憧れの人の正体
「あの、白石先輩?」
と、白石先輩の顔を覗き込んだ瞬間、彼の目が驚いたように見開かれた。
「あんた、青葉さんの娘か?」
「え?そうですけど…」
青葉さんとは私の母で、2年前に亡くなった。
母は、生前編集者をやっており、かなり売れている作家さんを担当していたこともあったそうだ。
「やっぱりな。通りで似てると思ったんだよな」
「確かに目元とかそっくりだね」
カウンターで一人作業をしていた大西先輩も入ってくる。大西先輩は白石先輩の従兄弟で幼なじみらしい。
私は話しに着いていけず、首をかしげる。
「母と知り合いなんですか?」
「ああ!青葉さんは、この水野千鶴の担当者だったからね」
こいつ、と大西先輩が白石先輩を指差す。
「おまっ、何で言うんだよ!」
大西先輩が言ったことが理解できていない私を尻目に二人は口論している。
(憧れの水野先生が、この白石先輩ってこと?!)
「本当に水野千鶴先生なんですか?」
「そうだけど」
白石先輩はポリポリと頭をかきながら言った。
「ただし、この事は誰にも言うなよ。勝手に翔大が言ったから原田は悪くないけど」
「はい!分かりました!」
私は憧れの先生の正体をこの日、知ってしまった。
でも、水野千鶴先生は1年ほど前から新作小説が出ていない。その理由もいつか聞けたらいいな。
第2話はどうでしたか?
少し文章が短めになってしまいましたが、
憧れの人の正体は白石先輩でした!
今話もご一読していただき、ありがとうございます。