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三度目の世界は救いません  作者: 金木犀
第5章 宿願
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準備は密やかに4

少々話が脱線してしまい、すっかり冷めてしまったコーヒーを淹れなおす。


「さて、それじゃあ本題に入りましょうか。」


空気にピリリと緊張が走る。


「ああ。藤谷のことだな。」


「ええ。」


「魔道具で伝えた通り、〇〇県の××刑務所の特別監房というところに収監されている。

 刑務官の経歴、家族構成、行動パターン、身体データ諸々はこれを見てもらった方が早

 いだろう。」


差し出されたのは、データがまとめられた一冊のファイルだった。

顔写真付きで事細かに、あらゆるデータが集められていた。

一か月足らずでよくここまで情報を集められるものだと感心した。

同時に、たった一か月足らずでここまで情報が漏れてしまうような管理体制で、よく今まで信者に居場所を特定されなかったなと思う。


「こんなに詳細に・・・。

 すごいわ。ありがとう。」


「どうってことはないさ。

 そういや、藤谷を拉致するんだったよな?」


「ええ。」


藤谷拉致の計画はいたってシンプルだ。

刑務官に魔法で成りすまし、特別監房に潜入。

藤谷に接触し、そのまま連れて特別監房を出る。

ただ、そのままでは藤谷がいなくなった事がバレてしまうので、何かしらの対策を講じる予定だ。


「何か手伝えることはあるか?」


「そう、ね。

 もしよければ藤谷を連れ出した後、拠点まで運ぶ車を準備してらえる?

 さすがにずっと魔法をかけたまま引きずっていくわけにもいかないし。」


「わかった。足がつかない車を準備しておく。」


ふと、何故こんなにも至れり尽くせりなのかと思ったが、ここで黒田を疑ったところで何の得もない。

最上位クラスの魔法を込められる魔道具を準備することで、私の中で貸し借りなしにすることにした。


「本当ならすぐにでも実行したいところなのだけれど、まだ閉じ込める場所がないのよ

 ね。

 第一拠点が完成次第、実行に移すわ。」


「工事を急がせよう。」


「嬉しいわ。よろしくね。」


「・・・・・」


ニッコリと笑った私の顔を見て、黒田の表情が曇った気がした。


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