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三度目の世界は救いません  作者: 金木犀
第1章 奇縁
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危険な匂いがする奇縁

職場からの帰り道そんなことを考えながら歩いていると、ふとどこからか「ぐぅぅ」といううめき声が聞こえてきた。

いつもなら聞かなかったことにして通り過ぎるのだが、なぜか今回はその声が気になってしまった。

しばらく辺りを探すと、路地の裏にうずくまった男を見つけた。


その瞬間、懐かしい匂いがした。


血の匂い。


異世界でいつも纏わりついていた、あの匂いだった。

初夏だというのに、肌がぞわりと沸き立ち、背筋に冷や汗が流れる。

魔物の姿が見えた気がした。

「そんな、ばかな。」

すぐにかぶりを振る。

この世界に魔物なんていない。

血の匂いは本物だが、この世界で人を傷つけるのは人だけだ。

「大丈夫ですか?」

そう声をかけようか迷った。

声をかければこの男は助かるだろう。しかし、面倒ことに巻き込まれる、確実に。

異世界にいたころなら迷わずに切り捨てていただろう。

・・そんな逡巡が命取りだった。

気づくと私に銃口が向けられていた。


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