自死念慮の目覚め
ここから「諒」が主人公視線の話が多くなります。今までは第三者視線でしたが、今後は彼女の事柄がかなり増えていきます。(閉明塞聡まで)
(・・・・私は生きていてもいいのかな、みんなに迷惑をかけているのに・・・)
(・・・でも、あの時諒が思ってたことを考えたら、・・・うう、どうしたら・・・)
「繭っち?」
「ぁ、はい・・・!」
最近繭は悩むことが多くなっている。あたしには迷惑をかけているという感じはしない。むしろ必要なのだ。
学校では相変わらず無視や嫌がらせが続いている。しかもそのやり方も陰湿だ。発言を邪魔したり、トイレの中で水を掛けたり・・・
あたしの場合はそんなものは一切ダメージを受けないが、特に繭はあたしに対していじめられることを精神負担となっている。
精神へのダメージはカウンセリングを行っているが・・・繭は私以外には心を全く開かない。
このままでは自死念慮が目覚めてしまう。自死念慮とは自分で「死にたい」と思うこと、いわゆる自殺をしたいという思いを作ってしまう。
一度目覚めてしまうと治すのは絶望的である。デジィアティーもその内面には入ることはできないという。
「くっそ、今までさんざん邪魔をされたけど今度こそは繭を自殺させるわよ・・・!」
早紀は何でも屋、優秀な精神分析家、自治体の一部などを誘い込んで会議を開いていた。
「諒、奴がいる限り自殺を促すことはできない。どうすればいい?」と早紀は言う。
「今度は諒をいじめの対象にすればいいんじゃないですか?繭は普通に接しましょう」
「諒だけをいじめる・・・?しかしやつをいじめても何の効果ももたらさないのよ」
「諒をいじめることによって繭を精神的に孤立させるのです。そうすれば彼女にもスキができるのではないかと・・・」
しかし、諒をいじめるというのはかなり危険なかけである。約980Z[J]から出される攻撃はかなり強烈なものだ。下手すれば我々が死んでしまう。
「病院にもバックアップを取ればよい。けがをしたら救急車を呼ぶように大げさにやっていただきたい」と自治体が言った。
「それ、信用していいんだな・・・?」
「もちろん。彼女の死は街をトップにする最大の課題です。拷問殺人鬼が敗北したのは正直想定外でしたがね」
「自治体はそんなことまでやってたのか!?」
拷問殺人鬼はたまたま来たのではなく何と自治体の依頼で来たというのだ。これはトップシークレットで、初めて聞く話だ。
「早紀、繭をどう片付けるか、見届けようじゃないか」
オオオオオオオ!!!
繭の死は街を救うとはどういう意味なのであろうか。




