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閉明塞聡  作者: 大和八木
UCJDO ~謎の少女との出会い~
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絶対値の法則

「落下後身体はその破片と校舎の残骸によって激しく損傷、彼女も反動でヒール能力を失い何もできずに失血死。対象者死亡です」

「そうか、まずいことになったな・・・」

飯匙倩の豪邸では健による報告を聞いていた。

「まずい、ことなん?」

蛍が尋ねる。

「一つに、繭の遺体の権限は完全に椋路寺サイドだ。奴らが何に研究するかわからないが、とち狂って"還魂の術式"をされると困る」

「還魂の術式って?」

「還魂の術式は太古な魔法なものの、死者をよみがえらせるものだ。自殺だとアヴェンジアンデッドにはならないだろうが、この状況はわからないねぇ・・・」

「アヴェンジアンデッド・・・向こうでいう龍みたいな人ですか」

凛もそのことについての話はある程度知っている。

「なんせアヴェンジアンデッドは還魂返しが通じないから普通に"殺す"しかないのだ。人みたいな性質だからな」

飯匙倩は話を続ける。

「次なんだが・・・これは神威市に降りかかる話ではあるが、あの論文が通った」

「あの論文?」

「蛍、お前がsp3混成軌道みたいな話しただろ?あれは『絶対値の法則』という強力な論文だ。皮肉なことに、シナ(お隣のでっかい国)が変な実験をした結果それが証明されてしまったのだ」

・・・・・・・・・・・・・・

「ああ、神威市終わったな、甲賀市も方針的に半分死んだんだろうけど」



「もうやだ、こんなことになるなんて あたいは、死んでも・・・無」

自殺で死んだ先は無であるという話は諒が何とか知っている内容の範疇である。死んだ人は無の世界に送られるという。

「龍ー、そもそもなんで神威ってこんなに能力素主義なの?持ってる人がえらいの?わかるん?」

龍は少し考えたうえで言った。

「実はもともと能力者と非能力者という言葉なんてなかったのです」

「え・・・」

「能力者と非能力者の差が表れ始めたのは1690年近くのころ、インランドタイパン氏によって能力素をあげる素材「アラカルト」を発明しました。アラカルトによって多くの人が能力を得ることに成功しました。ここから能力を持つ人が能力を持たない人を差別し始めたといわれています。ただ、インランドタイパン氏自身は、「アラカルト」の乱用を禁ずるように訴えておりました。しかし、その反駁も空しく、能力を持つ街こそ良いという変な思想までついてしまいました。これは「アラカルト」を製造する側にはとても素晴らしい世界だったと言います。反駁したインランドタイパンは行方不明となってしまいました」

「そんなことが・・・」

「でも希望はあります。我々の『絶対値の法則』です」

「それ、いったい何?初めて聞いたんだけど」

「この前sp3混成軌道がどうとか言ってた論文がありましたよね?」

「ああ、確かに」

「あの論文さえ通れば、この街の能力素崇拝主義も終わりです・・・!」

くだらない、一蹴された論文だと聞いたんだが。

「繭ちゃんの遺体は今後どうするの?一応応急処置をしたなんて変なことを聞いたけど?」

「それは私にもわかりませぬ」


「さて、学校の時間ですか」

「もう行きたくないんだけど」

諒は歓迎されることが嫌で嫌で仕方ない。しかし、街がそんなくだらないことで争っていたことはわかった。その街にまた見せつけるとしよう。


暴力を


諒はしぶしぶ教室の中に入っていった。

「おはよう、今日もいい天気ね」

早紀が笑顔で話しかける。いじめっ子という姿は微塵にも考えられないが。

「うるせえ!」

ドン!

「諒は具現化したショットガンを上に向けて発射した」

「お前らはなぁ、くだらない理由で繭に死ぬよう命令したってなぁ!あたしは許さんぞ」

教室はざわついた。

「な、何のことかなぁ・・・?」

「能力素保有率ランキングと平均率一式」

そういうと諒は紙をばらまいた。どうやら繭の死後、能力素保有率と能力素平均率が神威市がダントツになったのだ。また、滋賀県もこのことによりランキングは20位ぐらい上がったらしい。

「な、なぜそれを・・・」

「そんなもん堂々とネットで掲げてたらわかるわ、そんな無知蒙昧なデータで遊ぶなんて、国のトップも糞なんだわね!」

「で、でもそれが常識だから」

「何が"常識"だ。あたしの能力素の「見た目」の推移も知ってはいるでしょ?上がったり下がったり。ふつうそんな人間はありえんわな!」

「・・・・・」

しかし、チャイムが鳴った後いろいろ説教したところで、教師は一向になってもやってこない。ある生徒が言った。

「先生、遅くないか?」

ピシッ

教室の窓ガラスに何か当たってひびが入ったようだ。

「諒、能力を使って八つ当たりするの、もうやめて・・・」

「え?あたしは何もしてないが?」

「え?」

PRRRRRRRRRRRRRRRRR

諒のスマホに電話が入った。龍からだ。

「どうした、龍・・・・・何!?」

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