った。

「まさか押されるとは思ってなかったですな。しかし平等じゃないのはいろいろあるのですよ」

それは当然いろいろある。何かを学んだり、何かを信仰したり、それはすべて自由であるが、さすがにそれを統一するのは無理があるかもしれない。

「この話は後にするとして今後の対策ですね。何か思い当たりますかね、龍さん」

「思い当たる・・・そうですな、とりあえずアファーマティブアクションとかそういうのはなしで何かしら負能力者で何ができるか示せばいいのでは」

「負能力者のできることですか・・・」

すると飯匙倩は誰かとこそこそ会談しているようだ。ただ、こそこそしている感じが諒の癪に障ったようだ。

「誰と話しているの?」

飯匙倩は少しこわばった顔で話した。

「「アラカルト」を開発した、インランドタイパン氏だ」

「!?」

飯匙倩はいろんな人を取り込んでいるのか。取り込み呪文については知ってる程度でよくわかっていないが、いろんな人を放出したり会話できたりするんだっけな。

しかしそんなことを考えても仕方ない。インランドタイパンの話は知っている。このことだけ伝えておくか。

「インランドタイパン氏のことは知っているわ。まさかあなたが取り込んでいたのね」

「・・・・・・。」

確かに死んだ繭が「黒い存在」と「白い存在」といっただけはある。ん、繭はそんなことを導けるのか?

このことについて話してみるか・・・

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