表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三度目の世界は救いません  作者: 金木犀
第5章 宿願
71/135

準備は密やかに2

黒田の言うとおりだ。

私の予想では、地球には3パーティー以上の勇者が存在している。

1パーティーが4~6人とすると、最低12人。

しかし、それだけの人数では地球全土を賄えるはずはない。

私が救った異世界と比較すると、人口はおよそ70倍、面積はおよそ4倍だ。

最低でも50人は欲しい。

しかし、何も勇者だけが魔王軍と戦わなければならいなんてことはない。

軍隊はもちろんだが、地球人全てが兵士となりうる可能性があれば、参戦可能な兵力は数十億人となる。

もし本当に地球を救いたいのなら、黒田の指摘通り地球人皆兵化するのが最善手なのだ。


「きっと、やりたくてもできないんでしょう。

 あくまで予想の域を出ないのだけど、女神の祝福は【異世界人】にしか与えられないの

 かも。

 今回【異世界人】なのは私たちではなく、魔王軍でしょ?

 だから苦肉の策として、かつて【異世界人】だった元勇者に力を付与したんじゃないか

 な?」


「なるほどな。一応筋は通ってるな。」


「あくまで予想よ。

 それにこの予想が当たっていたとしたら、魔王軍はいったいどんな祝福を貰ったのか気

 が気じゃないわ。」


「そういや言ってたな。

 こっちの味方をする女神のように、魔王軍にも味方となる何かしらがいるんじゃないか

 って。」


「不安要素の一つよ。」


できるだけ考えたくない、けれど考慮すべきだろう。

そもそも、魔王軍が異世界に攻め込んでくる理由がよく分からないのだ。

私は、この魔王軍は何度か世界を滅ぼしたことがあるのではと思っている。

あくまで、直観による予想だが。

ただ、何故「何度も」世界を滅ぼしたのだろうか。

統治がうまくゆかず、敵対勢力に敗北し、リベンジしたのか。

はたまた、勇者が召喚されるように、他の世界の魔王軍に戦力として召喚され、その世界を滅ぼしたのだろうか。

あるいは、魔王軍に味方する何かしらが、魔王軍を何度も異世界転生させ、その世界を滅ぼさせたのか。

最後の可能性が、一番考えたくない可能性だ。

人知を超える存在の意思など、想像したところで、欠片もわかりゃしない


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ